ホビー業界インサイド第27回:作らずに眺めているだけでもOK! テラダモケイの寺田尚樹さんが語る“リラックスできる模型の作り方”

2017年09月16日 12:000

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組み立てずに眺めているのも、プラモデルの楽しみ方のひとつ


── 寺田さんはプラモデルがお好きと聞きました。

寺田 はい、大好きです。

── ホームページで、「1/24に縮小された車の模型を1メートル離れて見ることは、24メートル離れて車を見るのと同じこと」という意味のことをおっしゃっていましたね。

寺田 それはひとつのたとえ話です。仮にフェラーリの模型を作るとき、実車に使われた赤の塗料を取り寄せて塗ればそっくりに仕上がるかというと、僕は違うと思います。その人が頭でイメージする赤色があるだろうし、1メートル離れて見る赤と24メートル離れて見る赤とは、違うはずです。そのさじ加減やデフォルメ感が、プラモデルを作るときの楽しみではないでしょうか。

── 車のプラモデルは、形状もデフォルメして製品化しているそうです。

寺田 同じ車が違うメーカーから発売されると、メーカーによってプロポーションが微妙に違いますよね。それが、メーカーのセンスでありクオリティなのだと思います。センスのあるメーカーはデフォルメの仕方が上手だし、どうパーツ分割するのか、ランナーにどう配置するのか気を使っていますよね。よくないプラモデルって、パーツの配置が雑じゃありませんか。いいメーカーのプラモデルはパーツの配置だけ見ていても“そそる”。製作意欲を掻き立てられますよね。


── テラダモケイのキットも、パーツ状態で十分に美しいですね。

寺田 テラダモケイのキットも、ランナーにパーツが配置された状態が完成品なんです。われわれとしては、キットの状態でベストを尽くさなくてはなりません。そこから先は、買ってくれたお客様にお任せするしかありませんので。おそらく、買ってくれた方の半分ぐらいは組み立てずに置いてあると思うんです。それでも、まったく構いません。僕だって、プラモデルの箱を開けたり閉めたり、「どんな色にしようかな、どんなマーキングにしようかな」と考えながら、高い洋書の資料を買ってしまったりします。作らずに眺めるだけ、組み立てずに想像するだけなのも、模型の楽しみ方のひとつだと思います。


── プラモデルは、箱を開けるまで中身がわからなかったりもしますからね。

寺田 箱絵も大事ですし、組み立て説明書や塗装図、実物の解説文を読むのも楽しいですよね。説明書がしっかりしたキットは、おのずと金型にも手間とお金をかけているとわかります。組み立て説明書といえば、テラダモケイのキットでは、あえて大雑把な説明書にしてあります。なぜかというと、「必ずこのように作らなければならない」と決めたくないからです。誰もが同じものを完成させなくてもいいし、自由にアレンジしていいんです。ある程度のゆるさがないと、僕自身、息がつまっちゃいますから。

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