「今あるものはすべて注いだ」渕上舞 ソロデビューアルバム「Fly High Myway!」インタビュー

2018年01月23日 12:000
「今あるものはすべて注いだ」渕上舞 ソロデビューアルバム「Fly High Myway!」インタビュー

「ガールズ&パンツァー」(西住みほ役)、「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」(イオナ役)など、人気作品でクリアなボイスを響かせる声優・渕上舞が、声優活動10周年を迎えた今年、待望のソロデビューを飾った。いきなりのアルバムデビューで、半数が本人による作詞というバラエティ豊かな楽曲陣。その作り方の様子をうかがったところ、「明日から頑張る」といった彼女のパーソナリティーが出てくるところもあれば、涙ながらに思いを形にしたものもあり、過去の自分に向き合う曲もありと、実に本人の色が濃く表れた1枚になった。これまでのキャラクターソング関連の活動を追いかけてきた人も、演じるキャラクターでしか彼女を知らなかった人も、このアルバムで渕上舞本人による表現に触れてほしい。


「やる必要はない」と思っていた歌手活動を始動させた理由


── まずは歌手デビューに至った経緯やその思いについてお聞かせください。

渕上 もともと歌が好きで、声優を目指すきっかけになったのも水樹奈々さんだったということは、さまざまなところでお話ししていたのですが、声優としての歌手活動については、「やる必要はなくなったかな」というところに自分の中では落ち着いていたんです。

── それはまたどうして?

渕上 これはすべてまったくの私の思い込みだったのですが、ソロアーティストとして活動することによって、数字の評価がついて回ってそれでイメージされることが好きではなかったり、あとは「やらされる」んだったら、やりたくないなと思っていました。たとえば、私は青が好きなのにピンクのドレスを着て歌いなさいと言われたら、それは嫌で。もし10年前であればそれもアリだったかもしれないですけれども、声優として10年やってきて応援してきてくれた皆さんの中でもイメージができてきた中で、それを壊してまでやる必要はないんじゃないかと思っていたんです。

── 逆に言えば、今回の活動がスタートできたのはそうした渕上さんの思いを汲んだ形で活動ができるとかなったからですよね。

渕上 はい。私が好きなものややりたいことを、聞いてくれる環境ということに巡り会えたというのが、やりたいと思うきっかけの大きなポイントだったと思います。声優として10周年を迎えていろんな心境の変化だったり、仕事に慣れてきたところもあったりして、自分の名前で何かものを残せたらいいなという願望がじわじわと湧いてきて。そういう話をスタッフやマネージャーと話していく中で、やりたいなという希望にだんだんと傾いていったので、アーティスト活動をやらせていただけることはすごくうれしかったです。大げさですけれども、声優として生きてきた証を残せる機会をいただけたということはすごく感激でした。まったく知らない世界に足を踏み入れて、改めて新しいことをやるとなったときにどうなるんだろうという好奇心もありました。

── いわゆる不安といったことは感じられましたか?

渕上 もちろんです。 やりたいことができたり話を聞いてもらえる環境になったとはいえ、いざ始まってみると「わからないことがわからない」状態というか。あんなに偉そうに、「やりたいことをやらせてもらえるのなら」と言っていたクセに、いざその場になってみると何もアイデアが出てこないことの焦りもありましたし、私から提案をさせていただけるとはいえ、初めてなので、どこからがちゃんとした提案で、どこからが相手の仕事の領域に踏み込むワガママになるのかといった線引きもわからず、制作の序盤ではイマイチ踏み込めなかったということもありました。でもそこをうまく汲み取ってくれるスタッフに支えられて不安が解消され、後半の方は私自身も表現者であると同時に1制作人としての実感が得られるようになりました。ホントにみんなで作った1枚と言えますね。

