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堂島孝平さんに初めて、ノリのいい楽曲を書いていただきました
── 4曲目「まいっちゃう」は、堂島孝平さんの作詞・作曲・編曲です。「まいっちゃう」という言葉がたくさん出てくるんですけど、英語っぽく発音しているのが面白かったです。 鈴木 はい、この発音には、北川さんたちのこだわりがありました。変わった発音の「まいっちゃう」が繰り返されることで、面白い効果が生まれたと思います。
── 堂島さんが作った詞やメロディの印象はいかがですか? 鈴木 堂島さんは、このお仕事に就く前から知っていて、「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」という曲が特に好きだったんです。福田さんと、「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」みたいなノリのいい曲があったらいいよねって、以前から話をしていて。今まで、堂島さんにはバラードを書いていただくことが多かったんですけど、ついに今回、念願がかないました。
── ということは、「き、ぜ、つ、し、ちゃ、う」に似た感じの曲を、というオファーだったんですね? 鈴木 はい。タイトルも「まいっちゃう」で似ていて。ライブ映えする曲でうれしかったんですけど、歌詞を見たら、私が歌っていいものかという大人な感じで。歌うときのバランスを考えるのも楽しかったですね。
── 終電が近づいてきて、帰るか朝まで一緒にいるかという、大人な恋のシチュエーションを歌っているんですよね。 鈴木 そうなんです、そうなんです! 曲順を決めたときに、想いが伝わらなくてやきもきしている「わからないのよ BABY」の後に「まいっちゃう」が来ることになったから、この2人はゴールを迎えたんですね、よかったよかったと思いました(笑)。
── たしかに、2曲の主人公が同じだとしたら、積極的にアタックして恋が成就したということになりますね(笑)。 鈴木 「まいっちゃう」を、ファンの方はどう受け止めてくださるかなって、ドキドキしています。ノリがよくて、みんなと一緒に歌える曲なので、ぜひ気に入っていただきたいです。
── 次の「最果てのハロー」から、流れが変わってくるんですよね。シンセの音がきれいでリズムが軽快で、心地よく聴ける曲でした。 鈴木 作詞・作曲はsasakure.UKさんで、アレンジはsasakureさんが組んでいるバンド、有形ランペイジのみなさんです。sasakureさんは1stアルバムでは「わたしはわたしになりたい」の作曲・編曲をしてくださったんですけど、それとはまた違った印象の曲になりましたし、今回は作詞もしてくださいました。ひとりぼっちだった人同士が同じ痛みを共有して、ここからは前向きに生きていくという物語性がある歌詞で、ストーリーを噛みしめながらレコーディングしました。
── 明るい曲調ですが、歌詞には切なさも含まれていて、奥深さを感じました。 鈴木 sasakureさんの歌詞は、いつも物語が美しいんです。でも、ライブで歌うと、お客さんとの出会いを一緒に喜ぶような印象に変わるんじゃないかと思っていて、ライブで披露できるときが楽しみです。「WO WO WO」というキャッチーな部分があって、ライブでみんなでウォーウォーできるように、北川さんがこだわり抜いてくださったので、絶対にみんな一緒に歌いたいなって思います。
── 次は、シングル「恋する小惑星」のカップリング曲だった「まぼろし」です。 鈴木 「まぼろし」はほかのどの曲とも曲調が違っていて、アルバムのどこに入れるか悩んだ曲でした。
── 静かな印象がありつつもエモーショナルな、いい曲ですよね。 鈴木 はい、大好きな曲です。「まぼろし」は7曲目の「月夜の夢」と雰囲気がつながっていて、幻と夢という並びになりました。
── どちらもウィスパーボイスで歌っているところも共通していると思います。「月夜の夢」はmyuさんの作曲・編曲で、作詞は鈴木さんです。 鈴木 myuさんは、私が大好きな「ローゼンメイデン」の歴代エンディングテーマを作曲されている方で、今回、楽曲提供していただけてうれしかったです。「月夜の夢」のメロディも最初に聴いた瞬間に、いいなあと思いました。でも、歌手としては歌ったことがないタイプの曲だったので、作詞は難しくて。
── どういうところが大変だったんですか? 鈴木 私はわかりやすい歌詞を書きがちなんですが、この曲は幻想的で抽象的な言葉のほうが合うなと思って、そういう言葉を選んでいくのが大変でした。
── ボーカルも無機質な感じになっていて、幻想的でした。こういう声で歌うのも、今までになかったですよね。 鈴木 この曲は椅子に座って、脱力した感じで歌ったんです。福田さんからも、「もっと小さい声でいいよ」というディレクションがあって、特に中盤の部分は「息を出しているくらいの声で」と言われました。歌詞は大変でしたけど、歌うのは楽しかったです。この曲も新しい自分が出せたと思います。