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霧亥は櫻井孝宏にしか演じられないキャラだった
――櫻井さんの演じる霧亥というキャラクターはかなりセリフが少なめです。口数が少ないキャラと多弁なキャラ、どちらのほうが演じやすいというのはありますか?
櫻井 セリフが多いなら多いなりのプレッシャーもありますし、少ないなら少ないなりの難しさがやっぱりあって、セリフの量って実はあまり関係なかったりするんです。霧亥は口数は少ないけれど、目でモノを訴えたり、後ろ姿で何か気持ちめいたものを感じさせる。しゃべっていないカットでもしゃべっているように思わせてしまう人物だと思っています。だから、セリフの多い/少ないはあまり問題ではないかな、と。
霧亥も最初はもう少し長い文章もしゃべってたんですけど、収録していく中でよりソリッドにセリフを削って、口数が少なくなっていったんです。なので、そういうキャラクターだと思って演じてました。霧亥のキャラクターでベラベラしゃべられても、ちょっとね……(笑)。やっぱり、世界観とキャラクター性というのは合致しているものなので。
宮野 どっちも難しいと思うんですけど、口数が少ない役の難しさとして、役者がオフの部分をどれだけ考えていられるかで、しゃべった時の言葉の説得力が全然違うんです。セリフが多かろうが少なかろうが、キャラクターが作品の世界に存在していなければいけないというのは変わらない。それをいかに意識して、いざ自分のセリフとなった時にほかの人には出せない存在感を出すかっていうのは、多分櫻井さんにしかできないことですよ。本当に素晴らしかった!
櫻井 いやいや、そんなことないよ……!
宮野 世界において、櫻井さんにしかできない技だな、と…! だから、「BLAME!」の完成形を見た時は、霧亥の魅力に一番惹かれましたね。やっぱり格好いい! あと“すげぇビーム”がいい(笑)。
櫻井 (笑)。
――最後に、「BLAME!」を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。
櫻井 “ナイスな「へい!」”と“すげぇビーム”で、すげぇ面白いです(笑)。
宮野 それ、見出しになっちゃうから!!(笑) 「BLAME!」のイメージに合わないから、絶対にダメ(笑)。
僕はこの映画で「BLAME!」という作品に触れることができて、本当によかったと思いました。最初に資料をいただいた時は、独特の世界観で「ちょっと難しい作品かな?」って思ったんです。でも、作品の真ん中に霧亥という超スーパーヒーローがいて、スリリングで格好いい映像のド迫力アクションに引き込まれながら、あっという間に見られちゃう作品でした。なので、みなさんにもぜひ楽しんでいただけたらと思います!
櫻井 男女問わず、SFってちょっと敷居が高いように思われている方も多いと思うんですけど、昨今のアニメの功績として、ある程度SFの見方を指し示してくれていたというのがあると思います。だから、「BLAME!」でとっつきにくく見える部分も、本当はすごくとらえやすくて見やすいし、お話自体はとてもシンプルで内容がわからないってことは全然ありません。それでも、ちゃんと作品のテーマはあって、キャッチコピーの「生き延びろ」という言葉はなかなか自分の生活には置き換えづらいかもしれないけれど、そこには確かなメッセージがある。それは観る人によって、感じ方がいろいろと変わるところでしょう。だから、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいですし、興味のある方は誰かを強引に誘ってでも一緒に見て、あーだこーだなんていろいろおしゃべりしてもらえるとすごくステキなことだと思います。2週間の限定上映というのがすごくもったいないと思うようなクオリティの作品ですし、ドルビーアトモスなど、こだわりの映画音響を採用しています。ぜひみなさん、劇場に足を運んでください!!
――本日はありがとうございました!
(取材・構成/須賀原みち)