春アニメ実力ランキング1位「マジンボーン」。早穂の着替えシーンは入れようと決意していた!宇田監督×鷲尾Pインタビュー 後編

2014年06月25日 10:300

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“ヒョウタンから駒”のびっくりエンディング


──一度聴いたら耳から離れないエンディングが、第1話からかなり注目を集めていますね。

鷲尾:ぶっちゃけて言いますと……。あのエンディングはタイアップ曲で、最初に聴いたときには、我々アニメスタッフもみんなたまげました(笑)。そのまま宇田監督に「お願いします」と渡したんですが、監督も他のスタッフに回すことができず、やむなく自分がやることに……。

宇田:最初に仮歌を聴いた第一印象が、「軽っ!」でした。この曲に、どういう映像を合わせたものかと考えて、キャラクターをコラージュした、ああいう「キャラクターツリー」の1カットでいこうかと考えていたら、完成した本歌が上がってきた。そうしたら、「3、2、1」ってカウントダウンが入っている。しかも最初に「レロレロレロレロ……」って入ってる!(笑) 「え、ちょっと待って。1話の翔悟が『うわーっ!』って言ってるあの後にこれがくるの……?」と。どうやったらつなげられるのか一生懸命考えて、それであのカウントリーダーを思いついたんです。これだったらなんとかつながるかな、と。



──第1話放送後の反響が、すごかったですね。

宇田:案の定、あのエンディングにみんな持っていかれました(笑)。「第1話の内容、何だっけ?」ぐらいの勢いで。「ああ、やっぱりこうなったか……!」と。

鷲尾:「バンドを組むアニメじゃないんだよ」って、いちいち言わないといけなくなりました(笑)。

宇田:それでも、エンディングの絵ではバンドを組ませちゃいましたけどね。絵コンテを描いて、レイアウトを考えて……やるとなると、つい凝っちゃう。翔悟が弾いているギターは、「YAMAHAのSG1000ね!」と、指定を入れました。僕が好きな高中正義さんの愛器なんです。

鷲尾:あのエンディングのラストカット、翔悟は全然弾けてなくて、早穂になぐさめられていますよね。そして犬の桃太郎があきれて見ているという……。

宇田:翔悟に弾けるわけがないじゃないですか。



──本編の中でバンドは組まないんですか?

宇田:バンドは……組みません!(笑)


──そのほか、気になるところについておきかせください。ルークはオーストラリア出身、アントニオはブラジル出身、タイロンはアフリカ出身。なぜみんな南半球出身なんですか?

鷲尾:これは、ゲームサイドの設定に合わせています。今回、ボーンのモチーフが動物で、まず子どもに人気の動物を選んだそうです。そこから、その動物はどこの国に生息しているのかを逆算したときに、ちょうどそれぞれの大陸に分かれていたので、そのように設定したと聞いています。つまり、サメ(シャーク)がオーストラリア、ジャガーが南アメリカ、サイ(ライノー)がアフリカ……ということです。ちなみにライオン(レオ)のギルバートは例外で、最初イギリス出身だったのですが、ストーリーの設定でアメリカ出身になりました。


──主人公の翔悟が、幼なじみの早穂とひとつ屋根の下……という設定は、男の子にとってはドキドキする設定ですが、この先、恋バナはありますか?

鷲尾:確かに、シチュエーションだけ見ると、それだけでラブコメが1本できますよね(笑)。

宇田:でも、シナリオ的には、恋愛要素はまったくないです。こちらもあんまり作るつもりもなくて。


──劇中でも、2人の安定した関係に、「まるで夫婦みたいだ」とツッコまれていましたね。

宇田:自分の息子が今中学生で、保育園から一緒の幼なじみの女の子がいるんですけど、その会話とか見ていても、本当に恋愛要素はゼロですよね。兄妹・姉弟に近いです、やっぱり。だから、そこらへんは違和感なく描けていると思っています。


──翔悟の「守りたい家族」の中に入っているイメージですね。

宇田:そうです。ただ、そういう子どもたちを見ていておもしろいなと思うのは……。心の距離感は近いんですけど、それでも身体が触れたりすると、男の子のほうがドキッとするんですね。女の子のほうには全然それが感じられないんですけど。「あっち行こうよ」って、女の子のほうから手をつなぐことはあっても、男のほうから手をつなぐことはないんです。そういう表現も、絵コンテチェックのときに細かく入れ込んだりしています。セリフにも、さりげなくにじませたりして。だから、「あ、こういう距離感って、実際あるある……」と思っていただけると、僕的にはうれしいですね。


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マジンボーン

マジンボーン

放送日: 2014年4月1日~2015年3月31日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: KENN、立花慎之介、吉野裕行、安元洋貴、三瓶由布子、折笠富美子
(C) BANDAI・東映アニメーション・テレビ東京

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