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「2000年代の音」にこだわったサウンドメイキングの理由
── このアルバム全体として音のよさが印象的でした。 toku ありがとうございます。今回のアルバムは時代に逆行して意識的に音圧を高めにしているんです。最近のシーンでいうと、音圧を下げてきれいに聴かせようという流れになっているのですが、僕らはあえて「2000年代の音っていいよね」という方向で。
メイリア バキバキの派手な音を目指そうと(笑)。
toku そのあたりマスタリングエンジニアと相談して作っていきました「音量が大きいけど大丈夫ですか?」と言われたのですが、これで行きましょうという感じでやっています。こういうロックとかダンスのサウンドにしても海外のを聴くと音が潰れまくっていてもカッコよかったりするんですよ。そういう勢いと音としてのよさを両立できるのが一番いいかなと思ってマスタリングエンジニアと相談して時間をかけて作りました。「Error」の時もハイレゾ版と分けてマスタリングをしていたんですけれども、つっこみ具合は全然違う形になっています。そういうふうにサンプリングレートごとに別の処理をしていかないと納得できるものにならないし、一緒くたにコンバートしたりとか、ハイレゾで作ったものをCDに落としただけにすると、結局CD盤がつまらなくなる。「Error」以降、音を考え直すということにたどり着いたこともあって、アルバムもそうやって作り出したというところがあります。
── 音質の流れで「Poppin'Trip -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-」についてうかがわせてください。 HEAVYGRINDERさんとのコラボ曲「BAD BOY」は前作のアルバムにも収録されていましたが、2組のコラボはどんなきっかけからスタートしたのでしょうか? toku 元々はアトランタのイベントで彼らと一緒になったのがはじまりです。
メイリア そこでDJのプレイをしていたので、ステージに遊びに行って飛び入りして、遊びみたいな感じでやったらスゴくカッコいいのができて、仲良くなってまた一緒にやろうよと。
toku 僕らも海外でイベントに出ることが多くなり、やっぱり外国の音圧感のよさを採り入れたくなってコラボをしたいなと思っていたんです。HEAVYGRINDERのメンバーのKATFYRくんが出している「Coffee Time」という曲があって、それがBeatport(クラブミュージックの配信サイト)で1位になっていたので、そのテイストのものとコラボしたいという話をしていたら、向こうも「絶対にやる!」と言ってくれて。ちょうど彼らが今、日本に来ていて昨日も食事して、「どんなプラグイン使ってるの?」みたいな話をしていたら、全然普通のプラグインなんですよ。マスタリングエンジニアも一緒に音のトリートメントの仕方とかいろいろな話をしました。
メイリア 「BAD BOY」も自分の中でめちゃくちゃ大好きな曲ですし、ダンスをしている人間にとってはこういう曲はとてもなじみがあります。サウンドメイクの仕方とかリズムのビートの刻み方は、周りの環境もあると思います。街に流れているのがこういう曲ばかりなので。そこも含め世界をいろいろ飛び回ってるうちらだからこそできたコラボだなとも思います。今度はアジアの方とコラボをしてみるのも面白いですね。
── 続いてお2人のルーツが色濃く表れている曲についてお聞かせください。まず「Jesus」についてお願いします。 toku ギターリフとシンセリフを合わせるみたいなのは前からやりたいなと思っていて、それを形にした感じですね。今までと同じく、ドラムは「岸田教団&THE明星ロケッツ」のみっちゃんに叩いてもらっていて、彼の持ち味であるスネアの連打をふんだんに採り入れています。曲作りからレコーディングまで過去最短で作りました。デモができたその日の午前中にみんなに渡して、午後から録っています。みんなの第一印象で弾いてもらって、バンドセッションみたいな感じでできた曲ですね。
メイリア これは歌詞を書くのも早くて、全部で1時間くらいで書き終えました。詞を書くときはどんな歌詞が良いかをtokuには聞かずに曲からのインスピレーションで書くのですが、今回はふと思いたって初めて聞いてみたんです。そしたら「闇が深くて中二っぽいやつがいい」と言われて(笑)。
── (笑)。 メイリア たしかにサウンドやメロディのイメージとも一致していて、サビの開けるイメージが思い浮かんで、すごく書きやすかったです。私はビジュアルから歌詞を想定することが多いのですが、今回のジャケットの衣装で歌ってもそれが想像できるなと思って書いていました。歌詞も自分と対極にある要素からストーリーを作ってその主人公の目線に立って書いているので、変身願望的にすごく楽しかったです(笑)。そこも書きやすかったポイントのひとつですね。