「闘士ゴーディアン」(バンダイ)を組み立てて、動物マスコットと関節機構で300円キットの常識を改革する! 【80年代B級アニメプラモ博物誌第25回】

2022年08月27日 11:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

「闘士ゴーディアン」(1979年)って、1981年まで1年半も放送してたんだな。ということは、ガンプラが1980年夏に発売された後も、並行して今回の「ゴーディアン」が売られていたことになる。バンダイの展開していた「ベストメカコレクション」シリーズとしても、1/144ガンダムのひとつ前のNo.3だ。ガンプラよりも、ちょっとだけ早い時期に発売された300円キットなのだ。

▲ 箱横の絵より。マトリョーシカ人形のように、人間の外側に二重三重にロボットの外装が重なっていき、最終的には巨大ロボになる。パワードスーツ的なすぐれたアイデアだが、世界観はヒーローロボット的なので、当時はそれほど興味をひかれなかった

このベストメカコレクションは一番外側のロボット(ガービン)のみで内側の小さなロボットは付属しないが、大中小のロボットが内側に合体していく700円の大型キットも発売されていた。
……東京都武蔵野市、大野田小学校近くに営業していた模型店ワダチヤで、当時の私より2~3歳年下(小学4年生ぐらい)の子たちが700円のゴーディアンを手にとって「これ合体するのかな?」と話し合っていた。ワダチヤの親父さんはその会話を耳ざとく聞きつけて、横から「合体するよ!」と断言していた。ワダチヤの親父さんはよく子どもたちの会話に介入してきて、露骨に「こんなのも入荷しましたよ」と営業することもあったよな。80年代の個人営業の模型店って、そんな雰囲気でした。
ほろ苦い思い出にふけったところで、ゴーディアンの300円キットのランナーを見てみよう。

▲ バンダイの300円プラモ=あちこち自在に可動するという思い込みからすると、首が胴体と一体成型なことに驚く。股間がガンプラでおなじみのV字関節ではなく、左右に付きだした単なる「板」である点も不安を誘う

▲ 腕も同様で、手首が前腕と一体成型なのは「そういうもんかな」と納得しかけてしまうが、このヒジ関節。構造むき出しというか、古代の道具のような荒々しさがある

そうか、ガンプラ以外の1980年のプラモデルって、こんな感じだったんだな。さらに特筆すべきは、主人公ダイゴの連れ歩く黒ヒョウロボ、クリントが付属すること。ゴーディアンが全長15メートルだからスケール的には大きすぎるのだが、3センチぐらいの“いい塩梅”のマスコットである。

▲ 前足と後ろ足のところに大きな穴が空いてるので、可動するみたいだな……。こういうちょっとしたマスコットって、70年代のキャラクターモデル文化の流れかもしれない。ちょっとしたお得感がある

「巨大ロボのプラモに動物ロボが付いてるのか?」とビビってしまうのだが、タツノコアニメといえば「新造人間キャシャーン」の犬型ロボット・フレンダーとか、プラモデルに付属してたよね? だから70年代文化の残り香だと思えば納得もいく……ふと気がつくと、ガンプラより以前に発売された80年代ロボを取り上げるのは今回が初めてかも! では、新鮮な気持ちで素組もう、ゴーディアン!

画像一覧

関連作品

闘士ゴーディアン

闘士ゴーディアン

放送日: 1979年10月7日~1981年2月22日
キャスト: 安原義人、井上瑤、納谷六朗、鈴木清信、増岡弘、高島雅羅、吉田理保子、鈴木れい子、村松康雄、北村弘一
(C) タツノコプロ

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。

関連記事