決算不認定から一転、認定に!ふるさと納税で製作された「邪神ちゃんドロップキックX」富良野編について、栁瀬一樹宣伝プロデューサーが語る!

2022年12月05日 18:000

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2022年夏アニメとして放送された「邪神ちゃんドロップキックX」。

本作第9話「富良野に潤むラベンダー色の瞳」は、北海道富良野市がふるさと納税で制作費を募り、制作されたことで話題を呼んだが、富良野市議会より「内容が適切だったのか。適当なのかを精査しなかったことに疑問を呈している」という意見があがり、11月15日の富良野市議会・決算審査特別委員会にて“不認定”となった。つまり予算の使い道が適切ではない、と認定されたのである。

 

特に「富良野市のイメージを損なう」と問題視されたのが、邪神ちゃんが借金のかたに内臓を売ろうとするくだりである。

これを受けて「邪神ちゃんドロップキック」の公式は、富良野編を1週間無料配信したうえで、Twitterで邪神ちゃんドロップキックX富良野編を視聴したことで富良野のイメージが上がったのか下がったのかを明らかにするためのアンケートを実施。結果は90%以上が「富良野のイメージがよくなった」と回答。こうした取り組みの影響があったか定かではないが、11月30日に行われた本会議では認定と不認定が8対8の同数となり、議長採決によって最終的に「認定」となった。これにてひとまず「邪神ちゃんドロップキックX」富良野編を巡る騒動に決着がついたわけだが、公式サイトは本件を通じてどのようなことを考えたのか。そして今後はどのような企画を展開していくのだろうか。

そんな疑問に、宣伝プロデューサー・栁瀬一樹さんにこたえていただいた。

 

 

──本会議で認定されたということで、ひと安心といったところかと思います。すでにニュースなどで状況は説明されているわけですが、改めてどういう状況だったのかを教えていただけますでしょうか。

 

栁瀬 今回の件については、邪神ちゃんVS富良野のような構図と捉えている方がいらっしゃると思うのですがそれは間違いで、関係者は「富良野市」「市議会」「邪神ちゃん製作委員会」の3者があります。製作委員会は富良野市とやりとりして作品を作り、その成果物──アニメ本編に対して、市議会から市に対して「富良野のイメージが下がる可能性がある」という申し立てがありました。私は本当かどうかを確かめたかったので、実際に視聴した方たちにアンケートを取り、その結果を公開しました。

 


──今回の騒動についてですが、議会の映像を拝見したところ、論点は「表現内容」と「費用対効果」の2点だったように思います。

 

栁瀬 そうですね。議論はその2点に集中していたように思えます。表現については莫大な借金を抱えてしまった邪神ちゃんに、数千年に一度と言われる異常事態「メデューサ・ハイ」となったメデューサが「内臓、売ろ?」と問いかけ、邪神ちゃんが鼻水を垂らしながら「え?!」と狼狽するシーンがあるのですが、この部分が社会通念上許されないとして議題になりました。アンケート結果からは視聴者のほとんどがこれを単なるギャグとして受け取っていることがわかりますが、そう受け取られない可能性を否定することはできません。

また、費用対効果についてはこちらのふるさと納税寄付金額グラフを見てもらえばわかるように、富良野市に対するふるさと納税寄付金額は2021年は2020年までと比較して約3倍に伸びています。


⇒参考記事 「自治体オープンデータ」富良野市ふるさと納税寄付金額 

https://jpmarket-conditions.com/local/01/01229/furusato_money/

 

私は調査を行っていないので、この伸びと邪神ちゃんに因果関係があるのかわかりませんが、今まで横ばいだった寄付金額がたまたま邪神ちゃんとコラボしたタイミングから大幅に伸びているとして、そのうちの一部でも邪神ちゃんが担えていたとしたらとても嬉しいです。いっぽうで、議会でも指摘にありました「誘客が足りていない」という意見については実感しているところですので、私としてはこれから誘客できる企画に取り組んでいきたいと思います。

 

 

──今後、誘客できるイベントを考えていかれるとのことですが、すでに構想はあるのでしょうか?

 

栁瀬 富良野には、富良野編でも描かれたへそ祭りやワイン祭り、パウダースノーのゲレンデなど魅力的なイベントやスポットがたくさんあります。ぜひそういった特徴を生かした邪神ちゃんイベントを実施したいですね。

 

──それはほかの自治体ではできないイベントになりそうですね!  最後に、今後の課題について教えてください。

 

栁瀬 邪神ちゃんの表現は万人受けする「おりこうさん」ではないと思います。では、怒られないためには全ての人に認められる無難な表現をしていけばいいのでしょうか? いいえ、それをしてしまったらもうそれは「邪神ちゃん」ではないと思うので、その方法を選ぶことはできません。いっぽうで、せっかくコラボしてくださった富良野市の皆さまに対して、邪神ちゃんが富良野市を十分ににぎわせるだけの貢献ができているかと言えば、それはまだできてはいないと思うのです。ですから今後は、ちょっと尖った表現もするけどたくさんファンの方を連れてくることができる存在、として認知してもらえるようにがんばっていきたいと思います。

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関連作品

邪神ちゃんドロップキックX

邪神ちゃんドロップキックX

放送日: 2022年7月5日~2022年9月20日   制作会社: ノーマッド
キャスト: 鈴木愛奈、大森日雅、久保田未夢、小見川千明、小坂井祐莉絵、佐々木李子、飯田里穂、原奈津子、荒浪和沙、寺田御子、山田麻莉奈、山下七海、田中美海、朝ノ瑠璃、長谷川玲奈、M・A・O、遊佐浩二
(C) ユキヲ・COMICメテオ/邪神ちゃんドロップキック製作委員会

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