春アニメ実力ランキング1位「マジンボーン」。早穂の着替えシーンは入れようと決意していた!宇田監督×鷲尾Pインタビュー 後編

2014年06月25日 10:300

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作り手が楽しむことで、観る人が楽しい作品になる


──キャラクターデザインのところで、「女性受けしそう」という話がありましたが、シナリオや演出では、女性向けを意識したりしていますか?

宇田:それはまったくないですね。逆にそこは、あんまり意識するとすべる可能性があるので。ビジュアル的には、村田雄介先生原案の艶のあるキャラなので、女性人気が出るかなとも思いますが、それにしたって結局大切なのは、キャラクターがしっかりしていることなんですよね。こちらとしてはもちろん、ストーリーやドラマ性も重視して、キャラクターをしっかり作り込もうとやっていますから、作り手がそこを間違えなければ、結果的には、女性ファンも楽しんでくれるのではないかなと思います。

鷲尾:たぶんそういう意味では、ルークやギルバートのシャワーシーンは、これからもないと思いますよ、きっと(笑)。

宇田:それが必要となるストーリーになれば、自然にやりますけれどね。



──でも、第1話の早穂の着替えシーンは、必要だったんですね?

宇田:あれは、絶対に入れようと僕が決意していました!(笑) 「昔のアニメーションを体現したい」に通じるんですが、昔のサンライズ作品では、必ずヒロインのシャワーシーンがありました。今のご時世だとそれは無理なんですが、男の子の視聴者のために、ちょっとぐらい色気があったっていいんじゃないの?……という思いを、固く握りしめていました。


──作り手自身が楽しんでいる雰囲気が伝わってきますね。

宇田:よくスタッフと話すんですけど、作り手側が楽しんでいない作品は、絶対楽しくないと思うんです。たとえ多少話が破綻していても、絵が荒れていても、作り手側が楽しむ心を持ち続けることのほうが、作品にとっては大事だ……と、僕はずっと言い続けているんです。スタッフも、1話分の作業をやりおえると、これがどういう作品かわかるじゃないですか。そうすると、その次にやるときには、もう少し踏み込んで表現する余裕が出てくる。最近は、各話を担当する演出も、どんどん楽しんできて、絵コンテがシナリオと違うけど、もっとおもしろくなってる!……ということがよくあります。



──それは、お2人が過去に担当された作品とも通じるところがありますか? たとえば『美少女戦士セーラームーン』や『ふたりはプリキュア』など。

宇田:そうですね。作り手側が楽しまないとダメだというのは、『美少女戦士セーラームーン』のときに学んだようなものです。スタッフ同士の雑談で、「どうせ人間のエナジー取りにくるなら、アニメスタジオに来ればいいのに! ここにはそんじょそこらより、よっぽどエナジーがあふれてるぞ!」と、わいわい話をしていて、それが実現しちゃったエピソードがありましたね(笑)。あと、タキシード仮面が意外なところから登場するのに凝りすぎて、どんどん登場が変になっていったとか……。そんな、バカみたいなことをみんなで楽しんでやっているわけです。そういうエピソードは、観る側もスタッフがノッているのを感じてくれて、結構評判がよかったりするんです。だから『マジンボーン』でも、そういうところは大事にしたいですね。

鷲尾:『プリキュア』シリーズの第1作『ふたりはプリキュア』は、『ドラゴンボールZ』の西尾大介監督が手がけた作品でした。あのときは西尾監督が、「アクションをやるんだったら、徒手空拳が良い」という話をされていて、女の子で、得物(アイテムなど)を持たずにやるアクションをやってみましょう……というのが始まりでした。カッコよくきちんと動かすっていうのは、意外に大変なんです。アクションの決めごととか、決めポーズがカッコよくないと、アクションって成立しないので。そこをものすごく気を使って作っていましたね。だから逆に、尺が短くてもカッコいいアクションになるということを、そこでずいぶん観た記憶があります。

(C) ABC・東映アニメーション



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マジンボーン

マジンボーン

放送日: 2014年4月1日~2015年3月31日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: KENN、立花慎之介、吉野裕行、安元洋貴、三瓶由布子、折笠富美子
(C) BANDAI・東映アニメーション・テレビ東京

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