渕上 舞インタビュー 2ndアルバム「星空」&「魔術士オーフェン」主題歌シングル「操り人形クーデター」同時リリースで活動3周年を華やかに彩る

2021年01月26日 12:000
渕上 舞インタビュー 2ndアルバム「星空」&「魔術士オーフェン」主題歌シングル「操り人形クーデター」同時リリースで活動3周年を華やかに彩る

「全部自画自賛モード」という大きな自信をうかがわせる声優アーティスト渕上 舞。活動3周年を迎えるタイミングで2ndアルバム「星空」と6thシングル「操り人形クーデター」を同時リリースした。この2作の制作模様を聞いた。

大変な思いをしている方に伝えたい、「がんばらなくていい」


── 新作の2ndアルバムのタイトルは「星空」。渕上さん、星空はお好きですか?

渕上 舞(以下、渕上) 好きです。もともと夜型の人間で、人生はたぶん夜のほうが長く生きていると思います(笑)。ラーメン屋さんでアルバイトしていたときも夜10時から働いていたので、出勤途中に夜空を見上げたりして、夜の景色を見ながら過ごしているほうが長いと思います。

── アルバムの新曲は夜をテーマにした曲が並べられています。これはどのような理由から?

渕上 打ち合わせで「どんなテーマにしますか?」となったときに、前作のミニアルバム「Journey & My Music」の表題曲である「Journey」という楽曲の「次は星の海を渡ろう」という歌詞からインスパイアを得ました。そこで「“次は”と言っているのだから、これ以外はむしろあり得ないんじゃない?」と、今回の打ち合わせのなかで提案をさせていただきました。そこから、いろんな場所から見た星空というものを新曲で彩っていけたらいいよね、というところで表題として「星空」というダイレクトなタイトルの楽曲を作っていきました。まとまりのある1枚になったと思っています。

── 「Journey」の歌詞を書かれたときに、その先まで想像されていたんですか?

渕上 それはまったくありませんでした。「Journey」は、自分自身のアーティスト活動だったり声優活動だったり、子どもの頃から思っていたこととか、生きてきた思い出みたいなものを書いた形でした。「次は星の海を渡ろう」という言葉は、たまたま情景として思い浮かんで出てきたものでした。その後に2nd LIVE「Journey & My Music」の際に、先ほど述べたことを半ば冗談のように話していたのですが、その段階の頃から漠然と思ってはいました。

── 楽曲はどんなふうに揃っていったんでしょうか?

渕上 今回はシングル曲が入っていることもあり、音楽としてのバランスを取りながら考えて選んでいきました。そのなかで自分の希望を伝えたり、皆さんからご提案をいただくなかで決まった6曲です。

── そのうち3曲をご自身で歌詞を書かれています。その判断は曲を聴いてから決めたんですか?

渕上 そうですね。楽曲を聴いて箇条書きで書き出して、なんとなくのテーマを決めたうえで、「これは自分で書きたい」と言ったり「書いたほうがいい」と言われたり、ほかの方にお願いしたほうがいいと言うこともありました。

── これはmiccoさんの作詞ですが、1曲目の「廻り廻る奇跡」の内容は、まるで渕上さんが書かれたかのような内容でした。

渕上 私もそれが素敵だなと思いました。「Journey」の曲を聴いて歌詞を読み込んだうえで書いてくれているので、「Journey」に出てきた「四つ葉のクローバー」といったモチーフを繋いでくれていますし、最初に申しましたこのアルバムコンセプトのきっかけである「星の海を渡ろう」から、この曲に繋がることで感慨深さを覚えます。

── この曲を含め、渕上さんの曲にはストリングスが入ることが多いですよね。

渕上 音楽的な知識や用語に疎いもので表現しづらいのですが、私自身、ストリングスの音を美しいと思いますし、優雅な気持ちにもなれます。制作してくださっているスタッフさんたちがおっしゃるには、私の声にとても合っているそうなんです。自分自身では今までそんなことを気にかけたことはなかったのですが、声質によって楽器が合う、合わないというのがあるみたいですね。

