ホビー業界インサイド第24回:シタデルカラーは、本当に魔法の塗料なのか? 高久裕輝(マックスファクトリー)が塗って語る、シタデルカラーの模型的活用法

2017年06月24日 12:000

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シタデルカラーを既存のプラモデルに活用するには?


高久 いまプラモデルを作っている人たちに、「今まで使っていたラッカー塗料やエナメル塗料を捨てて、すべてシタデルカラーに替えるべき」などと言いたいわけではないんです。そこだけは、誤解しないでいただきたいですね。
具体例をあげると、戦闘機の操縦桿の先端にある赤いスイッチをちょっと塗りたい場合、シタデルカラーが向いています。プラモデル用塗料の赤・黄・白は顔料が小さいせいもあって、隠ぺい力が弱かったのですが、小さな部分を塗るのであれば、シタデルカラーがぴったりです。一発できれいに決まりますから。艦船の主砲の基部についている白いキャンバスだとか、戦車のスコップの柄だとか、ちょっとだけ部分塗装したい場合、これよりいい塗料はないと思います。ガンダムの腰にある小さなV字マークなんかも、きれいに塗れるはずですよ。

── なぜ、ここまで質の高い塗料が開発されたのでしょう?

高久 不気味なモンスターのプラモデルを開発するぐらいだから、さぞかし小さな会社だろうと勘違いされているかも知れませんが、イギリスのGW本社は上場企業です。年商百数十億円で、設備投資に何十億も使っていますから、総力をあげてミニチュアや塗料を開発しているわけです。彼らは「ミニチュア業界のトップランナーでありつづけたい」と宣言しているぐらいです。きっちりと経済と結びついて、社会性がある。イギリスの小中学校には“ウォーハンマークラブ”があるし、キオスクではGWの発行している情報誌が売られています。確かにオタク趣味かもしれないけど、閉鎖性はなく、健全に社会と共存しているんです。だから、どこの誰が塗っても、ちゃんとサマになるような塗料や塗装システムが構築されているのでしょう。
シタデルカラーはマックスファクトリーで取り扱うわけではありませんが、あなたのホビーライフに組み込む価値は十分にありますよ……と、個人的にモデラーの皆さんにお勧めしたいです。



(取材・文/廣田恵介)

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