渕上 舞インタビュー 2ndアルバム「星空」&「魔術士オーフェン」主題歌シングル「操り人形クーデター」同時リリースで活動3周年を華やかに彩る

2021年01月26日 12:000

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歌っている本人からも出る必死さが作品と重なって


── アルバムと6thシングル「操り人形クーデター」の同時リリースとなりましたが、制作はどのように進めていきましたか?

渕上 アニメ(「魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編」の ED 主題歌)との兼ね合いもあり、シングルのほうがかなり早めにレコーディングは進めていっていて、カップリングはアルバムと同じくらいのタイミングで2020年の初夏ぐらいから進めていきました。

── 同時リリースは当初からの考えだったんでしょうか。

渕上 結果的に、ですね。シングルを出すことは決まっていて、その後でアルバムも出す話が運ぶ中で「アーティストデビュー3周年を華やかに彩るために同時にリリースはどうか」という話をいただいて、より盛り上がりもあるかなと思い、このような形を取っていただいた次第です。

── 「操り人形クーデター」の楽曲を受け取っての印象はいかがでしたか?

渕上 何曲か候補をいただいたのですが、迷いなく選ばせていただきました。曲の始まりからサビの部分のインパクトに加え、頭のなかでメロディを再生しやすいし、構成のわかりやすさも、とても気に入っています。「オーフェン」のエンディングとして流れるときに、キャッチーな音のほうが映えるんじゃないかな、というところで選ばせていただきました。

── 歌詞はどのように想起されましたか?

渕上 アフレコもまだ始まる前だったので、絵コンテを参考にしながらストーリーを追いつつ、印象に残った言葉や情景を拾っていきました。今回のストーリーにはオーフェンの葛藤だったり、ピンチに陥るシーンがあったので、クライマックスに向けての表現を歌詞で表現しつつ、私自身の好みや好きな世界観をミックスしながら歌詞を書かせていただきました。なので、まるっと「オーフェン」というよりはこの世界観を描きつつも、自分の好きな情景をメロディに合わせて紡いでいった、という感じですね。

── 渕上さんの好きな世界観が出たところというのは?

渕上 まさにタイトルの操り人形です。「オーフェン」の序盤から出てくるんですけど、ボス的な敵が、人間ではない形をしています。それを見た瞬間に「なんか、これ好き」と思って。人のいなくなった寂れた劇場とか、サーカスとかピエロとかのちょっと陰りのある雰囲気や、魔術とかもモチーフとして好きなんです。これとは別に、いつかやりたいテーマとしてピエロで白塗りというのがあったので、今回「オーフェン」のダークファンタジーな雰囲気と相まって、筆を進めるのがとても楽しかったです。

── ミュージックビデオではまさにそうなってますもんね。

渕上 そうなんです。夢がかないました。今回、ビジュアル的なところではかなりいろいろリクエストさせていただいて、思った以上に上手にできていて気持ち悪かったです(笑)。撮影のときも、「怖すぎる」ということで、NGが1回入ったぐらいです。「あんまり人間の温かみを感じられない」と言われて生きてきたんですけど、ここでそれが発揮できてよかったです(笑)。

── 人形を操る側も1人2役で演じられて、こちらは邪悪な感じを出していますね。

渕上 悪いサーカス団の団長みたいな悪女になりきって演らせていただきました。映像を見たら「私ってこんな笑い方するんだ、怖い」と、自分の知らない自分を見ました(笑)。口角がめちゃめちゃ上がって「笑ゥせぇるすまん」みたいな笑い方で、でも今回はそれで大正解なのでお気に入りです。今回ビジュアル的なものもいろいろこだわってくださっています。セットはもちろん、体の関節の部分に紐をつけるにしても、みなさん大変な思いをしてくださったり、ヘアメイクや衣装さんも含め本当にみなさんのプロの仕事を見ました。マリオネットのほうは頭がフルウィッグで、メイクは人間の生気をすべて消していくという珍しいメイクでした。肌の上にブルーの粉を乗せるという技術で血色をなくしていったのですが、これは本来、夏にちょっと透明感を出すためのもので、それを全面に塗ることで人間の血色ややわらかさをなくしていく。とても面白いなあと思いました。


── レコーディングの様子を教えてください。エモさが非常にありつつ、難度も相当だったのでは?

渕上 かなりパワフルな楽曲ではあるので、大変は大変でした。ただ、あえて大変なほうに持っていったところもありまして、「キーをもうちょっと落としたほうが歌声も安定するし、より重厚感が出るんじゃないか」という話もあったんですけど、逆に落ち着いちゃって歌いづらいなという部分があったので、そのまま進めました。高音のファルセットが入ってきて挫折しそうになりながらも頑張りました。歌詞の内容もそうですし、今回、オーフェンの戦いも激化してピンチにも陥ったりする場面が多いので、そこは歌っている本人からも必死さが出るくらいのほうが楽曲としても雰囲気は保てるかなと。そういう意味では大変なレコーディングでしたし、ライブで歌うときも大変だとは思うんですが、頑張ります。

── もう1曲カップリングのほうの「追想Colors」はファンクな楽曲ですね。こちらはいかがでしたか?

