ホビー業界インサイド第27回:作らずに眺めているだけでもOK! テラダモケイの寺田尚樹さんが語る“リラックスできる模型の作り方”

2017年09月16日 12:000

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クオリティやスキルを競わず、リラックスして作ってもらいたい


── 寺田さんご自身は、プラモデルは塗装まできちっと終わらせるタイプですか?

寺田 はい、エッチングパーツを使ったり、エアブラシを使って塗装しますよ。「REAL DESIGN」という一般デザイン誌(現在休刊中)に、「プラモデル文化論」という連載を持っていました。模型専門誌ではありませんので、一般の読者にわかるようにランナーにパーツが配置されている写真、自分で組み立てて仕上げた作例、模型作りのモチベーションを上げるための映画まで紹介していました。

── 失礼ながら、存じ上げませんでした。やはり、飛行機などのスケールモデルがお好きですか?

寺田 そうですね。実物があって、それをいかに縮尺するかに興味があります。「プラモデル文化論」では細かいカラーリングのことやハウツーを書いても伝わりませんから、模型の概念的なこと、作る楽しさについて書いていました。プラモデルは、誰が作ってもある程度までの完成度が得られるよう、保証された製品ですよね。だけど、最終的な完成形は作り手によって異なることを読者に伝えるために、自分でキットを改造して掲載していました。あとは、下北沢の模型店を紹介したりもしました。


── 下北沢の模型店といえば、老舗の「ホビーショップサニー」ですね。

寺田 ええ、「サニー」さんは好きなので、不動産雑誌でも紹介しました。プラモデルもディープな趣味になってきて、今の子供たちには入りづらいのかも知れません。70年代に売られていた「宇宙戦艦ヤマト」のメカコレクョションは、安くて気軽に作れましたよね。小学校時代からのランナーへの思い、プラモデルへの思いがありますから、それがテラダモケイのキットに出てしまうんです。関係性のあるパーツを近くに置いたり、上下を統一したり、どことなくプラモデルのランナーを思わせるデザインになってしまうんですよ。

── テラダモケイさんは、模型作りのワークショップを頻繁に開いていますよね。どういう人たちが集まるのでしょう?

寺田 年齢層は小学生からお歳を召した方まで幅広いのですが、女性が多いです。男性は女性に付き合って来るような感じですね。女性のほうが新しいことに飛び込むことに躊躇しない気がします。ワークショップではキットだけ手にとってもらって、好きなように作ってもらいます。もしわからないことがあれば聞いてください、という程度です。
大人の方はいかにきれいに作るかにこだわりますが、小学生は作るのが早くて、自分で新しいパーツを作ったりして、面白いものを完成させますね。模型作りが修行みたいになっては意味がないし、クオリティやスキルを競うものにはしたくないんです。すると、小学校低学年からおじいちゃん・おばあちゃんまで間口が広がります。リラックスして作ってもらえることが、デザインした側としては何よりうれしいですね。



(取材・文/廣田恵介)


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