「闘士ゴーディアン」(バンダイ)を組み立てて、動物マスコットと関節機構で300円キットの常識を改革する! 【80年代B級アニメプラモ博物誌第25回】

2022年08月27日 11:000

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今年、2022年、NOW……揺らいで崩れる「ロボプラモ=リアル」という40年来の信仰


まず、腕から組んでいく。前腕を上腕ではさみ、さらに肩パーツではさんで、「丸い軸さえ接着しなければ動くでしょ、曲がるでしょ!」という原始的な構造なのだが、考えてみれば、ガンプラも似たようなものだったよね。

▲ これさ、全パーツが左右分割されてるんだけど、肩パーツは穴の直径が左右で違うんだよね。組み合わせると問題ないんだけど、こういう“工業製品としての事情”を隠さず、何もかもむき出しになっているのが豪快だよね

▲ ヒジ関節は、この上にカバーがかかるとか、そういうことはなくて関節構造が丸出し。四角い余白に半丸の関節があれば、そりゃあ動くよね……という理屈が、嫌でも脳裏に焼き付けられる力強いデザインだ

ついつい、「機動戦士ガンダム」でロボットアニメを「リアル」と思い込んでいた僕なんかは、ガンプラをはじめとする80年代ロボプラモ=「リアルなロボット兵器の模型」という信仰のもとに40年生きてきてしまったわけだけど、本来、ロボットのプラモって「見ただけで機能がわかる」、その原始性に魅力があったのかもしれないよ? 自分の信じていた価値観が揺らぐ……それが「知る」ってことなんだよ。

▲ そして、組み上げた両腕をどうするかというと、胴体パーツで前後からはさむ。でも、胴体に頭も付いているから、もう半分以上できちゃったじゃん!? 形になるのが早い!

胴体に刻まれた模様が、「正面から見ること」を前提にしていて、土偶のような装飾性を発揮しているのもすごい。茶化してるんじゃなくて、マジですごいと思うよ。それでいて、半分になった円柱を組み合わせた肩パーツを胴体パーツではさむと、必然的に肩が丸軸によって回転可能という機能性。これは強いよ。逃げ隠れせずに、構造をむき出しにしたデザイン。

▲ 胴体から、やや斜めに飛び出した板というか軸に、ふともものパーツを前後から取り付けるだけ! この構造では横方向にしか開かない気がするが、「足は前後に動くのが基本」という既成概念が崩れていくのが面白いんだよ

▲ そして、ヒザにはプレート状の装飾パーツを「ペタッ」と貼る。向きを間違えないよう、丸い嵌合(かんごう)が上下に並んでいるのもいい。ざっくりしたキットに見えて、ワンポイント、装飾のためだけのパーツが入っているのがいいアクセントになっている

正直に言うと、ゴーディアン本体はスネ~足首のパーツを接着してしまえば、早くも完成してしまう。だけど、まだ黒ヒョウロボのクリントがある。逆を言うと、クリントのパーツで金型の面積がなくなり、ゴーディアン本体に複雑なギミックを設けられなかったんじゃないかな……。でも、まだわからないよ? こんな(ガンプラ的な常識から見ると)シンプルすぎる関節構造だけど、それゆえにゴーディアンは予想もつかないポージングができるのかもしれないよ? 恐れずに、未知の扉を開けようではないか!

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関連作品

闘士ゴーディアン

闘士ゴーディアン

放送日: 1979年10月7日~1981年2月22日
キャスト: 安原義人、井上瑤、納谷六朗、鈴木清信、増岡弘、高島雅羅、吉田理保子、鈴木れい子、村松康雄、北村弘一
(C) タツノコプロ

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