【インタビュー】高垣彩陽がソロデビュー10周年を記念して、ベストアルバム「Radiant Memories」をリリース

2021年04月17日 12:000

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新曲「Dear One」は、10周年を迎えた想いを素直に歌詞にしました


── 12曲目と13曲目は「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの楽曲です。まずは12曲目の「戦姫絶唱シンフォギア エンディングメドレー BEST edit」。「Meteor Light」「Next Destination」「Rebirth-day」「Futurism」とエンディングテーマ4曲をつないだメドレーでした。

高垣 「シンフォギア」シリーズではこの4曲に「Lasting Song」を加えた5曲歌わせていただいていて、ベストアルバムにはどれを収録しようかとなったときに、私にはどれかを落とすことができかったんです。それでメドレーでの収録を提案させていただいたら、OKということになって。アレンジは、作曲者でもあるElements Gardenの藤田淳平さんしかいないと思ってお願いしました。美味しいところ取りの激アツなメドレーになりました。

── 4曲のつながり方もすごくいいんですよね。

高垣 そうなんです! 来るぞ来るぞという感があって。「シンフォギア」の曲には作中で使われるロングイントロバージョンが存在するんですけど、それとも違う、4曲をつなげたからこそのストーリー性のあるメドレーになりました。それに加えて、「シンフォギア」のプロデューサーさんから「メドレーのタイトルに『戦姫絶唱シンフォギア』をぜひ使ってください」という許諾をいただけて、私の声優人生にとって大きな転機となった「シンフォギア」の名をベストアルバムで背負うことができて、すごくうれしいです。今回のアルバムのスペシャルな要素になりました。

── そこから高垣さん作詞、藤田さん作曲の「Lasting Song」につながっていくのが熱いんですよね。

高垣 「Lasting Song」はシリーズ5作目『戦姫絶唱シンフォギアXV』のエンディングテーマで、私にとっては「縁」以来の作詞になりました。

── そしてアルバムのラストを飾るのは、新曲「Dear One」です。

高垣 私が作詞をして、作曲をElements Gardenの上松範康さんに、アレンジを藤田淳平さんにお願いした曲です。上松さんの曲はキャラソンではたくさん歌わせていただいていたんですけど、ソロでも曲を書いていただきたいなという夢がずっとあって、それがかなった曲になりました。

──「Dear One」は、今までの高垣さんの歩みがすべて入った曲になっていました。

高垣 ありがとうございます! 10周年のベストアルバムをまとめる1曲なので、私自身が作詞するのは荷が重すぎて、最初はどなたかに書いていただきたいなと思っていたんです(笑)。でも、上松さんとの打ち合わせのときに、新曲への想いや今、自分が考えていることを伝えていたら、「それだけの想いがあるなら、歌詞は自分で書いたほうがいいと思う」と、上松さんから言っていただいたんです。

── 具体的に、どんな想いを歌詞にしましたか?

高垣 このベストアルバムでは周りにいる方々やファンのみなさんへの10周年の感謝の気持ちは「縁」で担ってもらって、「Dear One」は私自身に向けての歌詞を書いてみようと思いました。誰もがそうだったと思うんですけど、私にとって2020年は自分自身と向き合う時間が多くなった年でした。その中で私は自分のダメなところや嫌いなところを、たくさん見つけてしまったんですね。総じて言うと自分のことが嫌いになってしまった1年で、そこから、どうやったら自分を肯定して、大切に想うことができるんだろうと考え始めたんです。それを歌詞にして、今の私が感じていることをそのまま出そうと思ったのが、「Dear One」でした。

── 歌詞のテーマは、今の自分自身ということですね。

高垣 みずから選んだことなんですけど、自分自身についての歌詞を書くというのは、すごく難しかったです。自分のイヤな部分を掘り下げなければいけないし、言葉にしないままでいたぼんやりとした感情や、ぐちゃぐちゃにからみ合っていた悩みを全部ほどいて歌詞にしていかなければいけなくて。書けない時期がずっと続いて、社会人としてあるまじきことなんですけど、2回締め切りを破りました(笑)。

── そんな大変な思いをして作り上げた歌詞なんですね。

高垣 最初の段階で「もしも書けなかったときの次善策を考えておいてくださいね」とスタッフさんに伝えていたくらい、「Dear One」の作詞に関しては自信がなかったんです。でも、マネージャーさんや周りの方から、私が書くことに意味がある曲だからがんばってください、と激励を受けて。自分で書きたいという気持ちと自信がないという気持ちが常にせめぎ合う中、のたうち回りながら歌詞を書き上げたので、完成してすごくホッとしています(笑)。愛せる作品になって、本当によかったなって。

── 改めて、「Dear One」の歌詞について今、どのように感じていますか?

