プラモデルなのか、ゲームグッズなのか? 「1/12テーブル筺体」を発売した株式会社ヘルメッツって何者だ?【ホビー業界インサイド第51回】

2019年09月22日 12:000

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1/12スケールながら、「実際にプレイしたい」ニーズがあるらしい?


── 「1/12 テーブル筺体」の開発は、大変でしたか?

兒玉 我々が手がけてきた製品の中でも、最大級に手間がかかりました。いっぽうで、現在の形でユーザーの皆さんを十分に満足させられるには不十分なのも承知しています。例えば、ジョイスティックとパネルの部品がありますが「この形じゃ、イヤだ」とおっしゃる方がいます。実はあらかじめ、さまざまな形状のコンパネ部品に変更できるよう、用意しています。

── 今後、レバーやパネルの違うバリエーションが出るということですね? こうしたゲーム筺体の資料は、どうやって入手しているのですか?

兒玉 主に取材です。今回プラモデル化したテーブル筺体に関しては、実物を購入しました。今回は弊社オリジナルのゲーム画面をデザインしましたが、今後のバリエーションではゲームメーカーさんのキャラクターを生かした商品を展開していきます。

── この「1/12 テーブル筺体」にも、ラズパイが入れられるんですね。

兒玉 そうです。“Raspberry Pi Zero”という小さなタイプが入ります。弊社からも、専用の液晶部品を提供する予定です。
この夏のイベントで、実際にゲームを動かせるデモ用のモデルを展示したところ、みんな触りたがるんです。私は「こんな小さな液晶じゃ弾見えないじゃん……」と思うのですが、操作したい、ボタンを押したい、キャラクターを動かしたい欲求があるみたいです。


── すると、将来的には実際にプレイできる1/12キットも?

兒玉 「わかりました、やりましょう!」と思う反面、「ホントにみんな買ってくれるの?」と、半信半疑な気持ちもあります。実際に遊べる・遊べないというより、ミニチュアの画面の中のキャラクターを自分の操作で動かせることに、魅力を感じるのかもしれませんね。
この「1/12テーブル筺体」は現在、プラモデル専門店のイエローサブマリンさん、電子工作コーナーでツクモパソコン本店さん、ゲームグッズを専門に扱うBEEP 秋葉原店さん、3つのチャンネルで販売しています。

── ヘルメッツさんの今後の展開を聞かせてください。

兒玉 まだ発表できない企画はたくさんあるのですが、なかなか形にできません。試作品をご覧にいれれば「俺も欲しい!」と、みんなに言わせる自信はあります。
例えばライセンスの問題。例えばF1カーのプラモデルは、いろいろな企業の社票や商標で装飾されています。これは模型メーカーさんが「当社のプラモデルに商標を使わせてください」と交渉した結果、商品として実現しています。
私たちの企画においても、家電・コンピューター・ゲームメーカーさんに「商品化させてください」と許諾をお願いしています。アニメ・ゲームと違い、家電メーカーさんにとっては自社製品のキャラクター商品化なんて前例がないでしょうね。

── ところで、兒玉さんはミニチュア制作の会社を立ち上げた決め手は何だったのですか?

兒玉 大変お恥ずかしい話ですが、「これ以外に自分がやることはないな」と思ったからです。

── 周囲から反対されたりはしなかったのですか?

兒玉 「将来どうしようか?」と考える中で、最終的に背中を押してくれたのは、私の奥さんでした。大変ありがたいことだと、常々感謝しています。



(取材・文/廣田恵介)

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