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同じ監督から再度のオファーをいただくと、自然と気合いが入ります
── 「Re:CREATORS」からは、「BRAVE THE OCEAN」と「God of ink」の2曲が収録されています。 澤野 「Re:CREATORS」は、「アルドノア・ゼロ」のあおきえい監督と再びご一緒できた作品です。荒木監督もそうですが、同じ監督から再度のオファーをいただくと、前の仕事を喜んでいただけたんだなと実感できるんです。次も喜んでいただきたいなと思って、自然と気合いが入ります。「Re:CREATORS」は、[nZk]もオープニングテーマで参加させていただいたので、まずは[nZk]のアプローチを決めたうえで、サウンドトラックのボーカル曲のバリエーションを考えていきました。
── オープニングテーマの「gravityWall」と、サウンドトラックのボーカル曲で差別化を図ったということですか? 澤野 同じ作曲家が作っているので、まったく違うということにはならないんですけど、ある程度バランスを意識して、劇中ではこんな曲が流れていたら面白いかなと考えたりしますね。
── 「BRAVE THE OCEAN」は、劇中で何度も使われた曲でした。Elianaさんのボーカルですね。 澤野 この曲は90年代後半から2000年代頭くらいのクラブサウンド、EDMサウンドを意識して、今の自分の解釈で作れたらいいなと思った曲です。
── もう1曲の収録曲は、mpiさんがボーカルの「God of ink」です。 澤野 「BRAVE THE OCEAN」が重要なシーンで何度も使われる曲になった一方、「God of ink」は最後のほうで1度しか使われていないんです。だから、作品を見ていた方にはそれほど印象に残っていないかもしれませんが、高校時代によく聴いていたロックバンドのサウンド感をテーマにした曲で、それがうまく形にできたなと思って気に入っているんです。
── 王道のロックという感じの曲ですよね。 澤野 日本人の感覚からすると、今これがかっこいいかどうかは微妙なところかもしれないんですけど(笑)、僕の高校時代はBon Jovi(ボン・ジョヴィ)とかMr. BIGが日本でも流行っていた頃でした。Mr. BIGに「Take Cover」というドラムのタムから始まる曲があって、今も好きでよく聴くんですよ。そういう感じの曲を作りたいなと思って取りかかった曲です。バンドのサウンドとmpiさんのボーカルも、うまくマッチしたと思っています。
── 劇場版の「プロメア」は、2019年5月から公開なので、最近という感じがします。「Inferno」と「NEXUS」が収録されていますね。 澤野 「プロメア」はやり甲斐がありましたし、自分のキャリアにとっても今後重要になっていく作品だと思います。楽曲的にも今後のライブで積極的に演奏していきたい曲を作れることができました。「Inferno」はそもそもテンションが上がるバトルの曲として作ったんですけど、今石洋之監督が気に入ってくださって、作品のメインテーマとして使うことになったという経緯があり、いろいろなバリエーションのインストを作って広がっていった曲です。結果的に、この曲があるかないかでサントラの印象が変わるほどの重要な曲になりました。
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── 「NEXUS」もバトル曲ですね。 澤野 そうですね。バトル曲として、こういうリズムもあったらいいんじゃないかと思って作った曲です。80年代の洋楽みたいなサウンド感があっても面白いんじゃないかと打ち合わせで提案されて、自分なりの解釈でその時代の要素を取り入れていきました。「プロメア」は音楽の使い方に関しても、今石監督やスタッフが面白いことをいろいろ考えてくださってうれしかったです。
── 実写ドラマのサウンドトラックからも1曲、選ばれています。「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」の「The Brave」で、Yoshさんがボーカルを担当しています。 澤野 近年、実写作品の音楽はあまりやってなかった中で、「CRISIS」はボーカル曲も作らせていただけて楽しかった仕事です。Yoshさんのロックボーカリストとしての存在感が出た曲ですし、劇中でも重要なアクションシーンに使われていたので、ベストに入れておきたいなと。個人的にも思い入れの強い曲です。
── とても男らしいサウンド感で、刑事ドラマらしいなと思いました。 澤野 作品自体も小栗旬さんと西島秀俊さんのダブル主演で、男性的なドラマでした。サウンドトラックに関しても、アクション映画的なアプローチをしてほしいと言われたので、派手な楽曲をたくさん作りました。
── アーティストへの提供曲としては、まず2曲目の「StarRingChild」があります。Aimerさんの曲で、『機動戦士ガンダムUC episode 7「虹の彼方に」』の主題歌でした。 澤野 Aimerさんとの出会いと、彼女と一緒にやってきた楽曲制作は、僕がボーカル曲を作っていくうえでとても重要なものになりました。僕の背中を押してくれた存在です。DISC 1の出だしは、「プロメア」の「Inferno」からAimerさんの「StarRingChild」につながっていく流れにしたくて、2曲目に持ってきました。
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── Do As Infinityの「Alive」は、まずは2017年6月にシングルとしてリリースされて、翌年2月にはこの曲を含むフルアルバム「ALIVE」が、澤野さんのサウンドプロデュースでリリースされました。 澤野 Do As Infinityさんは学生時代から聴いていたアーティストだったので、仕事でご一緒できたのが最初は不思議な感覚でした。お互い探り探りで楽曲制作をするところから始まって、結果的にアルバムを1枚作れたというのは、自分でもいい経験になったと思います。
── 確固たる世界観を持った、ベテランのアーティストとコラボするにあたって、どんなことを考えましたか? 澤野 あえて過去の楽曲を聴き返したりはせずに、自分が素直にいいと思える曲で相乗効果を出せたらいいなと思って制作に入り、結果的に感じたのは、自分のサウンドを構築しても、大渡亮さんのギターと伴都美子さんのボーカルが乗ったらDo As Infinityの曲になるということでした。経験値のある方々なので、そこに乗っからせていただいたという感じでしたね。ギターのフレーズも、基本的には自分が書いたものを弾いていただいたんですけど、ソロパートはが大渡さんが考えてきてくださり、DoAsサウンドのニュアンスが出たと思います。
── 西川貴教さんへの提供曲では、「Roll The Dice」が収録されています。 澤野 西川さんと最初に組ませていただいたシングル「His/Story / Roll The Dice」の収録曲です。TV人形劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2」のOP&EDとして作った2曲だったんですけど、エンディングの「Roll The Dice」のほうがレコーディングした時期が早く、西川さんもこの曲でMVを作っていたので、こちらを選びました。
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── 西川さんとは、その後、[nZk]でもコラボすることになります。ボーカリストとしての西川さんをどのように感じていますか? 澤野 パワフルなボーカリストとして知られている方ですが、技術的にも感覚的にも、いろいろなサウンドに対応できますし、そこで自分自身の世界観を作れるのがすごいです。本当に表現力が豊かな方だと思います。
── 自分自身の世界観ということでは、澤野さんも同じだと思います。いろいろな作品のために曲を書きつつ、澤野さんの世界でしかないというのが、DISC1の印象でした。