── 「星空」ではrionosさんがストリングスを担当されています。

渕上 星空というと、壮大なイメージがありますが、それを小さく美しくまとめて、それをアレンジによって表現してくださっている。音楽って本当に無限大だなと思いました。空間としては広いけれども、対象はひとりに向けて歌っているような印象というか。

── スポットライトのように。

渕上 そうですね。それが「星空」という楽曲で伝えたいことにもマッチしていて、素敵な1曲になったなと満足しています。この曲は初めて聞いたときと、楽器が入ってレコーディングをしたときと、完成したときではどんどんイメージが変わっていった曲でした。とくにエンディングに向かっていくところの、余韻があるんだけどスパッと終わる感じとか、完成品を初めて聴いたときに「すごい。全然変わった」と思いました。それもあって「あの終わり方なら絶対最後に置くしかないね」と決まったりとか、大きく変化を遂げた楽曲です。

── 「星空」の歌詞を書くときはどんな思いを?

渕上 「Journey」からの続きということもあって、アーティストとして3年、現状自分が思ってること、旅の続きの通過点みたいなものを表現できたらな、と思いながら書きました。私はデビューさせていただいたときから変わらず、みんなに「がんばらなくてもいいよ」と歌い続けているのですが、そんな歌詞がこの曲にもあります。「抱えきれなくて荷物をそっと下ろす」なんてまさにそれで、憧れとか大事なものは、みんなそれぞれにたくさんあって、大事にしたい気持ちもわかるのですが、人にはキャパシティがあるので、いい意味で取捨選択していったほうがよいと思うんです。あぶれちゃったものは自分の力不足ではなくて、自分に必要ないものだったんだと思えたら、どんなに楽だろうかという思いを伝えたい。そんなにがんばらず、もっと楽に生きていこうよというメッセージも込めているのですが、これは人に伝えるというよりも、なんとなく自分自身に言い聞かせたいことだったのかもとも思います。

── 渕上さんご自身でもそう思われたからこそ出てきた言葉だったんですね。

渕上 私もあまりがんばるのは得意ではないんですけど、と言いながら、ちゃんとできないと嫌だったり、すごく矛盾している人なんで(笑)。適当に生きているつもりで、全然適当に生きられていないから、もっと適当に生きればもっと楽なのに、というところを言い聞かせたいし、みんなにもそう思ってほしい。特に今は本当に大変な思いをしている方たちであふれていると思うので。人に言われたほうが楽なことってあるじゃないですか。他人事だから言えるとか、他人事として言われたほうが響くというのはたぶんあると思うので、そういう立ち位置でみなさんに寄り添えたらな、という思いで歌詞を書かせていただきました。

── 「星空」はミュージックビデオも撮影されましたが、その様子はいかがでしたか?

渕上 朝の6時半ごろに集合して22時半に終了という長い1日でした。スタジオ撮影の後、バスで湾岸のほうに移動して歩きを撮って、最後に夜の浜辺で撮るという、ちょっとした遠足気分で楽しかったです。気候にも恵まれて、秋の暖かい日に当たってよかったです。

── 渕上さんに寄り添い横顔を映すカットも多かったですね。

渕上 デートシーンのように撮っていて、監督が横からいろいろ話しかけてくれて、その内容はだいぶくだらないことばっかりなんですが、そのときに漏れる笑顔が意外とナチュラルになっていて、自分自身で映像を見たときも、ちょっとキュンとしちゃいました。「めっちゃかわいく笑うやん、この子」って(笑)。

── 最後に浜辺で夜空を見上げるシーンがありました。渕上さんには何が見えてましたか?

