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1月新作アニメの配信はほぼ「bilibili」が独占、ほかのサイトは日本の新作アニメを縮小?
1月新作アニメの中国における配信状況を見ていくと、配信されている作品だけでなく、配信している動画サイトやアプリの状況の変化も目に付きます。
1月の新作に関しては中国で配信できそうな内容の作品は大体配信が行われている模様ですが、その多くは「bilibili」のみで配信されているといった状況になっています。
近頃の日本の新作アニメ、特に深夜枠のオタク向けのアニメに関しては、配信される作品数は以前に比べてかなり増加しているものの、配信する動画サイトのほうは減少傾向にあるようです。
中国で継続して日本の新作アニメを配信していた動画サイトを見ていくと、日本のオタク向け新作アニメの正規ルートでの配信の発端となった「LeTV」はすでに撤退気味ですし、昨年は「youku」における日本の新作アニメの配信が縮小していきました。そして今年の1月シーズンは、日本の新作アニメ配信サイトの2巨頭のひとつであり、ここしばらくの間は毎シーズン10~20作品程度の新作アニメを配信していた「iQIYI」での新作アニメ配信数も少なくなっています。
このiQIYIの動向が一時的なものなのか、それとも今後も含めた方針転換なのか現時点ではわかりませんし、iQIYIでも昨年10月に始まった2クール作品については最新話の更新が続いています。またiQIYIも含むほかの動画サイトでも、深夜枠ではない一般向け、低年齢向けの日本のアニメや特撮に関する配信は継続している模様ですが、1月シーズンに限ってみると、オタク向けカテゴリーの日本の新作アニメの配信に関して活発なのはbilibiliだけといった状況になっているのも確かです。
実はiQIYIが日本の新作アニメの配信作品を減らしたのは今回が初めてではなく、2015年後半から2016年の前半にかけても日本の新作アニメの配信作品数が減少した時期があり、2016年1月のシーズンなどは配信開始の新作は2作品のみと、今年1月のシーズンとほぼ同じ状況まで縮小されていました(2016年の時は、その後、中国国内における韓国系コンテンツの規制や自主規制が発生したことから、iQIYIに限らずその穴を埋めるため、結果的に日本のアニメを確保する流れになったという説もあります)。
中国のコンテンツ業界は日本よりも随分と速く変化していきますが、アニメの配信に関してもそれは変わりません。
近年の中国では高めの年齢層をターゲットにしたアニメに関しても中国国産作品が整ってきていますし、スマホを中心としたアプリによる配信の普及や、ショートビデオ系コンテンツの発展による新たな楽しみ方の広がりなどにより動画コンテンツを取り巻く環境も大きく変化しています。
日本のコンテンツに関しては、内容、視聴者層的に中国における需要と市場が即座に消滅するということはないでしょうが、中国現地における日本のアニメの扱いや配信環境に関して「変わらない」というのを期待するのも難しいのではないかと思われます。
(文/百元籠羊)
(C) 赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会