【プレイ・バック・アニサマ2018 その1】還る場所、敬意とともに見送る場所としてのアニサマ。「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」初日レポート

2018年09月02日 12:000
【プレイ・バック・アニサマ2018 その1】還る場所、敬意とともに見送る場所としてのアニサマ。「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」初日レポート

日本最大級のアニメソングの祭典「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」(アニサマ 2018)が2018年8月24日~26日、さいたまスーパーアリーナにて開催された。

2005年からスタートして今年で14回目を迎えたアニサマは、今年も各日27,000人のアニソンファンが詰めかける超満員となった。24日の初日には藍井エイルさん、Aqours、亜咲花さん、いとうかなこさん、伊藤美来さん、Wake Up, Girls!、内田彩さん、OLDCODEX、GARNiDELiA、黒崎真音さん、Zwei、DearDream、Do As Infinity、中島愛さん、春奈るなさん、Poppin’Party、MYTH & ROID、三森すずこさん、山崎エリイさん、レン(楠木ともりさん)が出演した。

 

ライブオープニングは、ダンサーたちを従えた内田彩さん、三森すずこさんがサプライズで水樹奈々さんの「DISCOTHEQUE」を歌うというメジャー感あふれるコラボでスタート。内田さんのハイトーンと三森さんの力強い歌声は絶妙な組み合わせ。2人が手を合わせて作るハートに27,000人が湧いた。

内田彩さん×三森すずこさん

 

初日にはサプライズゲストとして藍井エイルさんが登場。活動再開後初のアニサマとなった藍井さんは「流星」と「ラピスラズリ」を披露。大歓声と青とオレンジの光の海に出迎えられた藍井さんは、ファンと出演機会をくれたアニサマスタッフへの感謝の気持ちを語っていた。

 

藍井エイルさん

 

GARNiDELiA


アニサマ名物のコラボでは、地元茨城つながり&ボカロつながりのGARNiDELiAと中島愛さんが「君の知らない物語」を披露。黒崎真音さんと春奈るなさんの「瞬間センチメンタル」にはPoppin’Partyの大塚紗英さんがギター、西本りみさんがベースを担当。声優バンドのメンバーが楽器で参加するという新しい形のコラボを見せてくれた。

 

GARNiDELiA×中島 愛さん

 

黒崎真音さん×西本りみさん

 

春奈るなさん×大塚紗英さん

 

初日のトリを務めたのはOLDCODEX。ボーカルのTa_2さんはOLDCODEXとして4年ぶりのアニサマであり、客席の期待に応えて最高のパフォーマンスを見せたAqoursの次を受けて最後を締める立場の緊張と想いをありのままにさらけだした。そのうえで「Heading to Over」では客席にサイリウムを消すように頼み、歌声と突き上げた拳でコミュニケーションしたりと、OLDCODEXの世界に会場を染め上げて見せたのだった。48曲が歌われたアニサマ初日は、全アーティスト参加の「Stand by…MUSIC!!」で幕となった。

OLDCODEX

 

個人的注目ポイントにフォーカスして初日を振り返り!

ここからは個人的な注目ポイントをダイジェストで紹介していく。まずはオープニングの流れだが、「ラブライブ!サンシャイン!!」のAqoursが出演する日の1曲目を「ラブライブ!」μ'sの一員である内田さんと三森さんが担当し、また、楠木ともりさんが「ガンゲイル・オンライン」のレン名義で出演する日に藍井エイルさんが出演したことにセットリストに1本通った線を感じた。直接的には明言しないさりげなさがいい。楠木さんが歌った「To see the future」はレンとピトフーイ(CV:日笠陽子さん)がアニサマについて話すスペシャル導入映像を流したり、さいたまスーパーアリーナ内を行き交うレーザー光線をバレット・ライン(弾道予測線)になぞらえたりと演出に非常に力が入っていた。レンが身体欠損ダメージを受けながらピトフーイの頸動脈を食い破る激しすぎるシーンの映像と、楠木さんが歌うかわいらしい姿のギャップがとても楽しい。楠木さんがレン愛用のピンク色の短機関銃“Pちゃん”を抱きしめて口づける締めくくりも印象的だった。

 

レン(楠木ともりさん)

 

レン(楠木ともりさん)

 

