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2018年に中国のオタク界隈に衝撃を与えた新作アニメ
最後に駆け足になってしまいますが、昨年2018年に中国で配信された日本の新作アニメで、中国のオタク界隈で特に大きな人気と衝撃、影響を与えた作品をまとめさせていただきます。
・ダーリン・イン・ザ・フランキス スタッフインタビューが元ネタの「国家隊」(ナショナルチーム)のあだ名と共に2018年の最初から中国で大きな注目を集めることとなりました。 中国ではアニメ制作会社のネーミングで作品の前評判が決まる傾向も強いのですが、この作品によってそれまではややマニア寄りの層を中心に評価されていたトリガー作品が、ライト寄りな層でも「オタクとして見るべき、追いかけるべき作品」といった扱いになっていったそうです。 またこの作品は、突然の「不可抗力的なことによる配信中止」に関しても大きな話題となりました。その後どうにか一部シーンの修正削除での配信再開となりましたが、この後のシーズンでも中国で配信された日本の新作アニメ作品に関して「不可抗力的な理由」による配信中止や修正が続くことになりました。
・オーバーロード 「オーバーロード」は、近年の中国では珍しい形で人気となっていったアニメです。アニメ開始前にもある程度の原作ファンはいたものの、第1期が中国で配信された頃はそれほど話題にならず、第2期、そして今年の第3期と人気を伸ばしていき、いつのまにやらシリーズ累計の再生数が3億を超える定番人気作品となりました。 この作品は異世界トリップ、VRMMO転移、悪側の主人公、異形種主人公、ダークファンタジー、俺TUEEEEE、などさまざまな要素が、中国のいろいろな層に刺さった結果、視聴者層がかなり広い範囲にわたっているのも特徴のひとつです。新作アニメを熱心に追いかける中国のオタクの中心となっている層以外の一般寄りな層からの支持も、高い人気が維持されている理由となっている模様です。
・はたらく細胞 「はたらく細胞」は「人民日報」でも言及されるなど2018年の日本の新作アニメではもっとも大きな範囲で話題になり人気となった作品です。 この作品に関しては、ボトムアップ的な流れでここまで大きな人気となったのも珍しいですし、いわゆる「マンガで学ぶ」的なジャンルになじみがなかった中国にそのジャンルを放り込み衝撃を与えたのもほかの作品ではまず見られない出来事でした。
この作品の中国のメディアにおける取り上げられ方は「科学的な知識も得られる、ためになる作品」的なものが多く、中国社会で「有意義で役に立つ」ものが歓迎されるのはアニメやマンガでも変わらず、表だって話題にしやすい方向性のようなものが浮き彫りになったのも興味深いです。 さすがに経済的な効果や規模に関しては比較になりませんが、中国に与えた衝撃や影響ということに関しては、「はたらく細胞」は、「君の名は。」に匹敵するようなレベルだったのではないかとも思えますね。 (文/百元籠羊)
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