“メカメカしいけどかわいい”! 「テクノポリス21C」のスキャニー(アオシマ製)を組んでハートがときめいた!!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第1回

2020年07月05日 12:001

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ガンプラ40周年で、1980年当時に大人気だった昔懐かしい“旧キット”へ熱い視線が注がれている。しかし80年代、たくさんのロボットアニメが次から次へとプラモデル化され、なかには「何だこりゃ?」というキットまで発売され、いささかヤケクソ気味に市場を盛り上げたからこそ、現在のガンプラの評価があるのではないか? そのような勝手な思い込みから、筆者は「80年代、確かに店頭で見かけはしたが、買って組み立てたことはなかった」ロボットアニメのプラモデルを収集しはじめた。そして、それらの素組み(色を塗らず、製品の仕様どおりに接着剤のみでストレートに組み立てること)を行うのがこの連載である。
第1回は、パイロットフィルムが劇場公開されたのみの異色アニメ「テクノポリス21C」(1982年)より、青島文化教材社(アオシマ)製の「1/16 テクロイド スキャニー」を選んでみた。当時価格300円、ガンプラの小さいほうと同じ枠に入ると思う。

▲スキャニー本体が細身でボリューム不足のためか、マスコットキャラクターである“テクドッグ・トム”が付属する

「テクノポリス21C」は、テクロイドと呼ばれる人間と同じ大きさのロボットが、人間の刑事とコンビを組んで事件を解決していくシリーズ物として企画された。しかし、制作されたのは80分ほどの中篇が1本のみだった。
テクロイドは多用途タイプで男性型のブレーダー、情報分析が得意な女性型のスキャニー、パワー重視で巨漢タイプのビゴラス、この3体がいる。ブレーダーとスキャニーは簡単な会話ができ、スキャニー役の声優は「うる星やつら」の三宅しのぶ役で大人気だった島津冴子だった。ロボットなので話し方には起伏がなく、そこも新鮮でグーだった。

▲本キットの組み立て説明書。設定を細かく記載してくれているのはよいが、ちょっと字が多すぎ。右下の部品図のとおり、キットはランナー3枚で構成されている

そして、何より特筆すべきなのは、メカデザインをスタジオぬえの宮武一貴氏が担当していることだ。女性型ロボットといえば、古くは「マジンガーZ」(1972年)のアフロダイA(エース)やダイアナンAがあったが、スキャニーは複眼のような無機質な顔面、三つ編のように頭部から長く伸びた探査プローブなど、機能的なディテールが女性的なシルエットを生み出しているのが画期的だった。胸のふくらみは、なんと左右にパカッと開く。機能はよくわからないが、なんだかフロントホックのブラジャーみたいではないか。
そうした設定画をアニメ雑誌で見ていたため、「プラモデルではどうなっているんだろう?」と、内心ドキドキしながらキットを手にとった少年たちも多かった(に違いない。というか、そうであってほしい。筆者は恥ずかしくて買えなかった派である)。
では2020年の今こそ、1983年3月、全国津々浦々の模型店に並んだスキャニーのキットを開封してみよう。

▲とにかく、全パーツがピンクで成形されているため、箱を開けただけでクラクラしてしまう。まるで満開の桜のようだ。ビニールに封入されていた接着剤はとっくに硬化していたので、今回はタミヤセメントを使用して素組みする

▲後頭部から、おさげ髪のように伸びる探査プローブ。収納した状態にも組み立てることができるが、長いおさげ髪こそがスキャニーのチャームポイント。グフでいえば、ヒートロッドのような大事なパーツだ

▲手首は、握りこぶしと平手の選択式。本キットの発売された83年3月はガンプラではMSV(モビルスーツバリエーション)がシリーズ開始されたころで、ロボットの平手パーツは増加傾向にあったものの、ここまで華奢な手首パーツは類を見なかった

▲無機質な複眼のような顔面は、なかなかよく造形されている。そしてボディの部品を見るとメカがむき出し……胸のパーツがないようだが、これは一体?

▲どうやら、これが胸のパーツのようだ。右と左、別々に成形されている。プラモデルは、薄い殻のようなパーツを成形するのに適しているわけだが……うーん、これはひょっとして?

画像一覧

関連作品

テクノポリス21C

テクノポリス21C

上映開始日: 1982年7月7日
キャスト: 安原義人、滝沢久美子、池田勝、内海賢二、幸田直子、滝口順平、青野武、稲垣悟、大木民夫

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コメント(1)
ソウキソウキ2021/03/01 13:07

懐かしいですね。テクロイドはアニメ誌なんかの設定画を見てすごくワクワクしてました。「ロボットの教科書」と言ってもいいくらいのデザインです。 それだけにもっと活躍する場があれば良かったのですが。

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