プラモデルなのに、塗装の必要なし! バンダイ「スター・ウォーズ」シリーズ、「1/12ハン・ソロ ストームトルーパーVer.」の“本当にすごいポイント”とは?【ホビー業界インサイド第33回】

2018年03月24日 12:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

2014年よりリリースが開始されたバンダイの「スター・ウォーズ」プラモデルシリーズ。「1/72 Xウイング・スターファイター」などのビークルライン、「1/12ダース・ベイダー」などマスクをかぶった人物をキット化するキャラクターラインの両面から展開してきたが、4年目の今年、大きな変革が訪れようとしている。4月発売の「1/12 ハン・ソロ ストームトルーパーVer.」、5月発売の「1/12 ルーク・スカイウォーカー ストームトルーパーVer.」に、俳優の顔そっくりにカラー印刷された顔面パーツが付属するのだ。
プラモデル製品の場合、フィギュアの顔は購買者がみずからの手で塗装するより表現方法がなかったわけだが、その常識が崩れようとしている。バンダイ・ホビー事業部の長澤洋平さんに、「印刷済み顔面パーツ」付属の狙いをうかがった。


今回の顔面印刷技術は、完成品フィギュアの応用ではない!


── 長澤さんは、「スター・ウォーズ」のプラモデルシリーズにはどういう形で関わってこられたのでしょうか?

長澤 昨年末に公開された最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のキットを主に担当しています。「1/144 ミレニアム・ファルコンの『最後のジェダイ』版」、「1/72 ブーステッド・Xウイング・ファイター ポー専用機」、「1/72 Xウイング・ファイター レジスタンス ブルー中隊仕様」、完全な新規金型ですと、「ビークルモデル 012 AT-M6」の企画・開発を担当しています。

── 「スター・ウォーズ」のプラモデル展開では、大型製品の「PERFECT GRADE 1/72 ミレニアム・ファルコン」が昨年発売されたことで、ビークル系はひとつのピークを迎えたと思います。いっぽう、「1/6 ヨーダ」の発売によって、キャラクター系にも大きな変化がありましたね。

長澤 初期のころは「ダース・ベイダー」やストームトルーパーなど、マスクをかぶったプラモデル化しやすいキャラクターが主でした。昨年の「ヨーダ」によって生々しい造形がインジェクション成形でも可能だとわかりましたので、その成果が今回の「ハン・ソロ」と「ルーク・スカイウォーカー」にも繋がっています。


── 「ヨーダ」と異なる大きな売りは、顔面があらかじめ塗装されていることです。しかし、実写映画をモチーフにした完成品フィギュアのリアルな塗装技術は、バンダイさんの完成品フィギュア「S.H.Figuarts」などでも見かけますね。

長澤 確かに弊社は完成品フィギュアも商品化していますが、今回発売する「1/12 ハン・ソロ ストームトルーパーVer.」と「1/12 ルーク・スカイウォーカー ストームトルーパーVer.」は、完成品フィギュアの塗装技術をプラモデルの生産工程に落とし込んだものではないんです。“Triaxial Jet Finish”(トリアクシアル・ジェット・フィニッシュ)と言いまして、非常に長い期間、印刷技術や治具の開発に時間をかけました。まず塗装だけでなく、「ハン・ソロ」や「ルーク・スカイウォーカー」といった実在のキャラクターの顔を硬質なプラモデルの金型でうまく再現できるのか。さらに、タンポ印刷など従来の技術で満足のいく仕上がりになるのかどうかなど、さまざまなアプローチで検証に検証を重ねていきました。

画像一覧

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。

関連記事