渕上 リアルに星がきれいでした。何を考えることもなく、ただただ「本当にきれいだな。よかったな」と。自然現象という、人間がどうにもできない美しい空間にいるときは、何も考えないんだな、と感じました。子どもみたいな感想なんですけど、それが人間として感じるものなんだろうなと思って。悩んでふさぎ込むと海に行くのって定番じゃないですか。でもそういうことなのかなと思いました。自然と何も考えない空間になる。だからこそ癒されるだろうなって。


── 続けてご自身の作詞曲をうかがいます。「恋なの?」は、とてもアッパーな内容ですね。これまでも渕上さんにはアーティスト活動を始めてからポジティブな力が増したことをうかがってきましたが、この曲はとくにそれが全開ですね。

渕上 女の子が恋したときの、何でも楽しいみたいな、世界がピンクに見える感じというか、ハイになっている状況を書けたらいいなと。たぶんこれが一番スピーディーに書けました。ちょっとテンション上がってるからこその言い回しも、かわいくできたのかなと。今回のアルバムは、この曲に限らず全部自画自賛モードが多いんですけど、それだけ満足できる曲たちになったのかなと思います。

── レコーディングも楽しかったでしょう。

渕上 そうですね。歌うときもとても楽しくて、レコーディングまでにちょっと時間があって、けっこう歌い込んでいたのでスムーズに進みました。そのときのちょっと面白い話として、レコーディングの際に、とあるスタッフさんが恋をしているとのことで、まさに彼がこういう恋の始まりのワクワク感モードだったんです。「恋なの?」を聴いたら「心に染みます」とおっしゃっていて(笑)。どちらかと言うと女性に好きになってもらえたらうれしいな、という楽曲のつもりで書いてたんですけど、「男性でも女性でも関係ないんだな」と思いました。レコーディングの時点でもうそれが実証できたのでちょっとうれしかったですね。

── もうひとつの作詞曲「揺れるMoonlight」はいかがでしたか?

渕上 今回ナンバーワンに好きな楽曲で、雰囲気、メロディ、そして歌詞、最高にできたと思います。「いやー、私が書いた歌詞がよすぎる」って言いながらブースに入っていきました。「そんなこと言う人なかなかいないです」と言われながら(笑)。

── 何によってそんなにいいものが生まれたんですか?

渕上 楽曲の雰囲気がまず、すごく好みです。歌詞もちょっと悲しいとかつらいとか、葛藤みたいな感じはありつつも、情景としては美しいというのが一番好きなんでしょうね。もともと楽曲を聴いたときに、海に溺れ沈んでいく映像が頭に浮かびました。そのときに「海の中から見た星空にしよう」と決めて、だから「揺れる」なんです。最初のほうは月明かりが水面を照らし、きれいな深いブルーに月の白が映えて、という感じなんですけど、夜の海なのでそのまま沈んでいくとだんだん光も届かなくなって、しまいには音も聞こえなくなるという状況。この美しいからの暗さというグラデーションを描いてみたかったんです。

── こちらのレコーディングはいかがでしたか?

渕上 これまた裏話があるんですけど、レコーディングのときにプロデューサーに「渕上さん、これはイケない恋の歌なんですか?」と言われて、「え?」と(笑)。私の意図としては先ほどのとおりなのですが、「もがいたって抜け出せない」とか「何も見えない聞こえない」という歌詞を、悪い男に捕まり、好きになっちゃった、どうしようもない状況の表現としてとらえたようで。自分がそう思わずに書いた歌詞でも、人から言われたひと言でイメージがガラッと変わることってあるんだなと思いました。そうしたら、そのテーマにしか思えなくて、私自身もそのつもりで歌いました。それはそれですごく好きです。

── プロデューサーが「こういう解釈でいこうよ」というわけでもなく、なんとなく軽くおっしゃったことが。

渕上 そうなんです。「これはそうなんですか?」って逆に聞かれるというか。「そういうつもりじゃないんですけどね」と言いながら。

── でもそこで当初のプランではなく、それを受け入れて歌われたのは何でですか?

渕上 「あ、確かに」って思っちゃった(笑)。だんだんいけない恋に溺れていっちゃって、最後は、それはそれで開き直っちゃった感じになりました。アルバムの曲順としては、「恋なの?」の次には絶対「揺れるMoonlight」を置きたいと主張しました。恋しちゃったけどよくない人だったんでしょうね、きっと。

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