渕上 すごく好きです。「操り人形~」が重く必死に歌うのだったら、気取って軽く歌う感じ。歌っていてなりきれる感じも好きでした。当初はこの曲も私が歌詞を書く想定だったのですが、曲と一緒にいただいた1コーラス分の歌詞が好きすぎて、「これをフルに展開してほしい」というお願いをしました。

── どこが気に入ったんですか?

渕上 「今日のジャムはブルーベリー?」というひと言がとても好きで、どこか自分らしさも感じられ、ちょっと気だるげな感じで、映像も浮かんでくる。頑張ってないけど頑張ってる感じがすごい好きでした。きっとこのカップルはいつまでたっても結婚しないんだろうなあ、っていう雰囲気が。

── 欠けてるマグカップとか生活感がリアルですよね。

渕上 アルバムの「Meteor」もそうだったんですけど、リアルすぎるリアルなワードって渕上舞が書くとなると出てこないなと思っていて、でもそのリアルさがすごく好きだったりもします。夢とか希望とかにあふれてない感じが、すごく刺さるんですよね。2番の「いいねって何気なく言ったキャスケットはまだ吊るされたまま」なんて、悲しすぎると思うんですけど、それが歌っていて最高に気持ちいいです。

── ファンクのリズム感はいかがでしたか?

渕上 聴いている分には好きだし、口ずさむのも好きなんですけど、しっかり歌うとなると譜割りが難しいので、なかなか口が回らなくて「歌えてるかな?」という不安はありました。慣れないリズムではありましたが、ちゃんと歌えるようになると、それがハマって気持ちいいので、ぜひみなさん覚えて一緒に口ずさんでほしいですね。口ずさんで心地のいい歌詞ではないですけど(笑)。楽な気持ちで聞きつつも乗れるという、アンバランスだけれどもその感覚が新しいなと思いました。

── そしてアーティスト活動3周年というタイミングで2枚同時発売されることへの思いと、2021年4月24日の「渕上 舞 3rd LIVE “星空”」への意気込みを教えてください。

渕上 まずはこうした機会を与えていただけたことに深く感謝をしています。皆さんのもとには新曲たちが8曲も届くということで、こういう時期だからこそ、お家にいる機会や時間にゆとりのある方もいらっしゃると思いますので、ゆっくり聞いていただいて、しっかり覚えていただいて、一緒に歌ったりできたら楽しいんじゃないかなと思います。ライブに向けて、現段階ではセットリストや舞台や衣装の相談も始まっていて、開催に向けて進めております。無事に開催できることを願うばかりではありますが、予定を空けておいてもらえたらうれしいなと思っております。その後も変わらず活動していけるように、これからもがんばっていきたいと思いますので、ぜひぜひ応援していただけるとうれしいです。


(取材・構成/日詰明嘉)


CDデータ


■2ndアルバム「星空」

【初回限定盤】4,800円(税別)

レーベル:バンダイナムコアーツ/2021年1月27日発売


【通常盤】3,000円(税別)

レーベル:バンダイナムコアーツ/2021年1月27日発売



〈収録曲〉
01.廻り廻る奇跡
02.予測不能Days
03.Rainbow Planet
04.Meteor
05.恋なの?
06.揺れるMoonlight
07.リベラシオン
08.Love Summer!
09.バレンタイン・ハンター
10.QT Show
11.Crossing Road
12.星空

・初回限定盤 同梱Blu-ray収録内容
「渕上 舞 2nd LIVE "Journey & My music"」

1.BLACK CAT
2.フラミンゴディスコ
3.アイTACTICS
4.雪に咲く花。蜃気楼。
5.ラララ~君へ贈る歌~
6.部屋の窓から見る花火
7.ファインダー
8.Cute♡Appeal
9.Beautiful Sunday
10.Migratory
11.バレンシアガール
12.リベラシオン
13.Fly High Myway!
14.Journey
En1.Rainbow Planet
En2.Good morning!Hello?Good bye.
En3.トロピカルガール


■6thシングル「操り人形クーデター」(TVアニメ「魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編」ED主題歌)

1,200円(税別)

バンダイナムコアーツ/2021年1月27日発売


〈収録曲〉
01.操り人形クーデター
02.追想Colors
03.操り人形クーデター(Off Vocal)
04.追想Colors(Off Vocal)

画像一覧

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放送日: 2021年1月20日~2021年3月31日   制作会社: スタジオディーン
キャスト: 森久保祥太郎、大久保瑠美、小林裕介、鬼頭明里
(C) 秋田禎信・草河遊也・TO ブックス/魔術士オーフェンはぐれ旅製作委員会

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放送日: 2020年1月7日~2020年3月31日   制作会社: スタジオディーン
キャスト: 森久保祥太郎、大久保瑠美、小林裕介、水野麻里絵、渕上舞、浪川大輔、日笠陽子、伊藤静、坂泰斗、安田陸矢、前野智昭
(C) 秋田禎信・草河遊也・TOブックス/魔術士オーフェンはぐれ旅 製作委員会

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