巨大ロボにサウンド、発光ギミック……50周年を迎えたミニカーの王様「トミカ」、その“変わった部分”と“変わってない部分”とは?【ホビー業界インサイド第65回】

2020年11月21日 12:000
巨大ロボにサウンド、発光ギミック……50周年を迎えたミニカーの王様「トミカ」、その“変わった部分”と“変わってない部分”とは?【ホビー業界インサイド第65回】

子ども向けミニカーの代名詞である「トミカ」が今年、誕生から50周年を迎えた。トミカといえば、子どもの手のひらにギュッと握れる大きさの、シンプルな金属製ミニカー……男子なら誰でも遊んだ記憶があると思うが、現在どのようにシリーズが発展しているかを把握している人は少ないのでは……? 実は巨大ロボットと合体したり、音や光や振動まで再現されていたり、多方面へ進化を遂げているのである。
半世紀もの歳月をかけて膨大なバリエーションを広げてきたトミカは、2020年の今、「誰に向けて」「どのように」企画開発されているのだろう? タカラトミー・トミカマーケティング部主任の安栄治さんにお話をうかがった。

「タイヤの形がどの車でも同じ」、それがトミカのアイデンティティ


── トミカは1970年8月にスタートしたと聞いています。第1弾として「日産ブルーバードSSSクーペ」、「トヨタ2000GT」などの国産乗用車、6台が発売されたそうですが?

 トミカが誕生する以前は、海外メーカー製のミニカーが主流でした。大きさも1/43スケール(約10センチ前後)が主流で、子どもが遊ぶには大きめなミニカーが多かったと聞きます。ほかのメーカーさんから、今のトミカに近いサイズのミニカーも発売されましたが、国産車はほとんどラインアップされていませんでした。そこで、「日本の子どもたちに、日本の車のミニカーを届けたい」という想いから、トミカはスタートしました。現在、トミカは常時140種類をラインアップしていて、半分ぐらいが働く車で構成されています。また、毎月2種類の新製品を発売しており、その時代ごとに子どもたちがよく見かける車がしっかりとラインアップされるよう、140種類の構成をリフレッシュしております。どの車を新たに加えて、どの車を外すかは、各方面からの意見も聞きながら、社内で協議して決めています。自動車メーカーさんから、モデルチェンジするという情報が入る場合もあります。乗用車は入れかわりが激しいのですが、「No.95 ロンドンバス」のように、1977年から40年以上も販売されている息の長い製品もあります。つまり、清掃車や郵便車、トラックなど、子どもたちにとって印象強いモデルであれば、実車がモデルチェンジしてもトミカはそのまま……という場合もあるわけです。
トミカの初回生産分は、箱に新車だとわかるシールを付けているのですが、それを目印に買うお客様もいらっしゃるようです。親御さんはお子さんの持っているトミカをすべて把握しているとは限らないので、「シールの貼ってある箱は新製品なので、多分まだ買っていない」と、売り場で選ぶときの判断基準になるというお声も頂いたことがあります。


── 子どもだけでなく、マニアックに買い集めている人も多いのではありませんか?

 ミニカーファンの方たちからは、「サイドミラーが付いていたら完璧なのに」というお声をよく耳にすることがあります。ですが、トミカのターゲットは常に子どもたちなので、手でギュッと握ったときに手のひらに当たってしまうサイドミラーは付けていません。安全性の高さを優先して、全体に丸みを帯びた形にアレンジしてあります。また、大きさや色に多少の差異はありますが、どの車も基本的にタイヤはすべて同じデザインです。「タイヤも車種ごとに作り分けてくれないかな」と言われることもあるのですが、お子さんが重視するのは車の形ですから、タイヤのようなディテールまで変える必要はないわけです。50年間変わらないタイヤの形は、トミカのアイデンティティと言えます。また、ST基準(玩具の安全基準)は年々高くなっていて、トミカ独自の安全性基準も設けています。例えば、リアウイングなどの材質も、現在ではやわらかい材質で成形してあります。ですから、50年前のトミカを、当時とまったく同じ仕様で復刻することはできません。安全性基準が現在と異なるため、子どもたちが手で遊べないトミカになってしまうからです。トミカの基準は、あくまでも3歳以上の子どもたちです。

── マニア向けに、もう少し精密感のあるトミカも発売されているようですが?

 はい、まずは「トミカプレミアム」。昔、トミカで遊んでくれた方たちに向けたシリーズでして、対象年齢は6歳以上です。ラインアップには、いまは走っていない往年の車種も入っています。さらに上の対象年齢、14歳以上には「トミカプレミアムRS」というシリーズもあります。1/43とスケールがきっちり設定されていて、ボンネットが開くなどの細かなギミックもしっかり備わっています。しかし、「トミカプレミアム」も「トミカプレミアムRS」も「トミカ」ですから、サイドミラーは付けておらず、安全性はST基準に従っています。材質は亜鉛合金にこだわりつつ、価格は抑えめです。



── 「トミカ」と冠する以上は、ホビーではなくトイなわけですね?

 はい、観賞用の高価なミニカーとは違って、手で遊べるのが「トミカ」です。唯一の例外が株式会社トミーテック(タカラトミーのグループ会社)から発売している、「トミカリミテッドヴィンテージ」です。こちらは対象年齢も15歳以上となっており、サイドミラーもありますし、細いパーツは部分ごとに材質を変えています。また、「トミカリミテッドヴィンテージ」は1/64スケールに統一しているので、大型車両は大きなサイズで商品化しています。逆を言うと、普通のトミカは、同じ箱に収まるようにサイズをすべて統一しています。普通のトミカでは、小型車も大型バスもすべて同じ大きさです。子どもの手のひらが、トミカの大きさの基準なんです。

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