「ラーメン大好き小泉さん」セトウケンジ監督インタビュー 「小泉さんのために太ったことが誇り」

2018年06月16日 18:000
「ラーメン大好き小泉さん」セトウケンジ監督インタビュー 「小泉さんのために太ったことが誇り」

美少女が人気店のラーメンを食べて、食べて、食べまくる。2018年冬のTVアニメ「ラーメン大好き小泉さん」は、さまざまなラーメンが毎話のように登場し、深夜の「飯テロ」アニメとして視聴者の目とお腹と楽しませた。今回は本作のBlu-ray Discの発売を記念して、セトウケンジ監督にお話をうかがった。本編に登場するほとんど全店舗を巡ったという徹底取材や、ラーメンをアニメで美味しく見せる方法論、そして「ラーメンは一期一会」という考えにいたるまで、「小泉さん」を語り尽くしてもらった。

「小泉さん」は三角関係アニメ?


── まず「ラーメン大好き小泉さん」のアニメ化に関わった経緯を教えてください。

セトウケンジ監督(以下、セトウ) Studio五組の柴田(知典)社長からお話をいただいたことがきっかけです。もともと原作を読んでいましたし、私もラーメンが大好きで、行きつけのお店が出てくることに惹かれました。でも最初は「本当にアニメにできるのかな?」と思ってたんですよ。最近はグルメアニメが増えていますが、ラーメンだけがこんなにたくさん出てくる作品はありませんでしたからね(笑)。まさか1話あたり3杯以上ラーメンを出すことになるなんて、監督を引き受けた当初は思ってもいなかったです。

── 「小泉さん」の魅力をアニメで表現するにあたって、どのようなことを考えましたか?

セトウ 原作は普通のマンガよりページ数が短めなんです。竹書房の編集さんに理由を聞いたら、インスタントラーメンにお湯を入れて待つ3分間で読めるようなボリュームを目指したそうです。だから忠実に映像化するのであれば、ショートアニメがよいだろうと考えていました。結果的には30分アニメになりましたが、尺に合わせてエピソードを何本か挟む「サザエさん」形式であれば問題ありません。そこから原作のエピソードを選んでいきました。

── エピソードはどのような基準でセレクトしたのでしょうか?

セトウ アニメではエピソードの順番を入れ替えて、春夏秋冬の季節感を出そうと心がけました。原作の連載誌である「まんがライフSTORIA」は隔月誌なので、話数順のまま並べてしまうと季節がバラバラになってしまうんです。シリーズ構成の髙橋(龍也)さんと話し合って、四季が流れていく感じを楽しめるようにしています。あと小泉さんが悠と出会って、少しずつ仲良くなっていく距離感も大切にしました。実は「小泉さん」は、小泉さん、悠、ラーメンの三角関係を描いた作品でもあるんです。

── ラーメンとの三角関係ですか?

セトウ はい。悠は小泉さんが大好きなので、いつも一緒にラーメンを食べにいこうとします。言わばラーメンは恋敵ですよね。でも最終話の「再会」では小泉さんが風邪を引いてしまい、2週間もラーメンが食べられなくなる。そのときに悠は「小泉さんとラーメンの再会をじゃましてはいけない」と気付いて、初めて身を引くんです。シリーズの締めとして、悠がラーメンに小泉さんを譲るという構成が一番ふさわしいだろうと思ったんです。まぁ結局は尾行しているので、三角関係にけりが付いているのか怪しいのですが(笑)。シリーズ構成もそれに合わせて、ラーメンを通じて仲良くなっていく感じが出るように、原作からエピソードを入れ替えました。


── 最終話で小泉さんが食べるラーメンは荻窪の春木屋です。第1話のアバンにもさりげなく登場していますが、それはなぜでしょうか?

セトウ 最初と最後に同じラーメンを食べることで、ひとつの作品として話を繋げたかったんです。それに春木屋は昔ながらの醤油ラーメンを出しているお店です。「小泉さん」に出てくる店の中ではかなりの老舗で、ラーメンのルーツとしての側面もあります。作品を締めくくる一杯にふさわしいだろうと思って春木屋に決めました。

── 食事シーンを演出するときに意識したことはなんですか?

セトウ 2015年にスタートした実写ドラマ版の影響は大きかったですね。実写ですから当然、本物のラーメンをそのまま出しています。ラーメンの美味しさという意味では、やはり実物に勝つことは難しいんですよ。「アニメでもラーメンだけは実写にしよう」という案さえあったぐらいです(笑)。アニメではラーメンの魅力だけでなく、小泉さんや悠などキャラクターにもフォーカスを当てて、美味しそうに食べる姿を見せるという方向性にしました。
とくにラーメンのすすり方にはこだわりましたね。実写ではマンガのようにズバッーと一気に食べるのは難しいですが、アニメなら勢いよく食べても汁は飛びませんし、衣装が汚れてしまう心配もありません(笑)。アニメならではの利点がありました。気持ちよくすすって食べた方が美味しく見えるので、咀嚼音のアフレコも工夫を凝らしています。普通のアニメにはないお芝居だったので、声優さんたちも大変だったと思います。


── キャストにはどのような指示を出しましたか?

セトウ 私からディレクションをすることはあまりなくて、皆さん役柄にスッと入り込んでもらえたという印象があります。「小泉さん」のキャスティングは声優さんの素に近いところがあって、演じているキャラクターとどこか似ているんですよ。小泉さん役の竹達(彩奈)さんは大食いキャラというか、お肉が大好物なことで有名ですよね。「Hey! カロリーQueen」というCDも出されていますし(笑)。悠役の佐倉(綾音)さんも、ご自身が好きなものに対して強い愛情を注がれているイメージがありました。

── 前回の佐倉さんのインタビューでは、監督から「大好きな花澤香菜さんのことを語っているときのような感じでやってほしい」とお願いされたとうかがいました。

セトウ はい(笑)。佐倉さんが花澤さんのラジオにゲスト出演されたときに、花澤さんへの想いを熱心に語っていたのを聞いていたんですよ。佐倉さんのテンションが盛り上がっていることが伝わってくるしゃべりっぷりで、「悠そのままじゃないか!」と思ったんです。そこで思い切って、「あの感じでやってください」と伝えました。 でも佐倉さんのパーソナルな部分に踏み込んでしまったので、申し訳ない気持ちもあるんですよ。あれ以来、私を見る目が少し冷たくなった気がしますし……。もし2期が決まったら、初回のアフレコで真っ先に謝るつもりです(笑)。

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ラーメン大好き小泉さん

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放送日: 2018年1月4日~2018年3月22日   制作会社: Studio五組/AXsiZ
キャスト: 竹達彩奈、佐倉綾音、鬼頭明里、原由実、中村悠一、植田佳奈、豊崎愛生
(C) 鳴見なる・竹書房/「ラーメン大好き小泉さん」製作委員会

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