「機甲創世記モスピーダ」のレギオス・アーモダイバー(イマイ)を組み立てたら、“中間形態”ゆえの不安定さにクラクラした!【80年代B級アニメプラモ博物誌第21回】

2022年04月29日 11:000

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パーツ単位でカッコよければ、全体がカッコいいメカになるのだろうか?


こういう非人間型のメカの場合、頭がないので腕の組み立てから入ることが多い。1982年から「超時空要塞マクロス」のヒットが続いていた成果と言えるだろうが、この時代のイマイはロボットの手足はつくりなれている。ポリキャップこそ使っていないが、各関節は手堅いパーツ構成だ。

▲ まず、肩ジョイントを挟むかたちで上腕パーツを組む。上腕の片側をヒジ関節パーツで挟み、逆側を肩装甲パーツで挟む。ちょっとパーツが多い気もするが、ヒジ関節が横方向へも回転するのでポージングに有利。1983年時点では文句のつけようのない構造だろう

いつも口うるさく言っていることだが、80年代前半は「上腕が肩装甲の裏側に接続されているだけ」=「胴体と上腕が離れている」構造がしばしば見られる。典型例が、1/144ガンダム。板のような肩装甲の裏側に可動軸があって、上腕をそこに差し込んで可動を確保する構造だった。これでも見かけ上は「ロボットの腕」として成立はするんだけど、腕と胴体が板1枚でつながっている宙ぶらりんな状態には、モヤモヤしてしまう。やっぱり、腕と胴体の間には骨(可動ジョイント)がちゃんと中に通っていてほしい。このアーモダイバーの場合、上腕と胴体を内蔵される肩ジョイントが接続するので、申し分ない。

▲ ヒジ関節を、前腕パーツで挟む。それはまあわかるんだが、手首は挟まない。差し込むだけ。差し込むだけなので回転はするのだが、「何で?」とは思う。手首の上には、袖口に付く四角いパーツ。こういうディテール再現のためのパーツ分割はいいですな

予想外にカッコいい腕が完成して、ちょっととまどっている。このレギオスというロボット、アーモソルジャー形態(人型形態)とアーモダイバー形態(中間形態)で手足は共通のはず。しかし、この時期のイマイは変形の前後で別々のプラモデルを発売しており、ほぼ同じ寸法なのに、キットごとに彫り直していた。つまり、アーモソルジャー形態の手足を流用したのではなく、アーモダイバーのために手足を新しく造形しているのである……。
腕単独でカッコいいんだけど、新しくパーツを造形するのであれば、アーモダイバーに合わせてデフォルメしてもよかったんじゃない? と、どうしても思ってしまう(1/144 Gアーマー付属のコアファイターが、合体の都合を無視した巨大サイズだったように)。

▲ バスタブのような形の肩ブロックの内側へ、肩ジョイントをはめる。肩が前後方向へも可動する機構はアーモソルジャーと同じなんだけど、丸いインテークに穴が空いているのはアーモダイバーのキットだけ。ホントにパーツ共有せずに、ぜんぶ作り直してるんだよね

▲ えっ、もう胴体? 工程のスピーディーさに驚いてしまうが、それがアーモダイバーというものだ。翼の成型された大きな胴体パーツに、腰の可動ジョイントを組みこむ。足の付け根は前後に動くだけでなく、左右にもひねれるようだ。そして、両胸のパーツを腰の前部に接着

腕、胸、翼が揃った。いずれも鋭角にラインが短く切れ上がっていて、ものすごくカッコいい。だけど、カッコいいパーツを単純に組み合わせればカッコいいメカができるのか、ちょっと不安になってくるカッコよさだ。次は、頭と武器を組み立てるらしい。うーん、いや大丈夫なのかなあ……。

▲ 3種類が付属した頭部のうち、エータのパーツを切り出して組み立てる(……が、間違ってイオタのパーツを組んでいた。すみません)。頭が2つでき上がったように見えるけど、左側の細長い箱は、右肩に乗せるキャノン砲だそうです。両方に、シャア専用ザクのような羽飾りがつく

▲ 右手に持つ銃は弾倉までデザインしてあって、全体が短くてミリタリック。ちょっとくぼんだ丸いディテールなど、モールドのセンスもいい。右側にあるブロックは、左肩に装備するミサイルポッド。ただの箱なんだけど、実にいい角度をしている

こうしてパーツ単位で見ると、どれも魅力的な形なんだよね。しかし、まだ足ができていない。そういえば、機首もまだ組んでいない。しかし、こうして武器や頭部は組み上がり、外堀は埋まった。もう、後へは戻れない。楽しみなのか不安なのか、もう気が変になりそう。では作ろう、足を。コクピットを。組み上げよう、アーモダイバーを。さあ、鬼が出るか蛇が出るか?

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機甲創世記モスピーダ

機甲創世記モスピーダ

放送日: 1983年10月2日~1984年3月25日   制作会社: タツノコプロ
キャスト: 大山尚雄、島田敏、土井美加、深雪さなえ、鈴置洋孝、松木美音、西村知道、高橋美紀、神田和佳、大塚芳忠、小原乃梨子
(C) タツノコプロ

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