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アニメアニメしていない、ナチュラルな雰囲気
── 作画監督は高橋裕一さんですが、アニメ制作のスタッフィングは、タツノコプロが決めたのでしょうか? 岡崎 タツノコプロさんや、CM制作会社のギーク・ピクチュアズさんなど、現場のプロの知見を聞きながら、企画に関わったスタッフ全員で決めていきました。作画監督の高橋裕一さんや、美術監督の竹田悠介さんをはじめ、素晴らしいスタッフに集まっていただけたと思います。スケジュールが限られていたので、なるべくリテイクが出ないように細かくすり合わせて作業を進めていきました。現場では、原画発注の前にまず実写でVコンを作成しました。
── アニメをつくる前に、実写で撮影して編集したわけですね。 岡崎 事前に実写で撮影したもので構図や演技のイメージを固めてから、レイアウト作業を進めたと聞いています。このCMの舞台は横浜という設定ですが、横浜にそっくり同じ場所があるわけではなく、都内でもロケハンしています。都会だけど海が見える、という絵づくりですね。
── Vコンを作成したのは、撮りなおしを避ける意味もあるんでしょうか? 岡崎 そうですね、実写のCMであれば何テイクかパターンを撮っておいて編集で検証できますが、アニメでは絵を仕上げてしまってから「イメージと違うから、ぜんぶ描きなおしてほしい」というわけにはいきません。映像の上がりを想像しつつ、事前に決めたうえでないと、作画に進めません。ある程度、原画ができた段階で弊社の社長にチェックしてもらうなど、実写より2ステップほど工程が増えました。ただ、キキがトンボに告白するシーンの表情は、原画を描き直してもらったりもしています。あまりアニメアニメしすぎない、ナチュラルな雰囲気に仕上げることを意識しました。
── アニメでCMをつくる理由は、やはり若い世代に訴求したいからですか? 岡崎 昨今、アニメという表現が一部の好きな人のものではなく、誰にでも受け入れられるコンテンツに成長したように思います。カップヌードルのCMは表現の手法は異なるものの、過去より「青春を応援する」というスタンスを打ち出してきました。今回は、より一般化したアニメという表現方法で「青春」にアプローチしたのです。よって、CMでもコアな層にしか届かない表現にならないよう、気をつけました。