1日限りのコラボにしてしまうのがもったいないと感じたのが、伊藤美来さんと山崎エリイさんのスペシャルユニット「みっく&エリイ」だ。80年代アイドルの系譜を感じる超正統派美少女の2人が、純白の衣装に揃いの帽子で登場。24年前に時代を巻き戻しながらも、実写版公開で現在進行形でもある「ママレード・ボーイ」の「笑顔に会いたい」という選曲も心憎い。左右のトロッコに分かれて会場をぐるりと回った2人は会場中ほどですれ違いざまにまぶしい笑顔でハイタッチ! 1+1が10にも200にもなるという意味で、忘れられない組み合わせになった。いつかまた見たいアニサマコラボだ。

 

みっく&エリイ(伊藤美来さん×山崎エリイさん)

 

前半の締めはPoppin’Party。今年のポピパはカメラワークがとてもよくて、真剣な表情でドラムを叩く大橋さんの姿や、愛美さんに背中を預けて天井を見上げる大塚さんの恍惚の表情をきっちりフォロー。愛美さんが「この手を離さない」のフレーズで小指から順になめらかに指を畳んでぎゅっとつかむ感じがさいたまスーパーアリーナ全体をその手に握るような感じで印象的だった。強烈なインパクトを残したのがカバー曲の「God knows」で、超絶ギターソロを大塚さんがみずから弾ききった。大観衆が見守るプレッシャーがかかる中、声優でありながらあのパートを弾きこなすのはさすがだと思うし、彼女を信じてギターの手元をアップにする大胆なカメラワークも素晴らしかったと思う。

 

Poppin’Party

 

個人的に、そしておそらく多くの観客にとって忘れられないものになったのがWake Up, Girls! のステージ。WUGは来年3月の解散を発表しており、アニサマ出演は今回のステージが最後となる。そんな彼女たちが最後のアニサマで歌ったのは「極上スマイル」と「Polaris」。会場後方からトロッコに乗って登場し、「極上スマイル」を歌う7人から感じるのはこの舞台を、これからの時間を笑顔で走りきるという覚悟だ。“シンドイ季節を知ってるから かわらぬ笑顔を愛でる”“ドンマイ涙を知ってるから かわらぬ笑顔を愛でる”というフレーズが、今この瞬間だからこその意味を持って輝く。

 

Wake Up, Girls!

 

「Polaris」は「Wake Up, Girls! 新章」最終話を盛り上げた劇中歌で、詞はメンバーの7人のアイデアと言葉を元に、センターの吉岡茉祐さんが紡いだものだ。5年間走り続けてきたうえで生まれた彼女たち自身の言葉。「Polaris」のライブ中には、今までのアニサマでの7人の映像と、Run Girls, Run!、i☆Ris、Aqours、ミルキィホームズが「こんにちWUG」のポーズを見せる演出があった。同日、Run Girls, Run! が、さいたまスーパーアリーナ外の「けやきひろば」のステージに出演していたこともあり、今回のステージに後輩ユニットであるランガが何らかの形で関われたら、物語の種子がつながっていけばいいなとは思っていたのだが、i☆Risの登場は意外だった。しかし、声優ユニットとしての7人を送り出すステージとして考えれば、先輩と後輩がいてこそ線はつながる。それを前面に押し出すのではなく、あくまで今回のアニサマに出演するアーティストたちとのコラボメッセージ、という形を取るのがやっぱりさりげなくていいなと感じた。7人が涙にぬれた笑顔で歌いきった「Polaris」は、今までで一番素敵な「Polaris」だった。

 

興味深かったのが、前半に登場したDearDreamと、Wake Up, Girls!のラストアニサマへのアプローチの違いだ。DearDreamは10月20日・21日に日本武道館ライブでのファイナルライブを予定しており、WUGと同じく最後のアニサマ出演となる。しかし、初出演でもあるDearDreamは、最後であることをあまり表に出さなかった。ひとりでも多くのファンの心をつかんで、日本武道館という「次」につなげることを考えた結果ではないかと思う。DearDreamの「PLEASURE FLAG」はひじや膝の角度、キメのタイミングをぴったり揃えたシンクロ感が印象的で、奥にいるメンバーと手前のメンバーのシルエットがぴったり重なることに、ダンスとフォーメーションの練習を相当に積んでいること、このステージに向けて仕上げてきたことを感じた。ラップ後の見事なシンクロダンスで視線と注意を引き寄せたところで、センターの石原壮馬さんがにこっと笑顔で撃ち抜く感じがよかった。

 

DearDream

 

