SNSと連動して「時代の波に乗る」! キタンクラブのカプセルトイはなぜ面白いのか、聞いてみた!【ホビー業界インサイド第50回】

2019年09月03日 11:000

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100円で微妙なものが出るより、高価格でも品質の確かなものが欲しい。


── 客層は、どのあたりをターゲットにしていますか?

キタン 弊社の製品は子どもではなく、大人に向けて作っています。「20〜25才の都心に住むある程度ちゃんとした所得のあるOLさんに向けて…」といったような厳密なものではなく、ざっくりと20〜30代のイメージです。これは弊社社員の年齢とも関係があるかもしれませんね。男女比は半々、やや女性が多いかも知れません。

── 今は不況なので、オモチャひとつに使えるお金も限られていると思うのですが……。

キタン 確かにそうですね。そんな中で「ART IN THE POCKET」というシリーズは、あえて500円と言う高めの設定で展開しています。これはとことんこだわった高品質なフィギュアのシリーズで、第1弾の「はしもとみお 猫の彫刻」と第2弾の「歌川国芳シリーズ 金魚 -にはかあめんぼう-」、どちらもクオリティにこだわるユーザーに非常に好評です。SNSを見ていると、アクリルケースなどに収納してきちんと飾って楽しむ方が多い印象です。遊んで楽しむアイテムと飾って楽しむアイテム、うまく住み分けできているんです。

── 逆に、価格の安いアイテムには、どんなものがありますか?

キタン 2010年からシリーズの続いている「おさんぽカエル」は200円です。あえて型数を絞り、カラフルなカラーバリエーションを複数買って楽しめるような仕様が好評です。他社さんの製品を見ると、100~200円のアイテムは低年齢向けが多い傾向です。安いからダメ、高いからいい、とは限りませんが、弊社のメインターゲットである大人のユーザーでも満足できるような高価格帯の商品にも積極的にチャレンジしていきたいです。


── お客さんは、先に情報を仕入れてから買いに来るんでしょうか?

キタン はい、最近はSNSなどで情報をチェックされているお客さんは非常に多いです。先行販売の情報などは売り場でのリアクションがすぐ確認できるので、ビビッドな反応を実感します。

── 海外展開は考えていますか?

キタン 今は特に中国を中心にアジア圏の開拓に力を入れています。国が違えばユーザーが求める製品の価格帯や種類数などまったく変わってくるので、今は現地の協力会社とともにトライを繰り返しています。例えば、台湾でイベント開催したときのことなのですが、日本国内だと、小さなスペースにいっぱいアイテムを並べることが、皆さんお好きですよね。ミニチュアが好まれるのも、そういう気質のせいだと思います。ところが台湾では、イベントでディスプレイするにしても、等身大のフィギュアがたくさん並んでいるほうが好まれるなど、日本とはニーズが大きく違うことを実感します。家族みんなでイベントに来る点も、1人客が多い日本とは大きく違う点かもしれません。当たり前のことですが国ごとに文化や国民性が異なるので、それに合わせた製品や戦略を用意しないといけないのだとわかりました。ただ、何よりも製品に魅力があること。それが第一なので、そこにはずっとこだわっていきたいですね。

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