ホビー業界インサイド第14回:模型を作って、世界中の人々とのコミュニケーション! “模型工房ばーちゃわーるど” 亀田誠インタビュー!

2016年08月27日 12:000

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カンボジアの「アンコール・ワット」に、イタリアの「フィレンツェ大聖堂」、ギリシャの「パルテノン神殿」……誰もが知る世界遺産を、こつこつとミニジオラマで制作する“模型工房ばーちゃわーるど”。単に作るだけでなく、各地の展示会やコンテストに出品し、はては各国の在日大使館に寄贈するなど活動を広げている。

現在は2020年の東京オリンピックに向けて、206か国のミニジオラマを制作中の“ばーちゃわーるど”の亀田誠さんにインタビューした。


下手でもいいから、見た人が笑顔になれる模型を


──模型歴34年、海外渡航国49か国とのことですが、模型と旅行、どちらが先だったのですか?

亀田 小学生の頃から、ガンプラやタミヤのミリタリーミニュアを作っていて、旅行と模型は完全に別々でした。娘が生まれるちょっと前、12年ぐらい前に家内とメキシコに旅行しまして、「チチェン・イッツァ」という遺跡に感動して、帰国してからスチレンボードとプラ板で模型を自作しました。世界遺産の模型を作ったのは、それが初めてですね。

──すると、旅の思い出として世界遺産の模型を作りはじめたわけですね?

亀田 そうですね、特に家族ができてからは、家族もジオラマ入れて、絵日記のような感じで作っています。それをプラモデルの展示会に出品すると、意外とウケるんです。というのは、お父さんの付き添いで来られるお母さんが足を止めて、「子どもの教育にいいから」と解説を始めたりするんです。それまで模型に興味のなかった層に、よろこんでもらえています。


──建物や遺跡、たくさんの模型を作っておられますが、資料はどうしているんですか?

亀田 図面が手に入ることなど滅多にありませんので、もっぱらネットで写真を集めています。高さや幅ぐらいは検索すれば出てきますので、いきなりCADで図面を引きはじめます。ただ、完璧に再現することが目的ではありませんから、本物らしさを優先して、多少のデフォルメを入れています。

──とても小さい模型ばかりなのですが、大きさに尺度はあるんですか?

亀田 作るにも手ごろで、見て楽しい大きさということで、2400分の1スケールに統一しています。今は3Dプリンターを導入して、かなり作業が楽になりました。世界遺産のジオラマ以外にも、ネタ物といいますか、ウケるような物も作っています。海外旅行で家内が現地の人とケンカしているシーンですとか、ガンプラを使ったジオラマなどですね。ふだんは、家内に隠れて、こっそりとガンプラを素組みして楽しんでますよ。


──細かいけれど、超精密再現のジオラマというわけでもないんですね。

亀田 そうですね、技術的にすごいと言われるよりも、見てくれた方に笑顔になってほしいんです。技術的に素晴らしい方は大勢いらっしゃいますが、模型で笑いをとろうという方は少ないのかも知れません。下手でもいいから、見た方によろこんでほしい。それが最優先ですね。模型って、言葉がなくても伝わるじゃないですか。国際交流にもピッタリだと思うんですよ。

──駐日大使館の式典などに招待されているんですよね。どうやって交渉しているんですか?

亀田 最初は私がメールを出して、家内が「大使にお会いしたい」など、ちょっと図々しいことを電話したり、日時を交渉してくれるんです。大使館にジオラマを寄贈することもあります。だけど、大使館に見せたばかりに、「ココとココが違う!」とダメ出しされたこともあります(笑)。

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