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「ソプラノ」を越えて、自分自身で曲を作りたいと思うようになりました
── 7曲目の「愛の陽」も壮大ですが、こちらは疾走感があります。この曲にはどのようにして生まれたのでしょうか? 高垣 「愛の陽」は8枚目のシングルで、シングル初のノンタイアップ曲でした。「今回は、好きなことをやっていいよ」と言われたので、だったら、クラシックの要素が入りつつ激しさのある楽曲が歌いたいと思って作曲をお願いしたのが、当時、Elements GardenにいたEvan Callさんでした(現在はミラクル・バス所属)。「シンフォギア」の楽曲の中でもクラシックの基盤があるシンフォニックな曲を書かれていたのでいつかご一緒したかったんです。最後にカデンツァ(即興による歌唱)を入れたいという私のリクエストにも応えてもらいました。
── なるほど。Evan Callさんはバークリー音楽大学で、映画音楽の作曲を学ばれた方なんですよね。そして作詞は、只野菜摘さんですね。 高垣 水島精二監督のTVアニメ「はなまる幼稚園」に柊役で出演させていただいて、オープニングテーマやエンディングテーマのいくつかを柊として歌わせていただいたんですけど、その中に第2話のエンディングテーマ「キグルミ惑星」という、プログレッシブで変則的な曲があったんです。その歌詞を書かれたのが只野さんで、Evan Callさんの曲にも合うんじゃないかと思って、オファーさせていただきました。私の好きなようにやっていいよと言われたシングルだったからこそ生まれた、出演作品での出会いが新たに生んだ1曲になりました。
── これもまたインパクトがある楽曲でした。続く8曲目の「3 leaf clover」はがらりと曲調が変わりますが、「愛の陽」のカップリング曲だったんですよね。 高垣 「3 leaf clover」は、「Radiant Memories」の収録曲の中で唯一、シングルのカップリングだった曲です。今回の選曲は、私と音楽制作チームとマネージャーさんの意見をすり合わせて決めたんですが、この曲はスタッフ陣からの人気が高かった曲でした。
── 作詞がmavieさん、作曲が川崎里実さん、編曲が清水哲平さんという座組です。川崎さんはエバーグリーンな、爽やかな楽曲を作る方というイメージがあるんですが、まさにそういう曲ですね。 高垣 いくつかの候補曲の中から、川崎さんの曲に激惚れして選ばせていただきました。「愛の陽」が壮大なので、カップリングの方は構えずに聴けるナチュラルな曲がいいなと思って。完成後には、mavieさん、川崎さんと一緒に食事に行って「3 leaf clover」女子会をしたりして、楽しかった思い出もあります。
──「愛の陽」との振り幅の大きさがすごいです(笑)。では、先ほども話題に出た10曲目の「縁」について。どのような思いで、作詞・作曲されたのでしょうか? 高垣 「ソプラノ」を経て、自分の音と自分の言葉で伝えたいという想いが大きくなって、2ndアルバム「individual」のときに「できるかどうかわからないけれど、やってみたい」と作詞・作曲に志願した曲です。まもなく30歳を迎えるという自分の人生の節目の時期でもあって、新しいことにチャレンジしてみたいと思いました。今まで私に関わってくださった方々、そしてファンの皆様への感謝の気持ちを全部ここに詰め込んだ曲です。アレンジは、スフィアのライブでもお世話になっていて、ソロのコンサートではバンマスを務めてくださっている籠島裕昌さんにお願いしました。
── 人とのつながりを大事にする高垣さんらしい曲だなと思いました。 高垣 ある曲で生まれたご縁が次の曲につながるというご縁がいくつも生まれて枝分かれしていって、たくさんの楽曲が紡がれてきたのが私のソロ活動で、そこにはファンの方とのご縁も含まれているんだよという思いから、ストレートに「縁」というタイトルにしました。
── 作曲はいかがでしたか? 高垣 この曲のためにキーボードを買って、「さあ、やるぞ」と気合いを入れました(笑)。作曲してみると、自分の中から自然に生まれてきたメロディがあって。作詞で悩んだときはmavieさんに連絡して、「こういう気持ちを書こうと思ったんですけど、2パターンできちゃって、どっちがいいと思いますか?」とご意見をうかがって、助けていただいたりしました。Blu-rayには、3rdコンサートツアー「individual」のときの映像が入っているんですけど、このときは自分でピアノ弾いて歌っていて。私のピアノの先生が籠島さんだったんです。夜遅くに事務所のスタジオに来てくださって、練習に付き合ってくださいました。
── そう、Blu-rayには高垣さんの弾き語りによる「縁」が収録されているんですよね。このときの思い出については、絶対に聞きたいと思っていました。 高垣 「縁」のコンサートでの弾き語りはきちんと映像に残っていないので、この曲だけイレギュラーでコンサートのメイキング映像を収録しました。私がピアノを弾いている舞台袖では、籠島さんが涙を浮かべながら見守ってくださっていたそうです(笑)。