さあ、大河原メカの時間だ! 「太陽の牙ダグラム」のコレクターズシリーズ“ビッグフット”(童友社)を、昭和の心で組み立てろ!【80年代B級アニメプラモ博物誌第26回】

2022年09月23日 11:000

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箱のようなライフル! ミサイルポッド! コンバットアーマーへの愛が燃え盛る!


説明図にしたがうと、最初に組むのはまず頭部。ビッグフットって、頭が複座コクピットになっていて、そのため縦に長いんだけど、このキットはキャノピーが透明ではない。なので、「エイリアン」のような、のっぺらぼうで長い頭にも見えて、意外と不気味に見えて面白い。

▲ 頭部は単純な左右分割なのだが、ストンと垂直に断ち切られた後頭部に、別パーツの板がつく。さらに、フックのようなパーツを接着する。平坦でシンプルかと思いきや、ギュッと精密感をかましてくるあたり、いかにも「ダグラムのプラモ~ッ!」って気分!

考えてみれば、このビッグフットは長い頭が胸にかけて傾斜しているので、別に頭が左右に動かせるわけではなく固定なんだよね。それでも「頭部は頭部」と解釈して、別ユニットとして組ませるのは意地なのか癖なのか……頭部の次に、武器類を組ませるのも意外な展開で、素組みがはかどる。

▲ 「ダグラム」というかコンバットアーマーのアイデンティティは、肩のミサイルポッドなんだろうな。だって、射出口が別パーツのこのミサイルポッド、ちゃんと上下に可動するんだもん。ヒジは曲がらないけど、ミサイルポッドは動くんだ。すごくない?

▲ 言うのも野暮だけど、このブロックみたいな銃(ハンドリニアガン)がまた、大河原邦男さんのメカ観が混じりけなく形になったようなデザインで、しかも銃口やフォアグリップが別パーツ……。いやはや、この念の入れようには文句も出ない

いかがだろう、同志諸君? 組み始めれば、あまりの大河原濃度に誰しもノックアウトされるハイポテンションキットであることが、おわかりいただけただろうか? 「もう十分」「もうわかった」などと言わず、組み進めよう。秋の夜は長い。コンバットアーマーを組むには、ぴったりな季節じゃないか。

▲ 2パーツ構成のこぶしと肩の可動軸を挟んで、腕パーツを接着する。必然的に、肩は左右に広がる。手首は回転する。肩は前後方向に回転もするし、可動性能は申し分ない。ヒジの可動を省略したことが、なぜか合理的な判断に思えてくるほどだ

ご覧のように、ただの細長い箱にも見えかねない腕のうえから、面で構成された大きな肩アーマーを接着する。
あくまでも腕そのもの(設定画では薄いグレーの部分)は「中身」であって、その上から装甲板を付けてあげないと兵器として使えない……と、そんな設定はないんだけど、そういう構造に見えてくる。装甲板を後付けするから、コンバット“アーマー”なのではないか? 架空メカ妄想、はかどるね。

▲ このフトモモはまた、見慣れた形じゃないか。スコープドッグのフトモモそっくり。このフトモモを、足首が一体成型されたスネで左右からガッチリはさむ! ……効くう~ッ! 無敵の大河原マインドが、独身中年男のやわなハートにぶっ刺さる!

ああ、むしろよかった。足首が固定で! 若い人にはわからないかもしれないが、もうフル可動だの180°開脚だの片膝立ちだの、しゃらくさいわけだよ。この歳になると。「形・状・優・先」……これだよ! 形状を優先するため、あちこち無可動、一体成型でOK! つま先を揃えて大地を踏みしめろ、俺のビッグフット!!

▲ かようにして組み上げた腕、足、そしてミサイルポッドを、モナカの皮のような胴体前部パーツにはめ込む。可動するのは、これらの個所のみ。可動個所がすべて、巨大な胴体パーツに帰結する、この雄大な構造にクラクラしてしまう

ここまで来たら、あとは胴体パーツの後ろ半分を接着すれば完成したも同然……と思いきや、まだ細かいパーツが残っている。しかし、楽しい。80年代のロボプラモを色も塗らずに素組みする……学校を卒業して、アルバイトを転々としていた極貧生活時代におぼえた趣味なのだが、あれから30年たっても、まだこんなに楽しいとは……。では、完成させよう。我らのビッグフットを!

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太陽の牙ダグラム

太陽の牙ダグラム

放送日: 1981年10月23日~1983年3月25日   制作会社: サンライズ
キャスト: 井上和彦、田中亮一、銀河万丈、山田栄子、梨羽侑里、緒方賢一、鈴木清信、千葉繁、小宮山清、宮内幸平、仁内達之、蟹江栄司、屋良有作、高島雅羅、川浪葉子、山内雅人
(C) サンライズ

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