どうやって「マジンガーZ」を球体に収めるのか? バンダイ“カプセルレストイ”の終わりなき挑戦!【ホビー業界インサイド第57回】

2020年03月28日 12:000

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45歳以上のお父さん世代に、カプセルレストイを届けるために


── 「INTEGRATE MODEL MAZINGER Z」の対象は、かつてテレビで「マジンガーZ」を見ていた層だと考えていいんですね?

誉田 はい、45歳以上の狭くて深い層をターゲットにしています。ガシャポンは低単価で大量に売る商品なので、なかなかその層に向けては、浸透しづらかったのです。「マジンガーZ」(1972年放映)という作品は、3年前に新作アニメ「マジンガーZ / INFINITY」(2017年)が公開され、プラモデルなどの関連商品が現在でも売れています。昨年、原作の永井豪先生が画業50年突破記念で、展覧会を開きました。しかし、そうした背景がなくても、根強いファンのいる作品が「マジンガーZ」です。今回のターゲットはお金に余裕のある層なので、単価は500円です。必ず全種とも揃えたくなるよう、商品コンセプトを考えました。

── 目の前にサンプルがありますが、500円でひとつ買っただけでも、こんなにボリュームのある物が手に入るんですね。

誉田 はい、何よりも「こんな大きな物が、本当にガシャポンから出てくるのか!?」という驚きを与えたいと思いました。3体合体時の全高は、約20 cmあります。カプセルに入る大きさから設計すると、そこまで大きなものにはなりません。誰が見ても絶対にカプセルに収まりそうもないサイズを最初に想定して、そこからカプセルに収めるためにパーツ分割を考えていきました。
商品の仕様を詳しくお話ししますと、1回500円で3種類のカプセルがあります。まず、ひとつめのカプセルは「インターナルストラクチャーカプセル」で、内部メカが完成します。次が「アウターボディカプセル」で、外装パーツが完成します。最後が「ホバーパイルダーカプセル」で、ホバーパイルダーと格納庫ができ上がります。この3つを分解して組み合わせることで、内部メカの詰まったマジンガーZの胸像になります。


── 外装のデザインは、「マジンガーZ / INFINITY」に準拠していますね。内部メカのデザインは、何か基準になるものがあるのですか?

誉田 テレビのエンディングに内部図解や資料がある部分はそれに合わせていますが、ダイナミック企画様から「常に、一番かっこいいものが正解」と言っていただけたので、その期待に応えられるよう、デザインを起こしました。マジンガーZといえば、「ボディの半分が外装で、もう半分が内部メカ」というビジュアルが思い浮かぶのではないでしょうか。その状態でも飾れるように、パーツ分割を工夫しました。このビジュアルなら、かつてテレビで「マジンガーZ」を見ていた世代だけでなく、ガンプラを作っている若い世代の心にも刺さると思います。ガンプラに負けないように新しいセンスも入れつつ、マジンガーZの持っている揺るぎのないデザインのよさを伝えたいんです。これまで、マジンガーZのクオリティの高い商品は、数千円~1万円以上のものばかりでした。そこまでのお金を出して商品を買うほどマニアではない、「そういえば子どもの頃、テレビで見ていたな」程度にマジンガーZを覚えているライト層の方たちは、世の中に大勢いらっしゃると思います。そうした方たちでも、ひとつ500円の低単価でこんなに大きなマジンガーZの胸像を手に入れることができます。この商品を契機に、マジンガーZのカッコよさに改めて気がついていただきたいんです。
また、この「INTEGRATE MODEL MAZINGER Z」は今までのカプセルレストイの歴史の中でも、もっとも高い技術を投入した商品です。最新のカプセルトイがどんな進化を遂げているのか、その手で確かめてもらえるとうれしいです。

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劇場版マジンガーZ / INFINITY

劇場版マジンガーZ / INFINITY

上映開始日: 2018年1月13日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: 森久保祥太郎、茅野愛衣、上坂すみれ、花江夏樹、高木渉、山口勝平、菊池正美、森田順平、島田敏、塩屋浩三、石塚運昇
(C) Go Nagai/DynamicPlanning MZFilmPartners

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