「ラーメン大好き小泉さん」セトウケンジ監督インタビュー 「小泉さんのために太ったことが誇り」

2018年06月16日 18:000

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ラーメンは一期一会


── 音楽面ではエピソードの間に流れるジングルもかわいらしくて記憶に残りますね。

セトウ ジングルはエピソードを区切るために必要でした。本来は声優さんにやってもらう予定ではなかったのですが、「皆さんに声を当ててもらったら面白くなりそうだな」とその場でしゃべってもらった音声を使っています。

── 第2話では中本の白根誠社長がアフレコに挑戦しました。どういった経緯で起用されたのでしょうか?

セトウ 中本の吉祥寺店へ取材した際に「店員さんは白根社長に似せようと思っています」と広報さんに何気なく伝えたんですよ。そうしたら「それなら社長を出しますよ!」と広報の方がその場で即答してくれたんですよ。「ホントですか」とビックリしたんですけど、渡りに船だなと思って「ぜひお願いします」と伝えました。

── アフレコはどのように進みましたか?

セトウ 私は「白根社長って怖い人なのかな」と内心ビクビクしていたんですよ。テレビ番組で店員を熱く指導している姿が記憶にありましたし、制服もどこか特攻服を感じさせるデザインじゃないですか(笑)。でも実際はとても腰の低い方で「何回もやるんで、どんどん言っちゃってくださいね」という感じで、こちらが恐縮してしまうほどでした。
アフレコも「いらっしゃいませ!」や「こちら北極です」とか、普段のお仕事でも口にするセリフが中心でしたから順調でした。社長も「それならいつもやってるやつだね」とノリノリでしたね。美沙に怒られて「ヒィィ!」とひるむお芝居も、どこか愛嬌があって面白かったです。いつも行く中本の社長に会えたことが感激でしたし、作品にとってもプラスになりましたし。


── 視聴者からの反応はいかがでしたか?

セトウ みんなラーメンが好きなんだなと実感しましたね。そこまで一般層を意識して作っていたわけではないのですが、普段はアニメに触れていない人からも「『小泉さん』見てますよ」と声をかけられました。ラーメンという間口の広さがよかったみたいですね。

── 無事に制作を終えて、どのような手応えを感じましたか?

セトウ 私としては、2017年のラーメン界隈の空気感みたなものを少しでも表現したかったんです。一風堂に取材をしたときに「日本の飲食店は10分に1件潰れている」という話を聞いて、とても衝撃だったんですよ。ラーメンはいつでも好きなときに食べられると思いがちですが、本当はそうではないんです。「小泉さん」に登場したラーメン屋さんの中にも、店主が体調を崩してしまったり、資金繰りに苦労したりと、さまざまな理由で閉めてしまったお店が存在します。
取材を重ねていくうちに、数年後も今と同じラーメン屋で食べられるかどうかもわからない、二度と会えないラーメンもあるんだなと痛感しました。だから今のラーメン屋さんを「小泉さん」で再現しておきたいと思ったんです。そう決めたからには、実際にラーメンを食べまくるしかないですよね(笑)。本放送を見てくれた方はもちろん、のちに作品を振り返ったときも「当時はこんなラーメンがあったんだ」と感じられるように、お店の雰囲気を伝えたかったです。皆さんのお力もあって、その目標はある程度達成できたと思っています。

── 最後にファンに向けてのメッセージをお願いします。

セトウ まだアニメ化していない原作のエピソードはたくさんあるので、チャンスがあったらぜひ2期もやりたいと思っています。あと本編に出てきたラーメンが美味しそうだと思ったら、ぜひ食べに行ってほしいですね。ラーメンは一期一会ですから。私も2期に向けてダイエットして、体を絞っておきます。



取材:高橋克典、日詰明嘉、構成:高橋克典
(C) 鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

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ラーメン大好き小泉さん

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放送日: 2018年1月4日~2018年3月22日   制作会社: Studio五組/AXsiZ
キャスト: 竹達彩奈、佐倉綾音、鬼頭明里、原由実
(C) 鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

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