DearDreamのステージには「ラスト」よりも「これから」を感じたが、SNSでDearDreamの一部のファンが、最後のアニサマを迎えるWake Up, Girls!の言葉と想いに共感して、両作品のファンに交流が生まれている様子には、アニソンフェスならではのよさがあった。粋だなと感じたのは、ラストに出演者全員がステージに出る際、出演順や五十音順といった順番ではなく、真っ先にWake Up, Girls!が登場したこと。超満員の大会場を感じて独り占めにする時間を最初に、少しでも長くという親心なのかな……と思ったが、次に登場したのがDearDreamだった時点でそれが確信に変わった。これからのアーティスト、今が一番旬のアーティストが結集するだけでなく、これから物語を閉じようとするアーティストにも敬意を持って向き合っていくのが、14回の歴史を刻んできた今のアニサマのあり方なのかな、と思った。

 

もうひとつ書いておきたいのは、WUGがラストアニサマで見せた姿や、吉岡さんの言葉が作り出した会場全体のエモーショナルな高まりが、そのままライブ全体の高まりにつながっていったように感じたことだ。休憩や間で空気を切り替えるのでなく、三森すずこさんの圧倒的な個のパフォーマンス、ステージをひとつの作品として作り上げたMYTH & ROIDの世界、Do As Infinityの世代共通体験とも言えるアニメソングが持つ力……といった、それぞれ色が違うクライマックス級の構成を重ねて、トップテンションのままAqoursまでつないでいった印象だ。その流れを受けたAqoursのパフォーマンスは本当に圧巻で、まるでPVのように計算されつくされたカメラワークと演出も含めて、アイドル作品発ユニットのひとつの到達点だと感じるものだった。

三森すずこさん

 

MYTH & ROID

 

Do As Infinity



Aqours




亜咲花さん

 

いとうかなこさん

 

いとうかなこさん×Zwei

 

伊藤美来さん

 

内田彩さん

 

Zwei

 

中島愛さん

 

山崎エリイさん



【セットリスト】

■Animelo Summer Live 2018 “OK!” 初日

M01:DISCOTHEQUE(内田彩×三森すずこ)

M02:流星(藍井エイル)

M03:ラピスラズリ(藍井エイル)

M04:SPEED STAR(GARNiDELiA)

M05:Error(GARNiDELiA)

M06:君の知らない物語(GARNiDELiA×中島 愛)

M07:To see the future(レン(楠木ともり))

M08:Shocking Blue(伊藤美来)

M09:守りたいもののために(伊藤美来)

M10:PLEASURE FLAG(DearDream)

M11:ユメノコドウ(DearDream)

M12:Open your eyes(亜咲花)

M13:SHINY DAYS(亜咲花)

M14:Bright way(内田彩)

M15:So Happy(内田彩)

M16:Starlight(山崎エリイ)

M17:笑顔に会いたい(みっく&エリイ(伊藤美来×山崎エリイ))

M18:ティアドロップス(Poppin’Party)

M19:キラキラだとか夢だとか ~Sing Girls~(Poppin’Party)

M20:God knows...(Poppin’Party)

M21:ファティマ(いとうかなこ)

M22:LAST GAME(Zwei)

M23:スカイクラッドの観測者(いとうかなこ×Zwei)

M24:放課後オーバーフロウ(中島 愛)

M25:サタデー・ナイト・クエスチョン(中島 愛)

M26:桃色タイフーン(春奈るな)

M27:Startear(春奈るな)

M28:瞬間センチメンタル(黒崎真音×春奈るな feat.大塚紗英&西本りみ from Poppin’Party)

M29:décadence -デカダンス-(黒崎真音)

M30:Gravitation (黒崎真音)

M31:極上スマイル(Wake Up, Girls!)

M32:Polaris(Wake Up, Girls!)

M33:ユニバーページ(三森すずこ)

M34:革命のマスカレード(三森すずこ)

M35;VORACITY(MYTH & ROID)

M36:HYDRA(MYTH & ROID)

M37:化身の獣(Do As Infinity)

M38:深い森(Do As Infinity)

M39:君がいない未来(Do As Infinity)

M40:未来の僕らは知ってるよ(Aqours)

M41:君の瞳を巡る冒険(Aqours)

M42:WONDERFUL STORIES(Aqours)

M43:勇気はどこに?君の胸に!(Aqours)

M44:Growth Arrow(OLDCODEX)

M45:One Side(OLDCODEX)

M46:Heading to Over(OLDCODEX)

M47:WALK(OLDCODEX)

M48:Stand by...MUSIC!!!(アニサマ2018出演アーティスト 1st Day)

 

(取材・文:中里キリ)

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