ホビー業界インサイド第24回:シタデルカラーは、本当に魔法の塗料なのか? 高久裕輝(マックスファクトリー)が塗って語る、シタデルカラーの模型的活用法

2017年06月24日 12:000

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「プラモデルに色を塗るのが好き」なモデラーたちの間でジワジワと話題になっているのが、ゲームズワークショップの発売するシタデルカラーだ。シタデルカラーとは、ゲームズワークショップの販売するプラスチック成型のミニチュアキットを塗装するために開発された塗料。以前にゲームズワークショップの直営店「ウォーハンマーストア神保町」に取材したときには、十分に紹介しきれなかった。
シタデルカラーの秘めた応用力、実用性をもっと知りたい! ゲームズワークショップと業務提携を結んだマックスファクトリーの高久裕輝氏に、シタデルカラーの“本当のすごさ”をうかがった。


マックスファクトリーとゲームズワークショップの関係とは?


── 高久さんは、ゲームズワークショップ(以下、GW)のミニチュアとは、どのように出会ったのですか?

高久 まず、弊社は「minimum factory」という美少女フィギュアのプラモデルキットを開発しています。ですから、有機的な形を射出成型するにはどんな技術を使うべきか、常に考えていなくてはなりません。そんな中、会社の近くのホビーショップで、GWのミニチュアの箱を見つけたんです。「この箱はなんですか?」と聞いたら、中にはプラモデルキットが入っている。「開けていいですよ」と言われて箱の中を見たら、ランナーにくまなくパーツが配置されている。設備投資のできない小さなメーカーに製造できるものではないと、即座に理解しました。それがまず、最初の驚きでしたね。
もうひとつ、たまたま同時期にGWが日本向けのミニチュア(スペースマリーンヒーローズ)を開発していたんです。模型雑誌を通じてGWさんとお会いしたところ、「実は日本向けのアイテムを作っているので、販売代理店にならないか」という話に発展しました。


── そこで、GWとマックスファクトリーの接点ができたわけですね。

高久 そうです。業務提携することで、まず単純に「こんなにすごいプラモデルがあるよ」と、世の中に紹介できます。GWは実在する戦車や飛行機ではなく、有機的なモンスターを表現力豊かに成型できるメーカーですから、弊社にとってもシナジーを期待できます。お客さんが、「こんなモンスターでもプラモデルになるのか」「だったら何だってプラモデルになるね」とジャンルにとらわれず受け入れてくれれば、僕らが商品化できるレンジも広がるかもしれません。ですから、プラモデルの世界全体がより面白くなることを期待して、GWと組みました。


── だけど、GWはゲームのコマとしてミニチュアキットを開発しているわけですよね?

高久 その点に関しても、フィギュアとプラモデル専門のマックスファクトリーが扱うことで、「単なるゲームのコマ」という認識から離れられると思います。弊社はあくまでも、「プラモデルとして面白いでしょう?」と提案します。「スペースマリーンヒーローズ」は税込み750円、ブラインド仕様で10種類の販売を予定しています。コンプリートしたい人はボックス買いしてもいいし、ちょっとだけGWやシタデルカラーに興味がある人は、とりあえず750円でひとつから手に入れられます。
また、「スペースマリーンヒーローズ」は、ニッパーと接着剤が不要なだけでなく、ランナーの断面を丸くしています(従来のGW製品のランナーは四角い)。つまり、日本には「プラモデルのランナーは丸い」「タグが付いている」という習慣があるので、そこを遵守しているわけです。それだけGW本社は、日本市場を研究しています。

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