【インタビュー】そこにはみんながいたんだ! リミットブレイクした内田真礼の真骨頂を見せつけるポジティブソング!「鼓動エスカレーション」

2019年07月19日 12:000

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「できる! いけるよ!」と背中を押し切ってくれる曲


── ご自身の歌い方としては、新しい挑戦をする曲というよりも内田真礼らしさを生かしていくような曲でしたか?

内田 たしかにわたしの声が生きるハッピーな曲なんですけど、実はものすごく難しかったんですよ。サビの一段階めの「なんて君らしい」ですでにすごく高い音程にいるのに、そこからさらに上がる二段階めがあったり。「youthful beautiful」がわたしの歌を新しい方向に伸ばした曲だとしたら、「鼓動エスカレーション」はこれまで伸ばしてきた方向にさらに伸ばした曲。そういう挑戦でしたね。

── なるほど。そしてその音程が上がり続けるサビもTom-H@ckさんらしいですね。

内田 らしさ全開を頼んだらわたしが苦労することになりました(笑)。さっきもお話ししたAメロの「ねえ、なんでもないね 緊張はどこへやら」のところのリズムも難しいですし。普通に4拍子でリズムをとろうとしてもうまくいかない何かがあるんですよね、わたしは「トントコトントコしているな」と感じているんですけど。

── 歌詞については「野球部のマネージャー的な距離感」という印象を受けているとか。

内田 すごく近い距離から背中を押してもらえるような、聴いているとなんでもできそうな気にさせてくれる、そんな曲です。聴いている自分をすごく肯定してくれる曲だなと思うんですよ。「いいねいいね! できるできるよ!」と。途中には「Ooh... bad luck そんな時もある」んですけど、それでも(手拍子をしながら)「だいじょうぶだいじょうぶ! いこういこう!」と押し切ってくれるんです。カップリングの「Flag Ship」も通じるところがあるのですけれど、そっちなんて「夢なんて全部叶う」まで言い切っていますから! とにかく明るくて「これならいけるな」と思わせてくれる、その肯定感みたいなものが夏の青い空にきらめいていて、とても幸せを感じる曲です。


「Flag Ship」から振り返る、内田真礼がリミットブレイクしたあのとき


── その「Flag Ship」は7thシングルカップリング曲「Applause」でも参加いただいた作詞PA-NONさん、作曲・編曲fu_mouさんによる曲です。

内田 2019年1月1日の武道館ライブを経て、5周年を迎えて、武道館のステージセットでもあったあの大きな船に乗って出航した我らはこれからどこへ向かおうか?という自分の状況への答えといいますか。普段の仕事の中で喉を痛めてしまったりとかで立ち止まってしまうこともあったのですが、それでもわたしはそこで力を抑えるのではなくて、声優も音楽活動も全部を最高の形で次に進めたいという……わたし、欲張りなので。立ち止まってはいけない「大きな波」が来ているいま、ものすごい勢いでその波に立ち向かっていくぞ! そんな想いを形にしてもらった曲です。1月1日の武道館で会ったみんな、ファンクラブイベントに集まってくれたみんな、応援してくれるたくさんのみんな。そのみんなと一緒にこの船で前に進むぞ!と。だからファンクラブ曲っぽいとも感じていますし、わたしにとって大きな意味が込められている曲だなと思っています。

── 歌のひと言目「最初はひとり見つめていた」を聴いて思い出したのですが、アーティストデビュー初期の内田さんからは今よりも尖った雰囲気を感じていました。

内田 あたし尖っていました?(笑) うん……正直あの頃ってすごく抑圧された中で生活していて。周囲から抑圧されていたわけではなくて、自分で考え込んでしまっていたんです。いろいろな選択肢がある中でどれを選んだら自分がいちばん納得できて幸せなのかなと思いつつ、自分が納得することよりも周りから期待されるものを出したいとも思ったり……。正解とは?みたいなことをたくさん考えていたんですよ、あの頃って。今思い返すと、そうやって悩んだ時期があったのもよかったなと思えるのですけれど。

── その内面が雰囲気や言葉にも表れて硬質な印象になっていたのかもしれませんね。

内田 自分をだましだましというとあれですけど、折り合いをつける感じでやっていた部分もあったなと思います。気持ちの問題だけじゃなくて能力的にも、昔だと「ギミー!レボリューション」はレコーディングしたときの原キーではきつくて、ライブでは半音下げて歌ったこともたしかあったはずです。そんな状況ですから「音楽ってわからない」「わたしこんな大きな会場で歌う器じゃない」とか思ったり。バンドメンバーやスタッフさんに対しても、「どこまで心を開いていいのか? どこまで近づいてもいいのか?」なんて考えていました。

── だけどそれに続く歌詞のように、「そこにはみんながいたんだ」という瞬間が訪れた?

