5年間の曲がミルフィーユのように重なった、竹達彩奈のベストアルバム「apple feuille」

新曲は、ファンクラブ「あやな公国」の国歌です

── それぞれの曲に思い出がある、という感じですね。

竹達　特に初期の曲は印象が強いです。1曲1曲が修行だと思っていたので…（笑）。

── たとえば「♪の国のアリス」は、2ndシングルですよね。末光篤さんが作詞作曲を手がけています。

竹達　「♪の国のアリス」もいろいろドラマがありました。この時は末光さんからデモが2曲上がってきて、どちらもいい曲だったんですけど、華やかさで言ったら「♪の国のアリス」かなと。でも、もうひとつの曲もぜひ歌わせていただきたいとお願いして、1stアルバム収録曲の「Yes-No」になったんです。「♪の国のアリス」というタイトルも末光さんが考えてくださったものなんですけど、私にアリスのイメージを抱いてくださったみたいで、「僕はアリス推しです」っておっしゃっていました（笑）。

── 初期に比べると、今は、音楽活動に自信がついてきた、という感覚はありますか？

竹達　いえ、今も自信はないです。開き直ってやってます（笑）。でも、自分なりにやりたいことをはっきりイメージできるようになったとは思います。それを形にできることがうれしいし、制作環境を与えられていることは、本当にありがたいことだなと思っています。

── 自分のアイデアを、ちゃんと言葉にできるようになってきたと？

竹達　そうですね。専門的なことは言えないんですけど、こういう世界観で作ってほしいとか、こういう雰囲気の曲にしたら面白いんじゃないかということは、伝えられるようになってきました。

── 最近の曲になればなるほど、竹達さん自身がやりたかったことが、しっかり入っているということですね。アルバムのラストの曲「apple*colorful*princess」は唯一の新曲ですが、どのように作っていったのでしょうか？

竹達　「あやな公国」というファンクラブを作らせていただいて、その国歌（テーマ曲）として作りました。

── 作詞は竹達さんですね。

竹達　はい。私が公国の姫というキャラクターになったら、どんなことを言ったり、どんな行動をするんだろうと想像しながら、書きました。せっかくの「あやな公国」の歌なので、きれいな言葉、かわいい言葉を並べるだけの歌詞にはしたくないというこだわりがあって…。そういう言葉を歌うのは、私じゃなくてもできるなって思ったんです。

── ファンクラブのテーマ曲ということで、みんなで一緒に作り上げていこうという気持ちが入っていると感じました。

竹達　楽曲自体も、みんな一緒に盛り上がろうというコンセプトで作っていただきました。公国の国歌なので、この先、歌う機会が増えるのではないかと思って、妥協しないで作らせていただきました。

── ファンファーレみたいな音から始まるのも、国歌らしいですよね。

竹達　公国の朝が始まるみたいな、いい感じの音を入れていただけました。

── あの音とともに、姫が謁見に出てくる、みたいな。

竹達　お城での謁見というよりも、「あ、おはよう」って町に出ちゃうという感じですね。それでみんなに話しかけて、さっそうと帰っていくんです（笑）。