── デビューからいきなりフルアルバムで、そのうちの半分も作詞されているという思い切った形ですね。

渕上 元々は自分が作詞をするつもりはなかったんです。アルバム表題曲の「Fly High Myway!」も、このアルバムで何曲か歌詞を書いてくれている結城アイラさんが作詞をしてくださっていて、それも素敵な歌詞だったのですが、私が選ぶ言葉ではない部分だったり微妙なところでしっくりこない部分があって、自分で書いてみたんです。表題曲だし、下手くそなりにでも自分の言葉で書いた方がみなさんに伝わるんじゃないかなと思って。アイラさんもせっかく書いてくださったのに、気を悪くされたらどうしようと思いながら会議のときに必死の思いで恐る恐る告白をしたら「舞ちゃんが書けるんだったら絶対に書いたほうがいいから、私のことは気にしないでこっちを絶対使ったほうがいい」と笑顔でおっしゃってくださいました。ほかのスタッフも「なんだそんなことか」くらいの感じで広い心で受け止めてくれて、そこからトントン拍子でほかの曲も書くという流れで、気づけば半分を作詞することになりました。

── その表題曲 「Fly High Myway!」の全体像作りをうかがいたいと思います。これは「My=舞」という名前を入れつつ、デビューにあたっての心境が歌詞に書かれていますね。

渕上 はい。最初はいろいろ考えたんですよ「ビギニングなんとか」とか、「Fly High Away」だったりして。でも最初だし、ちょっとベタにみんながやっているような名前を混ぜることもやってみたくて(笑)。思う存分楽しんでいるのですが、初めてのことをやるにあたって、不安もあるけれども高く飛べるといいなというところで、「Fly High Myway!」になりました。歌に関してはすごく爽やかな曲で、これが最初のレコーディングだったので大変でした。普段はキャラクターソングで結構しっとりとした曲を歌う機会が多かったので、こういった明るく爽やかな曲調はあまりなじみがなく、しかもこれがメインの歌になるという緊張や意気込みも相まって、収録が終わった後はすごくぐったりしました(笑)。そこで「残り11曲」と言われたときは、「うわ~」っとなったことをすごくよく覚えています(笑)。よい疲れではあったんですけれども。

── Dメロの「憧れがなかった訳じゃないんだけど一歩踏み出すのが怖かったんだよ(中略)さあ 勇気を出すよ 全力で助走つけて」という歌詞は、渕上さんのデビューに対する思いととらえてよろしいでしょうか。

渕上 それもあります。これはすべての歌詞で意識したことですが、自分自身を投影する流れと、全体のテーマを鳥ということに決めていたのでそのイメージでも取れるように書かせていただきました。この曲で言うと、歌をやっていくことに対しての不安とか、やりたいという思いを込めた部分と、鳥籠に飼われている鳥が普段何を思って過ごしているのかという想像を重ねて書いた感じです。

── 最後の「戻れないの……かもね」の「かもね」というのはどういう意味でしょうか?

渕上 まず鳥のほうでいうと、一般的な話として鳥って逃げてしまったら99%帰ってこないそうなんです。チェルシー(渕上さんが飼っていたセキセイインコ)も一度逃げたことがあって、警察に行ったときにそう言われました。犬だったら気づくけども、鳥がその辺に飛んで来ていても気づかないし、捕まえてもそのまま別の人に飼われてしまうこともありますし。だから、最初は1回飛び出したら戻れない覚悟だよということを言いたかったのですが、ウチのチェルシーは戻ってきたので、その1%というのもあるんだよという意味での「かもね」と。私自身のほうで言うと、始めたとはいえこの先、止めることがないわけではないし、一生続けなくてはいけないわけではないという自分への暗示というか……。プレッシャーになってまで続けてもお客さんに楽しさを届けることができないから、そうなったときは「かもね」の気持ちを残しておくという意味でもあります。

── 崖っぷちに立つことで能力を発揮する人もいれば、ある程度の安全弁があったほうが安心して活動できる人もいて、それぞれですからね。

渕上 そう。私、後者のほうだと思うんですよね。焦っちゃうとあまりよくないタイプ。そういう意味も込めて「かもね」を置きました。

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