中国からハイセンスな造形物を発信する“末那models(マナズ・モデルス)”って何だ!? 日本支社代表・神田修さんに聞いてみた!【ホビー業界インサイド第35回】
個展やサイン会を開催して、造形作家をサポートする
神田 それと、マナズ・モデルスでは日本の造形作家さんの個展を開催しています。昨年の10月、鎌田光司さんの個展をやりました。とても評判がよかったので、今年の9月にも開催します。商品を発売するだけではなく、個展やサイン会を開催して、作家さんをサポートしたいんです。10月には松岡ミチヒロさんの個展がありますし、来年も4~5回の展覧会を企画しています。
── どういうお客さんが来るのですか?
神田 アート業界の人も来るし、学生やデートで来る人たちもいます。日本でいうとお台場みたいな場所で開催していて、入場料も安いんです。だから、本当にいろいろなお客さんが来ます。
── 中国社会の中で、フィギュアはどういう位置づけなのでしょう?
神田 美術品という扱いです。マナズ・モデルスは300個とか500個ぐらいの限定された数しか販売しませんので、オークションサイトでどんどん値上がりしていきます。
── 「勝手にそんな値段で売られては困る」とは思いませんか?
神田 いえ、思いません。私たち自身がオークションサイトに出品して値段を吊り上げることは絶対にしませんから、売買する人たちが勝手に高い値段をつけているわけです。いい宣伝になるし、「自分たちの商品にはこれほどの価値があるのか」と確認できて、誇らしい気持ちになります。許せないのは海賊版、粗悪なコピー商品です。
── コピー品を売っている相手を、法的手段で訴えたりしますか?
神田 もちろん、訴えます。ひどい品質のものばかりですから。しかし最近は、正規の商品が中国国内で売られているなら、コピー品より正規品を買ったほうが絶対にいいという認識が広がっています。経済力が上がってきているせいもあるでしょうね。
── 神田さんご自身は、今の仕事のどんなところに魅力を感じていますか?
神田 日本であまり注目されていないクリエイターの作品が売れると、テンションが上がります。作家さんには“仕事を振る”という感覚ではありません。「何を作りたい?」「こういうのどう?」「いけるじゃん、やってみようぜ」、そういうフレンドリーな関係です。「サムライなんてどうかな?」「ちょっと妖怪のテイスト入れてみて」、こちらからのオーダーはその程度。あとは、作家さんの自由です。日本のIPのように「このキャラは絶対にこう表現してください」「そうでなければ許諾しません」なんてことは、一切言いません。作家さんからは「お金も入るし、好きなように作れるし、海外で有名になれる。これ以上のこと、ないんじゃない?」と言ってもらえます。
(取材・文/廣田恵介)
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