内田 代々木第一体育館でやらせていただいた「UCHIDA MAAYA 2nd Live『Smiling Spiral』」ですべてを解放したんです! もうみんなを信じてとにかくやってみよう!と。そして気づけば今、武道館にも立ち、たくさんの仲間がいて、自分が望んでいたのはこの場所だったのだなと思えている。だからわたしはこれからも諦めないし、強くなっていくはずです。

── 2ndライブでの解放に向けて、そのきっかけとなるような出来事もあったのでしょうか?

内田 その1年前に中野サンプラザでの1stライブがあって、その記憶を持ったうえで、内田真礼の音楽活動とはどういうものだろう?というのを改めて考えて制作に入ったのがミニアルバム「Drive-in Theater」だったんです。わたしはこういうのが好きなんです!というのを詰め込んだ名刺代わりになる作品というか、歌舞伎が好きです! 野球が好きです! 和が好きです! 免許とりました! そういうアルバムだったのですけれど(笑)。その作品を通して自分の好きなものと向き合って、自分がどんな人たちと音楽をしたいのかにも向き合って。そのときにご一緒したクリエイターの方々、田淵智也さんもそうですし、ライブのバンドマスターをやってくれている黒須克彦さんもそうですし、大好きな人たちと音楽を作る楽しさにも目覚めて、スタッフさんたちへの信頼も深まって。

── それで代々木という大舞台にも自信を持って挑めたと。

内田 いや、あの大きな大きな代々木第一体育館で、しかも2daysでライブをやるって言われたときは「ぎゃあー! なんてことだ!」と思いましたよ(笑)。でも母親は「だいじょうぶだよ。真礼は大きい会場のほうが合っているよ」と言っていて(笑)。

── 親特有の、根拠とかないやつ(笑)。

内田 「なにそれ!?」と思いますよね(笑)。信頼してくれるのはうれしいですしありがたいけど何がだいじょうぶなの?と(笑)。でも両親はわたしがツアーに行くとなったら大阪まで車で見に来てくれたり、どこであっても応援に来てくれる、ものすごく大きな味方なんです。その両親、そしてファンの人たちも、あの大きな大きな会場を埋めるほど集まってくれて、わたしも自分を解放して。そうやって代々木を乗り越えたときに、ひとつのチームとしての「これだ」というものが見えた気がします。

── 「Drive-in Theater」でリミットゲージが満タン寸前になっていたところからの代々木でリミットブレイク! みたいな?

内田 そうです! 「この場所があればわたし、何があってもだいじょうぶかも」と思えたライブになりました。そこからはノンストップですね。シングル3部作があってセカンドアルバムがあってツアーがあってファンクラブが始まってファンクラブイベントもあって武道館! あっという間でしたけどすごく楽しい!

── お話を聞かせていただくと改めて、内田さんの曲はどれも、「作詞:内田真礼」と書かれていても違和感ないだろうなというほど内田さんに寄り添ったものになっていますよね。

内田 冨田さんも含めてクリエイターの方々、みんなが内田真礼を愛してものすごく汲み取ってくれて、ファンのみんなとわたしを繋いでくれるような詞や曲を書いてくれるんです。わたしが書いたわけではないのにわたしの想いがこんなに入っている!という曲を書いてくださるので、わたしも「この曲を全力で歌ってみんなに届けなきゃ!」と思わされます。本当にいい循環になっていて、だからこそ何も諦められないというか、前に進むしかない!という気持ちにさせてくれるチームなんです。それでもまだ、目指すゴールみたいなものは見えてないのですけど。自分への期待値もどんどん高まっていますし。

── 実際「鼓動エスカレーション」では、苦労させられたという「ギミレボ」よりさらに高い音まで登っていますしね。

内田 そうですね。自分の成長は自分でも感じられています。ライブに向かうのも怖くなくなったどころか、自分が怖いとか怖くないとかそういう次元ではなく、みんなをもっと先に連れていきたいと思えるようになって……。何者になりたいのかなんてわからないですが、止まるべきときは今ではないということだけはわかります。

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