鉄人とウンチとマシリトと……「Dr.スランプ アラレちゃん」のキャラメルマン1号(バンダイ)を組み立てて、ロボプラモ変遷期の混沌を知る【80年代B級アニメプラモ博物誌】第11回

2021年05月22日 10:000

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信じられない話かも知れませんが、1981~82年のバンダイ模型って、「Dr.スランプ アラレちゃん」のプラモデルを山ほど発売していたんです。3年前にもアラレちゃんのプラモデルはBANDAI SPIRITSから出ましたが、ああいう組み立てフィギュア的なプラモではなくて、ペンギン村のジオラマや乗り物類が、シャレにならないほど大量にラインアップされていたんです。
1981年に放送開始されたアニメ版に準拠したキットばかりか、完全ポーズ固定のディスプレイモデルまで発売されていたのですが、当時はガンプラブームだったでしょう?  「1/144 リブギゴ」なんて、原作漫画では思い切り「モビルスーツ」と書かれていたので、ガンプラのパロディとして受け止められるほど懐が深いキットでした。今回取り上げた「キャラメルマン1号」は……まあ、どう見ても「鉄人28号」だよね。

▲ キットの発売は、1982年7月のようです。リブギゴもそうですが、何度か再販されているので手にとった方も多いでしょう。説明書には「2007」と印刷されているので、私が入手したのは14年前の版ですね

キャラメルマン1号の発売された1982年7月というと、ガンプラでは1/144 アッグガイが店頭に並んだ頃です。1/100では旧型ザクが出ているぐらいだから、そろそろネタ切れ感が漂いはじめた時期。バンダイも、ガンダム以外のキャラクターコンテンツに、盛んにプラモ化の触手を伸ばしはじめていました。
では、キャラメルマン1号のパーツを見てみましょうか。青・銀・肌色の3色で成形されてます。

▲ チェーン系の喫茶店みたいなラフな椅子に、ガンダム風の動力パイプ。世界観の違うパーツが、平然と同じランナーに並んでいる。このあたり、鳥山明さんのセンスが面白くプラモデルに落とし込まれてます。シリアスなSF作品とは違って、ポップアートなんだよね

▲ 青いランナーには、ボディを構成する大きなパーツのほか、背中のランドセルに収納する「でんち」も彫られてます。こういう、後からじゃまにならないオプションパーツは大歓迎。あと、ランドセルのベルトも見えるでしょう? 有機的な、いい造形だよね

▲ やっぱり、最高に感動するのは肌色ランナーでしょう! このランナーにパイロットでもあるDr.マシリト、アラレちゃん、地球儀ドリのパーツがまとめて彫られている!  固定ポーズのオマケフィギュアこそが、バンダイの「Dr.スランプ」シリーズの魅力なんだよね

▲ 肌色ランナーを、アップで撮ってみた。シールなど使わない前提でアラレちゃんの表情が彫刻だけで完結しているのもすごいが、このウンチ×2個は何? 戦車のプラモに付属する歩兵のような「ジオラマに使ってください」的なアイテムだろうか?

どうですか、皆さん? アラレちゃんの世界では、ウンチ(説明書では「うんち」と平仮名表記)はキャラクターですからね。こうしてロボットのプラモなのに、当たり前のようにウンチが付いてくるんですよ。ほかのアニメのプラモデルにウンチが付属するなんて、絶対にあり得ないこと。ウンチのパーツを見て脱力するか? それとも、がぜんやる気が出るのか? そこで人生が分かれますよ、マジで。大変なプラモデルよ、これは。
では次のページから! このウンチ付きロボを組み立て開始しましょうか!!

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関連作品

Dr.スランプ アラレちゃん

Dr.スランプ アラレちゃん

放送日: 1981年4月8日~1986年2月19日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: 内海賢二、小山茉美、向井真理子、中野聖子、杉山佳寿子、古川登志夫、神保なおみ、堀江美都子
(C) 鳥山明/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

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