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伸縮と可動を両立させたホビー事業部らしい関節機構
── しかし、1部分だけ色を変えるとしたら、そこでパーツを分けないといけませんよね? 1枚のランナーに4色ですから、色数には限りがあると思うのですが……。 中原 もちろんです。内部メカのグレーを2階調にしたいとしたら、どこでパーツを分けるのが適切か、大河原先生と話し合いながら進めていきました。というのは、先生は絵だけでなく、立体試作をつくりながらデザインを進める方です。単に色分けするだけではなく、「こことここを同じ色にしておけば、パーツ分割しやすいだろう」と、立体製品にしたときの都合を考慮してくださるので、とても効率的に設計できました。「さすがは大河原先生……」と、うならされました。
── ハロの内部メカを、小さなハロが操縦しているようなデザインに驚いたのですが、これはどういう意図なのでしょう? 中原 このデザインには、私もビックリしました(笑)。やはり、今までハロの内部は誰も見たことがありませんし、「初めて見るお客さんに驚いていただけるよう、いろいろなアイデアをハロの中に詰め込んでしまおう」と、大河原先生は最初におっしゃっていました。全日本模型ホビーショーで展示したときも、「ハロの中にハロがいる!?」と皆さんに驚いていただけました。「だけど、これは大河原先生ならではの遊び心だよね」と、納得していだたけたのではないでしょうか。遊びは、まだまだほかにもあります。
── 発光ユニット用の電池を入れない場合は、付属の四角いケースを入れるんですね。 中原 はい、このケースも、ちょっと地球連邦軍風にして……(以下、買った人だけのお楽しみ)。
── なるほど、最初の「ガンダム」を見ていた人にはうれしい遊びですね。 中原 そうなのです。先生とデザインを詰めていく際、「買って組み立てた人にしかわからない“ハロ要素”を、あちこちに隠しておきたいよね」と、色々と仕込むことにしました(笑)! 組んだら見えなくなるところ、よく見ないとわからないところ、いくつかの場所にハロが隠れています!
── 基本的な機構についてお聞きしたいのですが、手足の引き込みギミックは、どうなっているのでしょう? 中原 今回は、ハロの完成形というか、リアルなハロを作りたいと思いました。ですから、手足が引き出せて、なおかつ可動できる機構は、マストとして組み入れました。意外と、これまでの商品では手足が伸縮して可動までするハロは少ないんです。外側に向けて引っ張っても、手足の蛇腹が外れないよう、パーツの組み合わせを工夫しました。
── これまでのガンプラで蛇腹というと、内側に細長いパーツを通して、パイプをかぶせる方式が多かったですね。 中原 確かにそうなんですけど、今回は内側に何も通していません。パイプのパーツは、1つひとつ連鎖するように組み立てていきます。可動ジョイントをつないだ上からカバーをかけて、引っ張っても抜けないような構造を考えました。ジョイントをつないだだけでは抜けてしまうので、カバーがストッパーの役割を果たしているんです。地味な部分ではありますが、この仕組みには、かなり頭を使いました。
── 「ドラえもん」、「Dr.スランプ アラレちゃん」は、それほど可動はしませんでしたね。 中原 これまでのFigure-rise Mechanicsシリーズはフォルムを重視したため、あえて可動はさせませんでした。ハロの手足関節には、組み立てやすさと強度を両立させる、ホビー事業部らしい工夫を入れることができました。ハロの元デザインがシンプルで魅力的だったからこそ、私たちもアイデアをこらすことができたんです。