アニメ業界ウォッチング第25回:「ガンダム」の制作進行からアニプレックス会長まで…植田益朗の目指す「アニメ100周年プロジェクト」とは何か!?

アキバ総研 | 2016年09月22日 11:55
アニメ業界ウォッチング第25回:「ガンダム」の制作進行からアニプレックス会長まで…植田益朗の目指す「アニメ100周年プロジェクト」とは何か!?

アニプレックスの社長、会長をつとめ上げた植田益朗さんが、今年、会長職をしりぞいた。現在は、ソニー・ミュージックエンタテインメントの常勤顧問という立場だ。では、アニメの世界から離れて隠居暮らし……と思いきや、「アニメ100周年プロジェクト」の座長となり、あちこちでシャア・アズナブルのコスプレをして、PRに余念がない。

37年前、第1作目「機動戦士ガンダム」の制作進行とてして、アニメ業界に入った植田さん。そのキャリアは「これ以上、出世のしようがない」とうらやましがられるほど華々しいものだったが、なぜシャアのコスプレまでしなくてはならないのか? 「アニメ100周年プロジェクト」とは何か? ご本人を直撃してみた。


現場からメーカーへ……「どうして敵の会社に入るんだ?」


──植田さんは、「機動戦士ガンダム」(1979年)で制作進行を担当して、それがアニメ業界でのキャリアのスタートなんですよね。

植田 学校を卒業して仕事がないとき、たまたま、サンライズの制作進行募集の広告を目にしたんです。面接に行ったら、放送直前の「ガンダム」のポスターが貼ってあって、「ガンダムって何だ? 聞いたこともないぞ」と思いました。進行の仕事は大変だったけど、あのとき担当したのが「ガンダム」ではなく、あの現場にいた人たちと出会わなかったら、いまアニメ業界にいなかったかもしれません。

──制作進行のあと、「銀河漂流バイファム」(1983年)でプロデューサーになりますが?

植田 共同プロデューサーとしてクレジットされたのは「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」(1982年)ですが、総集編なので、最初からスタッフも揃っていましたからね。ゼロから自分でプロデュースしたのは、「バイファム」が最初です。 自分は、サンライズでいちばんバラエティに富んだ作品を手がけたプロデューサーだったと思います。「これまでのサンライズがやってこなかったジャンルに挑もう」という気持ちで、「オバタリアン」(1990年)のテレビスペシャルまでやりましたからね。「ガンダム」から「オバタリアン」まで、ポリシーがないのがポリシーです。アーティスティックな作品も嫌いではないんですけど、僕個人の志向としては、一部の人だけが盛り上がるだけではない、幅広く楽しめるエンターテインメントなアニメが好きです。

──何本もの作品をプロデュースした後、サンライズの役員になられますね。

植田 「シティーハンター」(1987年)のころですね。当時は“シティーハンター人事”なんて言われましたよ(笑)。

──そのままサンライズには残らず、3年ほどフリーのプロデューサーをやっていらしたそうですが?

植田 サンライズで「犬夜叉」(2000年)の企画を決めた直後、20年務めたサンライズを辞めました。企画の立ち上げに関わったので、フリーのプロデューサーとして、外部から「犬夜叉」に関わりました。フリーになって、何がやれるのか試したかったのが、一番大きな動機です。 3年ほどフリーで活動して、あえて異業種の人とも付き合ってみましたが、日本社会って多くの人は個人より、背負っている会社の看板で判断するじゃないですか。それを実感して、残念でしたし、どうしようかと考えていました。

──その後、2003年に“統括チーフプロデューサー”として、設立されたばかりのアニプレックスに招かれますね。

植田 わかりやすく言うと、ヘッドハンティングされたわけです。当時、ソニー・ミュージックエンタテインメントはアニメ部門(SME・ビジュアルワークス)の成績がよくなくて、もう一度、体制を入れかえて、じっくりとアニメをつくろうとしている時期でした。ゼロに近い状態から新規体制になるなら、自分の好きなことができそうに感じたんです。正直にいうと、現在の大きくなったアニプレックスだったら入りたくなかったかもしれないし、現場出身の僕なんて、相手にもされなかったでしょうね(笑)。


──2003年当時、「制作会社出身でメーカーへ入社するパターンは珍しい」と言われていましたね。

植田 「どうして敵の会社に入社するんですか?」と、取材で言われたこともありましたよ(笑)。「そりゃあ、制作会社とメーカーが喧嘩することもあるけど、敵ではないんじゃないの?」と思いましたけどね。サンライズをやめたときも、「役員になれて、社長になれたかもしれないのに、どうして辞めたんだ? バカじゃないの」とか、いろいろ言われもしましたけど。現場出身の僕がメーカーに入ることで、なにか刺激になって新しいことが生まれるなら、それはいいことじゃないかと考えたのです。

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