アニメスケールの「1/460 古代ロボ ゴダイガー」(アオシマ)を知っているか? 連載初、アニメ未放映のオリジナルロボを決死の覚悟で組み立てろ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第12回

2021年06月27日 11:001

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

「いつ終わるのか?」「次こそ終わりか?」と危ぶまれつづけた当連載も、おかげさまで1年もちました。さて、そんな記念すべき連載1周年だというのに、今回のアイテムはアオシマ(青島文化教材社)さんのオリジナルデザインのロボット、「古代ロボ ゴダイガー」。300円ガンダムと同じ箱サイズ、当時価格も300円です。
一応、当連載のタイトルは「B級アニメプラモ」となっていますが、コイツは「アニメ」ではないんですよね。だって、テレビ放送も劇場公開も、ましてOVAで発売されてるわけではないからね。では、どうして取り上げたかというと、箱に「アニメスケール 130mmシリーズ」って書いてあるから。

▲ アオシマ愛好家の皆様にはおなじみ、「活躍想像図」という誇らしげな、それでいて逃げ口上にも言い訳にも聞こえる滋味ぶかい惹句(じゃっく)。そして、「アニメスケール」の共通ロゴ。1980年の「伝説巨神イデオン」の「光るイデオン」あたりから使われはじめたブランドネームだよね

でも、「アニメスケール」って一体どういう意味なんだろう? アニメに出てくる架空のメカではあるけど、スケールモデルのように忠実につくりましたよ……的な、メーカーの宣言のようにも聞こえる。まあ、勢いというかノリなんだろうけど、アオシマの300円サイズを代表する言葉だよね。
そして、ちゃんと「ゴダイガー」にはストーリー設定があるんだよ。箱の横にギッシリと刷られているので、落ち着いてじっくり読んでみよう。

▲ このストーリー設定によると、ゴダイガーはアトランジャー([※編注]アトランジャーは、1975年に青島文化教材社からオリジナルヒーローとして発売され「合体マシ ン」というブランド名を定着させたプラモデル。2020年には「新・合体シリーズ」として復活)の「兄弟ロボット守護神」だそうです。ただの「兄弟ロボット」じゃないよ、「守護神」でもあるんだよ。「情報は十字架又はサブ・コンピューターで処理される」って、十字架とコンピューターが一緒なのかよ。世界観がちぐはぐだけど、その個性こそが「作品」ってもんですよ

天然ではなくて、ネタというかウケ狙いした痕跡があるよね、このストーリー設定は。この300円の「ゴダイガー」の発売は1982年3月。テレビでは「戦闘メカ ザブングル」が放送されはじめた頃だけど、まだロボットアニメに対するイメージが洗練されてなかったのかな。
あのね、ストーリー設定なんかより俺が驚いたのは、箱の横の完成画像なんですよ。普通ここには、テストショットを組み立てて塗装した写真が載るじゃないですか。不自然なポーズをとらせてまで、キットの可動スペックをアピールしますよね? ところが、写真じゃなくて絵なのよ。

▲ 右端の2枚を見ると、この足の反った立ちポーズと武器の構え方、「伝説巨神イデオン」「銀河旋風ブライガー」の樋口雄一さんっぽくない? ご本人にメールすれば一発でわかるのかもしれないけど、今回は追求しません。そういう情報精度の高い連載じゃないんで、別の場所でね

しかしまあ、商品に忠実だったり設定画風にパースがついていたり、不思議な4枚の絵ですね。じゃあ、箱をあけてパーツも見てみましょうか。ランナーは真っ白です。

▲ ガンダム的に、ヘルメットが両頬まで伸びているデザインなんだな。で、額のマークと両ツノは、斜め上に跳ねている。なおかつ口の部分がガードというかマスク状になっていると、コワモテになるよね。ロボットの顔としては、甲冑型で好きなタイプです

▲ 次に、武器パーツ周辺。この、ガンダム的・大河原的なリアルとは明らかに異なる銃の未来感、青龍刀みたいなスーパーロボット風の剣とかねえ。80年代前半のロボットアニメ文化の混沌を、そのまま形にしたような武器類ですね

しかしねえ、逆をいうと、顔と武器以外は箱みたいな白いパーツばかりで、あまりにも不安……。だけど、プラモデルって作ってみないとわからないものなんだよ。組み立ててみれば、そのメーカーなり、そのキットなりの個性や工夫がわかるものなんだよ。俺の長年の経験と勘が、そう言っているんだよ! この不安に打ち勝つには組み立てるしかない、聞いたこともない「古代ロボ ゴダイガー」をな!

画像一覧

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

コメント(1)
ソウキソウキ2021/06/28 16:47

今までの連載の、キットを手に取っているかのような臨場感の高さが、今回あだになってしまわないか?とはいえ”どのくらいのモノなのか“が知れたのは有益。

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。

関連記事