【中国オタクのアニメ事情】中国で話題になった冬の新作アニメ(ライト層編)

アキバ総研 | 2015年02月22日 10:00
【中国オタクのアニメ事情】中国で話題になった冬の新作アニメ(ライト層編)

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。

今期も中国の動画サイトでは、さまざまな日本の新作アニメが配信されることになり、中国のオタク界隈における話題作や人気作が出ています。今回はそんな中国で配信されたアニメで、現地の主にライトな層の間で話題になっている、人気になっている作品を紹介させていただきます。



中国独自の事情について


まず前提として、冬は中国社会特有の事情があり、“元旦”よりも“春節(旧正月)”を盛大に祝う中国において1月は日本の師走のような状態になります。また中国のオタク層における最大勢力である大学生にとっても学期末ということで趣味に手を出す余裕は少なくなってしまうようです。

そのため1月は中国のオタクな人たちも忙しさから動きが鈍り、ネットで飛び交うオタク関係の話題の量も他の時期に比べて減少しますし、新作アニメに対して積極的にアンテナを伸ばしていく人も減ることから、チェックする新作アニメの作品数も少なくなる、無難な選択になるといった傾向があります。

中国で日本のアニメの正規配信の動きが本格的に加速しだしたのは2012年後半からですが、昨年と一昨年の傾向を見ても1月は中国のオタク層の反応が鈍い時期となっていますね。

 

・「東京喰種トーキョーグール√A」
1月は続編系の作品が強い傾向が出ましたが、その中でももっとも高い人気となったのはおそらく「東京喰種トーキョーグール√A」かと思われます。この作品は非独占配信のため複数の動画サイトで配信されていますが、どのサイトでも今期の新作アニメの中ではトップクラスのアクセス数となっていますし、ネットのオタク系コミュニティにおいても作品に関する話題が数多く出ています。

「東京喰種」は昨年の第1期も中国で人気となりましたが、第2期も順調に人気が高まっているようです。中国のオタク界隈では昨年大人気となった「進撃の巨人」に続く作品といった見方もされており、「東京喫貨」というあだ名や、作品に関するさまざまなネタやパロディとともにファンが盛り上がっています。

「東京喰種」の第1期が始まった当初は中国の女性オタク層を中心に注目されており、その後は中国のオタク界隈におけるダークヒーロー系の作品への需要や、作中におけるネタ要素が現在の中国のオタク界隈で拡大しています。

「コメント付き動画サイトなどで作品にツッコミを入れながら楽しむ」という作品視聴のスタイルと合致したこともあり、その後男性ファンを含むライトな層へも人気が拡大していきました。

そして1月に始まった第2期は、まだ第1期の熱が冷めないままスムーズに移行できる時期だったことに加えて、「第1期が人気だった作品の続編」という、新作へのアンテナが伸びない1月の中国において強い要素となる「作品選びで失敗しないだろうという安心感」まで備えることとなりました。

アニメの開始前から大きな注目や話題が集まっていましたし、配信開始後もクオリティや内容が中国のオタク的に満足できるものだったということで盛り上がっているようです。中国のネットのオタク系コミュニティでは「東京喰種」関係の話題やパロディ、コラ画像がやり取りされているのがよく目に付きます。

 

・「黒子のバスケ」
「黒子のバスケ」は間違いなく1月の新作アニメにおける人気作品なのですが、以前のすさまじい人気と比較して考えた場合、少々判断に迷う所もあります。第3期になっても中国のオタク界隈では定番の人気作品という扱いですし、その存在感は健在なのですが、以前に比べると明らかに盛り上がらなくなってきているのも確かです。原作がすでに最終回を迎えていることもあってか、中国のオタクな人たちの間でも「作品の終わりを見届けたい」というのが主なモチベーションになっているような印象も受けます。

「黒子のバスケ」は中国のオタク界隈でも一時代を築いた作品で、作品関連のお約束ネタを中国のオタクな人たちに植えつけましたし、過去には反日暴動が起こり日本関連のオタク趣味を公言することに対して不穏な空気が漂う中でファンによる黒子のバスケのイベントが開催されるなど、ものすごい人気とファンの熱を感じる作品でした。

もちろんその人気は現在も続いており、現在の中国のオタク界隈において「スポーツ系の看板作品」的な位置にあります。しかしそれと同時に原作漫画の終了もあってか、現地のファンも別の作品に移りつつあるそうです。

ただ「黒子のバスケ」に関して、アニメの配信以外にも現地では、さまざまな動きがあるようで、オタク向けでも作品に出演した声優のイベントなどが過去には開催されていますから、今後は定番作品としてどのように動いていくのかといったところも興味深いですね。

また、この作品によって、日本のアニメにおけるスポーツ系作品への興味が主流となっている世代が、「スラムダンク」や「テニスの王子様」、「おおきく振りかぶって」などにハマった世代とはまた別の世代に対して「再開拓」されましたから、「黒子のバスケ」に続く日本のスポーツ系の人気作品が出るのかといったところも気になります。

・「アルドノア・ゼロ」
アクセス数で見た場合は上述の2作品ほどではないのですが、「アルドノア・ゼロ」は話題の伸び方や広まり方がよく、またロボットアニメという、中国では固定のファン層以外になかなか人気が広まらないジャンルでありながら、現在広い範囲で話題になっているのが目を引きます。

それに加えて、第1期よりも第2期あるいは続編のほうが人気になっているロボット系の作品というのも中国のオタク界隈では珍しいケースです。

「アルドノア・ゼロ」の第2期の人気は、ストーリーや主人公の活躍が中国のオタク層の好みに合ったことに加えて、第1期から第2期の間に中国のオタク界隈にも情報が行き渡り、作品を理解する上でのハードルも下がって話題にしやすくなったとことがあるそうです。

また作中の主人公の活躍や御都合主義的な部分に対するアンチ的な層も形成されてしまい、作品に対する賛否両論なやり取りも活発に行われるようになり、なかば炎上している状況とともに、人気や注目度も高まってきたという面もある模様です。

現時点でライト層における人気ということで目に付くのは以上のような作品ですが、これ以外にも「神様はじめました◎」などは女性オタク層を中心に好評のようです。

1月は続編系の作品が目立っていますが、続編であれば人気が出るというわけではありませんし、実は中国のオタク界隈の新作アニメの人気に関しては「1月の新作を除いて続編系の作品はあまり人気にならない」という見方も存在します。

次回は続編系の作品で明暗が分かれる原因や、マニア層に人気の出た作品などについて書かせていただこうかと思います。

(文/百元籠羊)

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(C) 石田スイ/集英社・東京喰種製作委員会

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(C) Olympus Knights / Aniplex・Project AZ

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