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中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の7月の新作アニメに関する動向や、近頃の中国のオタク界隈で発生しているというヒロインの扱いなどを発端とした作品に対する反発の動きなどについて紹介させていただきます。
人気シリーズの続編が中心となった7月の新作アニメ
前回のコラムでも書きましたが、7月のシーズンは新型コロナの影響により延期や配信中断となっていた作品が移動してきたうえ、その中に中国での期待作、注目作となっていた人気シリーズの続編がいくつも混じっていたこともあり、それらの作品を中心によくも悪くも話題が盛り上がっていった模様です。
そういった人気シリーズの続編作品としてはまず
「Re:ゼロから始める異世界生活」の第2期がライトな層からマニアな層まで幅広く人気になっているそうです。「リゼロ」に関しては中国でも原作を追いかけている人がかなりいることからネタバレ的な情報も知れ渡ってはいるそうですが、改めてアニメで見る際にはアニメのアレンジや演出などにより、原作やあらすじ的な情報で認識していたものとはまた違った面白さや意外さを感じる人も出ているとのことです。
またほかの人気シリーズの続編作品では
「とある科学の超電磁砲T」は古参のファンからの支持だけでなく新規ファンの獲得にも成功したことによる勢いで好調を維持しているそうです。この人気に関しては、関連作品であり同じように過去の知名度や人気はあったもののアニメ第3期があまりパッとしなかった「とある魔術の禁書目録」とは対照的なのも興味深いところでしょうか。
そしてほかにも「ソードアート・オンライン-アリシゼーション-War of Underworld -THE LAST SEASON-」、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」などは、よくも悪くも高い話題性とともに注目を集めることになっているそうです。
ただこの2作品に関してはシリーズを重ねることにより中国の視聴者から求められているキャラクターの活躍や、作品の視聴体験としての爽快感に対応することの難しさも浮き彫りになってきているという話も聞こえてきます。この辺りに関しては後のほうでまた触れさせていただきます。
それから、シリーズ続編以外の作品では、まず「魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜」が話題になっているそうで、主人公最強のいわゆる俺TUEEEEE系の作品としての突き抜けた展開が好評だそうです。
ピンチや敵の罠がなんであろうと真正面から誇張され過ぎとも言える力で叩き潰す主人公というある種の開き直りでお約束を裏切ることによる面白さ、ストレスのたまり過ぎる要素がなく安心して楽しめて爽快な気分になれるということなどから、近頃の迷走しがちな俺TUEEEEE系作品に対して不満がたまっていた層に歓迎されているとのことです。
またラブコメ系の作品ではまず「宇崎ちゃんは遊びたい!」が好調のようです。中国のオタクな方の話によると、当初はヒロインのキャラクターデザインが中国の一般的な好みから外れることや、作中に出てくる日本の定番ネタが理解できる人とそうでない人の温度差などを不安視する声もあったそうですが、現在ではライトなラブコメとしての手堅い展開と、現地の感覚にもネタが刺さった際の話題性などから比較的安定した人気を獲得しているそうです。
ほかにも「彼女、お借りします」が現地では放映開始後に人気が伸びている作品だそうです。この作品に関しては主人公の突き抜けたクズっぷりが逆に最初から期待せずに見ていられるという評価もあるとのことですし、主人公以外の各キャラも多かれ少なかれダメなところやクズなところを備えているのが見え隠れする中で主人公やヒロインが時折見せつけてくるカッコよさやかわいさが逆にいい、面白いと感じられるといった評価もあるのだとか。