かわいいヒロインは好きだけどハーレムを語るのは恥ずかしい? 中国の10月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

2018年12月09日 12:001
(C) 2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project

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中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の10月の新作アニメの人気作品やその影響、作品の人気に関わった要素などについて紹介させていただきます。

中国のオタクもかわいいヒロインは好きだけど、ハーレムを語るのは恥ずかしい?


10月の新作アニメに関しては特に大きなトラブルもなく、初動で話題になった作品を中心に順調に盛り上がって行ったようです。今期の新作の中で人気や話題の面で特に目立つのは「SSSS.GRIDMAN」や「ゴブリンスレイヤー」、「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」といったあたりでしょうか。

これらの作品の人気の出方や話題の盛り上がり方を見ていくと、作品の世界観やストーリーの面白さに加えて、「魅力的なヒロイン」による影響も大きいように感じられます。
たとえば、始まる前は「特撮」という中国のオタク界隈では軽視されがちなテーマなどから、中国における注目度は今ひとつだった「グリッドマン」が大きな注目を集めるきっかけとなったのはヒロインの描写でした。またほかの2作品についても中国のオタクな面々を作品に引き込むきっかけや、作品関連の話題の広がりとその人気の維持について、各作品のヒロインの魅力による影響が少なからずあったという話です。

しかし、このように中国のほうでも、作品の人気に関して「魅力的なヒロイン」の存在が無視できない要素となってはいるものの、同時に中国のオタク界隈では、複数ヒロインの出てくる「ハーレム系」的な要素を表だって話題にする、積極的に語ることに対する抵抗感も存在するのだとか。

これについては、中国では若い世代がアニメや漫画、ゲームなどの趣味を「自分たちの世代の文化」だと自負していることも影響しているそうです。そして文化としての意義を求めてか、中国のオタクな人たちの間では昔から
「オタクが見るべき作品は含蓄があるものでなければならない」
「露骨なキャラ萌えやお色気などに釣られるのは恥ずかしいことである」
「ガキの見る子どもだましとは違う、大人向けのアニメを評価すべし」
などといった考えの人が少なくなかったそうですし、その流れでキャラ萌えの強調やハーレム要素に対する強い反発と否定の空気も形成されていったといった話も聞こえてきます。

さすがに近年は、こうした「含蓄のある作品を評価する、話題にするのがよい」といった考えに固執する人は少なくなってきているそうですし、中国のオタク界隈におけるやり取りでもキャラ萌え的な部分を声高に叫ぶ人が目に付くようになってはいます。
しかし、いまだに「自分のオススメアニメ」としてハーレム系の要素が強い作品を薦める、あるいは自分の好きな作品が「ハーレム系」だと断定されるのを嫌がるといった傾向も根強いのだとか。

もっとも、ハーレム系の作品の話題がネガティブに扱われることがあったとしても、魅力的なヒロインや恋愛モノ自体は嫌われていないようです。複数のヒロインが出てくる作品に対しても、ストーリー重視であったり、青春や恋愛をメインに据えた作品となると、むしろ「含蓄がある」的な扱いになり評価が高くなることもあるそうです。

中国のオタクな方の話では、
「一見してハーレム系でなければ純愛系とされることもありますし、基準はそこまで明確ではありません。ただ話題性や表立っての評価という面で考えると、やはりハーレム系要素が前面に出てくる作品が少々不利になるのは確かでしょうか」
「しかし明らかなハーレム系作品であっても、キャラのかわいさやサービス次第ではあまり話題にならなくても再生数が継続的にかなり伸びるといったケースも珍しくありません」
とのことで、なかなかに複雑なところがある模様です。
どちらにしろ、魅力的なヒロインというのは中国のオタク界隈でもさまざまな方向で非常に「強い」要素なのでしょうね。

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コメント(1)
ネプテューヌネプテューヌ2018/12/11 14:08

めっちゃ詳しいじゃんwww、中国人の俺にとって、編集者さんとの視点はほぼ一致、なお、「ガキの見る子どもだましとは違う、大人向けのアニメを評価すべし」という点は、中国の親たちはほぼ「アニメは子供が見るべきものなんじゃない?お前いくつでした?」という視点が持ちで以上、それを逆らうため、自ら見るアニメは「大人ぽい、成熟な人が見るもの、自分は子供じゃない」っというのを自負し、大半は子供向けの中国製アニメと区別し、自分は奴らとは違う、と思いつず、その最後、編集者さんが見る結果になりました。ついてに、中国オタクはオタクとしての年齢が長いほど、若いオタクに対して嫌いな態度が大きい、その原因の根本も、「大半の中国人が受けた教育は古くて固く、開放的な人生観は持っていない、そこ今はどうにもならない」、だから人を嫌らがせるようなコメントとかがネットで思いついたところ好き勝手にふらしている。それに対して、オタク歴が長い人はほぼネタバレとか、自分の意識を他人に強引に受け入れたいとか人を嫌らがせないことはしないから、コメントとかもほぼ使わない、見もしない、自分たちが集められるSNSグループでお互い交流し、若いオタク故に生み出した馬鹿事を見るに笑いとか。オタクも二つの極端な陣営に分けれいるから

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