「オヤジの乗る80’sロボット」は、やっぱり最高! クラウンモデルの1/130機甲猟兵スカーツを素組みして確信した!【80年代B級アニメプラモ博物誌第19回】

2022年02月20日 11:000

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前回は、「魔境伝説アクロバンチ」の敵メカ(https://akiba-souken.com/article/54816/)を取り上げてしまったので、またそろそろバンダイ製のメジャーロボを出しておかないと、この連載ピンチにならない? と編集者に相談したところ、「今月はコレで行きましょう」って……「機甲界ガリアン」(1984年)は髙橋良輔アニメの中でも好きだけど、やられメカよりも地味な“味方サイドの脇役”、「機甲猟兵スカーツ」だよ、コレ? しかも、ホビージャパン誌に広告を出していたタカラ製キットではなくて、クラウンモデルの1/130スケール。すなわち、低価格帯のマイナーキット。クラウン製スカーツで、本当に大丈夫なんだろうか?
「ガリアンに出てきた機甲兵なら、やっぱりスカーツだよね!」とピンとくる人は、世の中にどのぐらいいるんだろうか? 説明書に解説があるので、読んでみよう。

▲ そうそう、ドン・スラーゼンという太っちょのオジサン(右上)が搭乗していたのでした。そして、左下に載っている「分離飛行メカ」。背中にセットされる鳥型のメカが、スカーツの初登場シーンで印象的だった。いろいろ思い出してきたぞ

▲ スラーゼンといえば、確か箱絵にも顔が……と思って見直してみると、「ドン・スラーゼンの人形付」という有無を言わさぬキャプションが! そう、このシリーズは搭乗者のフィギュアが、もれなくオマケに付くのである

マジで、こんな太っちょのオヤジ(塩山紀生さんデザイン)がインジェクション成型されてるの? すごい時代だよ、1984年! 恥ずかしい話だが、タカラ製キットの半額ぐらいのクラウンのキットは「タカラ製を買えないチビッコのための安っぽいシリーズ」という認識だった。ところが、イケメンキャラでも何でもない、脇役のオジサンを付属させるとは、ただ者ではない。もはや、「ドン・スラーゼンのキットにスカーツが付属している」ようにしか見えない! では、気になるパーツを見てみよう!

▲ 大きさ1.3センチほどだが、確かにスラーゼンだ! シルエットが、塩山キャラっぽい。足が細くて腹のふくらみを強調する、メリハリのある造形が素晴らしい、もうこれだけで大満足だ

▲ ちゃんとスカーツのパーツも見ないとね。このランナーの右側には、鋭利なトゲが何本か並んでいる。こんな凶暴なデザインだったかな? その上には、頭部パーツがある。細いスリットだけの、本当に西洋の甲冑のようなデザインだ

▲ そして、これが背部から分離する鳥型メカ。アニメのロボットとして鳥は珍しいモチーフではない。しかし、西洋甲冑そのままのような顔面にはマッチしてない気がするし、象徴的に鳥がデザインしてあるがゆえに「アニメロボらしい」とも言える

▲ このランナーの上端には、なぜか長短2本のヤリ状の武器がある。ギュッと如意棒のように伸びる武器なのだろうか、アニメだなあ。っていうか、そんなアニメならではの無茶を、金型という工学の世界に真面目に落とし込むところが面白いんだよね

▲ そういえば、デカールも付いている。各部の黄色いエングレーブを色分けするためなので、それなら本体を白ではなく茶色で成型してほしかった気もする。成型のたびに樹脂の色を調整するのは、面倒だと聞いたことがあるけどね

どうですか? 「オヤジ」「トゲ」「鳥」、ミスマッチな力強い要素が揃って、なかなか気分が高まるじゃありませんか! この時代のロボデザインは、我々より前の世代の大人たちが親しんできた雑多な要素のうえに立脚していて、それで安心感があるんだろうね。自分と同じ世代の若いパイロットではなく、オヤジの人形が付属していたほうが落ち着きませんか? まあいい、とにかく作るんだ。素組みするんだ、オヤジの駆る機甲猟兵スカーツを!!

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関連作品

機甲界ガリアン

機甲界ガリアン

放送日: 1984年10月5日~1985年3月29日
キャスト: 菊池英博、渕崎ゆり子、平野文、千葉繁、小林修、筈見純、兼本新吾、屋良有作、泉晶子、井上和彦、速水奨、佐藤正治、石森達幸、坂口征平、加藤精三
(C) サンライズ

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