巨大ロボにサウンド、発光ギミック……50周年を迎えたミニカーの王様「トミカ」、その“変わった部分”と“変わってない部分”とは?【ホビー業界インサイド第65回】

2020年11月21日 12:000
巨大ロボにサウンド、発光ギミック……50周年を迎えたミニカーの王様「トミカ」、その“変わった部分”と“変わってない部分”とは?【ホビー業界インサイド第65回】

50年前に遊んだトミカは、当時と変わらず、そのままの形を保っている


── ちょっと驚くのは、トラックの荷台に恐竜やパンダが乗っていたり、「トヨタ タウンエース ハンバーガーカー」のように巨大なハンバーガーを積んだトミカです。なぜ、こういう変わった荷物を積んだトラックを商品化するのですか?

 何も積んでいないトラックは、味気ないだろうという思いからです。子どもたちが少しでも楽しく感じられるよう、「トミカコンテナ」などの架空の荷物を載せています。子どもたちからすれば、単なるグレーのコンテナが載っていて面白いのだろうか、そこまで玩具にリアリティを求めているのだろうか……と、考えて工夫しているわけです。荷台やコンテナ部は架空車に近いので、もちろん自動車メーカーさんに許諾・監修していただいています。もし「こんな実在しない車は出さないでほしい」と言われてしまえばそれまでなのですが、食べ物系の車両は、かなり遊びが入っています。

── 「いすゞ ギガ フライドポテトカー」など、巨大なハンバーガーやフライドポテトを積んだトラックは、かなりインパクトがありますね。

 「ハンバーガーカー」と「フライドポテトカー」の2種類は、とても人気があるんです。長く売れつづけている定番商品ですね。どちらもキャブは実在のクルマではあるのですが、「こういう形の車両」として受け止めてもらっているのだと思います。

── 「日野プロフィア 葛飾トラック」も、柴又の商店街と花火大会の写真が貼りこんであって、かなり異色な感じがしますが?

 はい、実際にこういう荷台の車両が町を走っているわけではありません。発売するにあたって、荷台に架空の企業マークを入れるよりも楽しいデザインにできないだろうか……と考えた末、「タカラトミーは葛飾区にあるのだから、葛飾区のトラックにしてはどうだろう?」という話になりました。葛飾区役所は徒歩1分ほどの場所にあるので、直接ご説明に行って、許諾していただけました。


── 花の写真も入っていますが、これは一体?

 葛飾区の花が“ハナショウブ”なので、実物の写真を入れてみました。ここまで凝ったのだから、実車をラッピングして走らせたいと思ったのですが、今はまだ実現しておりません。しかし、れっきとした葛飾区公認の商品です。

── 商品以外にも、「トミカ博」「トミカショップ」なども開催していますよね。これらのイベントや店舗展開には、どういう意図があるのでしょう?

 まず、トミカ博。「体験できるトミカの世界」をテーマに、トミカ30周年の2000年に第1回を開催しました。家族で撮った写真をトミカに貼る試みが人気だったり、ファミリーに好評で、今では年に10回以上、開催しています。今年はようやく、9月~10月に、大阪のひらかたパークで開催できました。「トミカ50周年 自動車メーカーコラボプロジェクト」として、本田技研工業さん、トヨタ自動車さん、日産自動車さんの各社が社内コンペでトミカのデザインを考えてくださいました。各自動車メーカーさんが起こしたトミカのデザインを、そのまま実車のラッピングカーとして、トミカ博で展示することができました。
トミカショップは2005年に1号店を東京駅にオープンして、今では横浜や大阪にもあります。親子向けのアパレル、カレーなどの食品、水筒や弁当箱などのランチグッズも店舗で販売しています。最近ですと、マスクポーチが人気です。「24時間、トミカと一緒」というコンセプトでスタートしました。


── トミカは、小さな子どもが遊ぶ前提ですが、耐久テストなどはしているのですか?

 はい、まずドアの引っ張りテストがあります。何キロで何秒引っ張るか基準が決まっていて、それでも壊れないようにしっかりと作って、チェックを行っております。トミカならではのテストは、走行試験ですね。箱に詰める前に、何度か実際に走らせます。観賞用のミニカーなら、走行試験は必要ありませんよね。トミカは手で遊ぶ商品なので、ドアが開閉できるトミカにはウィンドウは作ってありません。指で開けやすいように、あえて隙間も設けてあります。そうしたギミック、サイズ、耐久性、安全性は子どもたちが触ることを基準にしています。たとえ社会が小子化しようと、トミカの基本は変わっていません。
また、トミカはダイキャスト製なので、ミニカーの素材としてよく使われるレジンに比べると、経年劣化しづらいのが特徴です。塗装は剥げてしまうかも知れませんが、50年前のトミカをお持ちなら、形だけはほとんど変形や劣化せずに残っているはずです。その耐久性の強さが親子のつながり、たとえば「お父さんも子どもの頃にトミカで遊んでいたんだよ」といった親子の会話に繋がります。音や振動などのギミックが加わったトミカもありますが、実は、50年の間で変わっていないことのほうが多いんです。



(取材・文/廣田恵介)

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