高垣 素直な言葉で今の気持ちをつづったので、「こんな一面もあるんだ」とちょっと引かれちゃうかな? と思う部分もあって、怖さもあったんですけど、そこを飾り立ててもしょうがないなと思って。自分と向き合った曲なので、書いていたときは孤独を感じていましたが、今までライブでお世話になったミュージシャンの方たちに楽器を弾いていただいたことで、楽曲としてでき上がったときは「ひとりじゃないんだ」と思うことができました。それを今度はファンの皆様が聞いてくれることで、私自身の想いを書いた曲が今度は誰か心に寄りそう曲になっていくといいなと思います。

── サウンド的にはすごくきらびやかで、「Radiant Memories」(輝かしい記憶)というアルバムタイトルにもつながる曲なのかなと思いました。

高垣 それぞれの曲に思い出があって、たとえ笑顔の思い出ばかりでなくても、今振り返るとすべてが愛おしくて輝かしいなと思って。晴れやかな気持ちで,この10年を振り返れたなという気持ちから、このタイトルに決めました。また、この曲を聴くと、当時のことを思い出すということがよくあって、音と記憶は強く結びついていると思うんです。そういう意味でも、「Radiant Memories」というタイトルはベストアルバムにふさわしいなと思いました。

──「Dear One」はMVがBlu-rayに収録されています。クラシックホールで撮影された新作部分と、今までのミュージックビデオ(MV)の映像を融合させた作品になっていましたね。

高垣 楽曲と映像で10年の軌跡を振り返るベストアルバムになったので、MVも過去のMVを振り返る作品にできたらいいなと思って、スクリーンの映るMVのシーンを入れていただきました。今自分が立ちたい場所、みんなに会いたい場所ということで、劇場で撮りたいという想いが強くあったんです。今なかなか立つことができない場所でもあるので、「Dear One」という曲をステージから届けている姿を残したいという気持ちもありました。

── 撮影した劇場は、どこですか?

高垣 彩の国さいたま芸術劇場です。初めて訪れたんですけど、クラシックの雰囲気があって座席もきれいで、素敵なホールでした。いつかここでお客様を前にして「Dear One」を歌うことができたら、「Dear One」のストーリーが完結するなと思いました。まるでコンサート本番のように久々に衣装を着てメイクをしてもらってステージに立ったので、撮影は本当に感慨深かったです。


── Blu-rayは「Dear One」のMVから始まり、過去のコンサート映像が10曲並ぶんですよね。それを見ていると、ファンのみなさんは、またこんなふうに高垣さんのライブを現場で味わいたいなと思うのではないかと思います。

高垣 私もそれぞれのコンサートに私も思い出がありますが、会場に来てくださった皆様も同じだと思います。6曲目に入っている3rdコンサートツアーでの「Brand New Smile」は、私がずっとやりたかった客席の中で歌うというパフォーマンスを実現できた曲で、みんなの近くに行って歌っている姿を入れたいなと思って選びました。ライブならではの雰囲気が伝わるBlu-rayになっているので、ひとりでも多くの方に手に取っていただけたらうれしいです。

── 最後に、10周年を越えて、これからの高垣彩陽について聞かせてください。

高垣 この先、どうなっていくのでしょうね? 今はベストアルバムが完成した!という達成感が大きくて、若干、燃え尽き症候群かも(笑)。でも、「Dear One」のレコーディングのときにミュージシャンのみんなが演奏している姿を見て、コンサートをやりたいという気持ちがふくらみました。「Radiant Memories」がひとりでも多くの方に届いて、みなさんと音楽を共有できる場所をひとつでも多く持てるように、声優としてアーティストとして、これからも声を届け続けたいです。


高垣彩陽プロフィール


たかがきあやひ/10月25日生まれ。東京都出身。
2005年から翌年にかけて開催された「第1回 ミュージックレイン スーパー声優オーディション」に合格し、2006年、「桜蘭高校ホスト部」にて声優デビューを果たす。また、同オーディションの合格者、寿美菜子、戸松遥、豊崎愛生とともに、2009年、スフィアを結成する。
2010年7月21日に1stシングル「君がいる場所」でソロデビュー。現在まで12枚のシングルと、2枚のフルアルバムをリリース。また、カバーミニアルバム「melodia」シリーズを4枚リリースしている。
2012年からスタートした「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズでは、メインキャラクターの雪音クリスを名実ともに、各期のエンディングテーマを高垣彩陽として担当した。


CDデータ

■ベストアルバム「Radiant Memories」

完全生産限定盤CD+Blu-ray 8,000円(税込)

レーベル:ミュージックレイン/2021年4月21日発売



通常盤CD 3,100円(税込)

レーベル:ミュージックレイン/2021年4月21日発売


〈収録曲〉

01. 君がいる場所
02. 光のフィルメント
03. たからもの
04. ソプラノ
05. 夢のとなり
06. 月のなみだ
07. 愛の陽
08. 3 leaf clover
09. Walking On Sunshine
10. 縁
11. Live & Try
12. 戦姫絶唱シンフォギア エンディングメドレー BEST edit
13. Lasting Song
14. Dear One

〈完全生産限定盤Blu-ray収録内容〉

1.「Dear One」Music Clip
2.「Dear One」TV SPOT 15sec+30sec

01. わたしだけの空 (from 1st concert tour「Memoria×Melodia」)
02. Defying Gravity (from 1st concert tour「Memoria×Melodia」)
03. You Raise Me Up (from 1st concert tour「Memoria×Melodia」)
04. Be with you from 2nd concert tour「relation of colors」)
05. 夢のとなり (from 2nd concert tour「relation of colors」)
06. Brand New Smile (from 3rd concert tour「individual」)
07. Ave Maria (from 3rd concert tour「individual」)
08. 私の時計 (from 3rd concert tour「individual」)
09. 風になる(from 3rd concert tour「individual」)
10. 縁 (from Making of 3rd concert tour「individual」)


(取材・文/鈴木隆詩)

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(C) A-1 Pictures/Aniplex・テレビ東京

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(C) 2010 鏡貴也/伝勇伝製作委員会

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(C) Project シンフォギアXV

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