80年代ロボアニメで「主人公メカの量産タイプ」といえば、「特装機兵ドルバック」のキャリバー(グンゼ産業)しかないよね!?【80年代B級アニメプラモ博物誌第24回】

2022年07月31日 11:001

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地味に左右非対称な腕部パーツ。そして、80年代のいけてないメカ観が味わい深い


まず胴体から組んでいくんだけど、前後を貼り合わせて終わりではなくて、首の周囲の面が板状の別パーツとなっている(前ページの2枚目の写真、パーツ番号25)。
たぶん、「超時空要塞マクロス」のバルキリーみたいに、変形時にビークルの胴体が折れてロボット形態になるため、ビークルの断面が露出している都合だと思うんだよね。変形機構のおかげで、メカニカルな雰囲気が高まっているわけです。

▲ こうして見ると、単純な胴体の前後割りではなくて、上のほうがスカスカに空いてるでしょ? そして、肩の内側には、円筒形パーツにポリキャップを挿入して接着。しかしまあ、こんなに目立つ色のポリキャップ、アニメプラモ史上、ほかにないのでは?

そして、ノーマルのムゲン・キャリバーとは異なる新規金型の頭部も、なかなか渋いパーツ分割になっています。

▲ 頭を左右から貼り合わせた後、頬のあたりにセンサーっぽい小パーツを接着する! 左右に割られた頭部に前方向からディテールパーツを付けることで動きと密度が出るわけです。丸いセンサーの先端のミゾも、SF的でいい感じ

▲ なぜか頭部の接続はポリキャップを使わず、胴体に差し込むのみ。だけど、板のような胸と精密感のある頭部の組み合わせで、量産型っぽい雰囲気が高まってきた!

続いて腕の組み立てですが、ここで地味にショッキングな事態が起こります。よく見ると、腕が左右非対称なのです……。

▲ まず、肩です。前後と左右に可動するよう、T字形の軸を組みこむ。これはまあ、セオリー通りのパーツ分割。後から差し込むだけで組み上げられるよう、ヒジの接続部にポリキャップを組み入れる。まあ、肩は普通に左右で共通です

▲ ここから、前腕の組み立てです。ヒジを曲げるためのT字形の軸、手首を差し込むためのポリキャップと、それを固定するための円筒パーツ……まあ、普通のパーツ構成では? と思うでしょ? ところが……

▲ これ、見てください。バスタブみたいな前腕パーツの内側に仕切り板があるでしょ? 右腕はポリキャップを入れるための切り欠きがあるのに、左腕にはない! 左腕は、最初のガンダムのキットのように、手首を挟み込んで接着する古典的な構造なのです

▲ でき上がると、外見は変わらない。ただ、「手首が外せるか回転するだけか」という機能上の差異があるのみ! そのために、わざわざ左右パーツが異なる

うーん……左手首は交換用の手首がないから、別に挟み込んで組み上げてもいいんだけどね。ついつい、私のような素人は「まったく同じパーツを左右で共有したほうが安くすむよね?」と思ってしまうのですが、実際はどうなんでしょう? 組み立てるユーザーとしては、まったく同じ作業の組み合わせだろうと思っていたら、途中でガクッとリズムが変わる面白さがあります。
さて、次は足の組み立てです。

▲ 足の付け根とヒザの関節に、ポリキャップを組みこむ。この時代の他社のプラモでは、フトモモをスネ側で挟み込む構造が多いのですが、「ドルバック」シリーズはフトモモとスネを別々に組み上げた後に、ポリキャップを介してつなぐ。独特の工夫がある


▲ スネ側は、ポリキャップを組み入れた足首を左右から挟む構造。ヒザの内側にもポリキャップを仕込むので、完成後は足首を外に向けられる! この機構は、ほかになかなか見ないですよ。こういう発見があるから、この時代のプラモは面白い

あと、ふくらはぎの部分に縦長のフィンのようなディテール部品を接着する。箱のような直線で構成された足に、この楕円を描いた未来的なパーツがミスマッチ。「80年代のいけてないメカ」感がかもし出されて、何ともいえない味わいが出る。
この後、まだバックパック(かなりデカい!)と武器(まあまあデカい!)があるので、300円にしてはお得感のあるキットです。実は組み立て途中、細いパーツをぽっきり折ってしまったのですが……、全身を組み上げるとどんな感じなのか見たいでしょ?

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特装機兵ドルバック

放送日: 1983年10月7日~1984年7月6日

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コメント(1)
コブヘーコブヘー2022/08/02 12:45

ポリパーツは組み上げれば結局目立たなかったわけだし、そこまでツッコむ必要あります? その時代その時代のメーカーさんの都合などなどあるでしょうに、都度都度出てくるライターさんのネガティブな文言に毎回イラっときます。 せっかく貴重なキットを取り上げているのだから気分よく見たいのですが、途中で読むのをやめたくなる文章です。

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