TECHNOBOYSとfhánaによる合同ライブがビルボードライブ大阪にて開催! 愛と笑いがあふれるステージに音は響く

2015年10月30日 20:000

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2015年10月4日、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDとfhánaによるライブ「ORB presents TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND × fhána Special Live in Billboard LIVE OSAKA」が、ビルボードライブ大阪にておこなわれた。

 

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND(以下、TECHNOBOYS)とfhánaは、2014年に放映されたTVアニメ「ウィッチクラフトワークス」のオープニングテーマ、エンディングテーマを手がけている。

「ウィッチクラフトワークス」つながりだけでなく、普段からも交流がある彼らだが、2マンライブは今回初。さらにスペシャルゲストとして女性シンガー、ChouChoも出演となり、ステージでどんな化学反応が起こるのか、期待はいっそう高まる。

ちなみに、ビルボードライブ大阪では同じアーティストのライブが同日に2公演行われるのが恒例となっているが、今回も同じく、1stステージが13時30分から、2ndステージが17時00分から開演された。


フロアが暗転し、TECHNOBOYSの3人がライブのメンバーとともにステージに上がる。ほどなくして、分厚いシンセサイザーの音がスピーカーから流れだした。「Visible Invisible」にてライブは幕を開ける。DSD256マルチトラックにてレコーディングされ、話題になった曲だ。松井洋平のギターが薄明かりの場内に鈍くこだまし、石川智久のクールなボーカルが静かに広がっていく。ちなみに、2ndステージではライブ開始前から石川智久が、TVアニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」の劇伴曲をグランドピアノでしっとりと演奏する心憎い演出もあったりと、インパクトのあるライブのスタートだった。



2曲目は、1stステージでは「LOST THIRD」、2ndステージでは「A=A+A’」と異なる楽曲を演奏。どちらも彼らのセカンドアルバム「good night citizen」に収録されているものだが、それぞれのステージで異なる演出を行っていることがわかる。これぞ予定調和とはならないライブならではの楽しさだろう。

 

曲が終わると、続いてスペシャルゲストのChouChoが登場。赤いワンピースをまとった彼女の姿は、さながらジャズクラブの歌姫のよう。黒いスーツに身を包んだTECHNOBOYSのメンバーと共に、ビルボードライブ大阪という上質なステージに、非常にマッチした出で立ちだ。

 

ChouChoを迎えて、まずはTECHNOBOYSの人気曲「LOOP LOOP LOOP」を演奏。ライブでこの曲を演奏するとき、メンバー全員がリズムに合わせながら体を揺らすお決まりのスタイルであるが、ChouChoもこれに加わり、一緒にポーズを初々しく決めるのが印象的だった。演奏は、彼女の声質も相まって、ダンディな楽曲に可憐さが華開く、興味深いアレンジに仕上がっていた。



曲が終わると、MCが続く。大阪出身のTECHNOBOYSにとっては、故郷に錦を飾る名門ビルボードライブでの公演。芸人のごとく滑らかなトークが持ち味の松井洋平が、最初のMCがぎこちなかったわけを告白する。

「いやぁ、家族や親戚が見にきているんで、ちょっと緊張してしまうわ(笑)」

会場に笑いが渦巻く中、同郷のChouChoも緊張がほぐれたのか、徐々に語尾のイントネーションがうっすらと関西風に染まっていく。続いて、ビルボードライブ大阪の音質についての感想が。

「今日のライブは、電源やケーブルが全てORBなので、音が太く、いつもは出るノイズが出ないんだよね」

メンバーの言葉通り、アナログ・シンセサイザーからの音の鮮度が明瞭に表れている。ギターやドラムなどの楽器がライブで演奏されると「生のほうが迫力がある」などといわれるが、電子楽器もこれと同じ。アナログ・シンセサイザーは条件を整えれば整えるほど、一音一音の迫力(いわば”太さ”)が増し、鮮明に聴こえるのだ。そういった傾向がよくわかるビルボードライブ大阪の音質は、電子音楽好きにとっても聴き応えたっぷりのサウンドといえる。



続いて、シングル「ウィッチ☆アクティビティ」のカップリング曲「Saturday Night Witches」では、石川智久のピアノとフジムラトヲルのベースが弾け、TECHNOBOYSの作品ではおなじみの、よしうらけんじのドラムがステージを駆け抜ける。

80年代のテクノポップで聴き慣れた、シモンズの音が所狭しと打ち鳴らされる様子は、実に痛快。会場全体が、そんな週末のパーティー気分に酔いしれた。



「SHaVaDaVa in AMAZING♪」は、TVアニメ「トリニティセブン」のエンディングを飾った4種類のテーマ曲の1つで、アニソン系のクラブでもよくかかっている人気曲だ。2人の声優による声の掛け合いが特徴で、どちらのパートも1人でこなすのは、たやすいことではない。そんな楽曲に、ChouChoがチャレンジ。

「聴いている分には楽しいんですけど、歌うのはちょっと難しいです」

と話しつつも、演奏が始まれば、麗しいスキャットも交えたChouChoの歌唱力の高さに、思わず耳を奪われた。一方で、ファンキーさを増したフジムラトヲルのベースとベース・シンセサイザーの合わせ技も聴きどころ。ポップなサウンドと織りなす、グルーヴ感の高い演奏がとても心地よかった。

TECHNOBOYSは、アナログ・シンセサイザーと最新の機材を駆使したレコーディングに注目が集まり、録音芸術に特化したユニット、と思われている節もある。

しかし、かつてYMOがそうであったように、TECHNOBOYSもまた、メンバーの演奏がライブの魅力を浮き彫りにする、プレーヤーで構成されたユニットなのだと、あらためて実感する。

 

そして、ChouChoのセカンドアルバム「secretgarden」に収録されている松井洋平の作詞、石川智久による作曲・編曲の「kagami」が演奏された。松井が石川にこの曲について尋ねると、「このピアノ弾くの難しいんだよね。作曲したの誰?(笑)」という答えが。

ジャズの公演が多いビルボードライブには、グランドピアノがステージに設置されている。

ジャズやクラシックに精通した演奏家である石川が弾き始めると、静謐な空間に美しいピアノの響きが満ちあふれ、客席からは感嘆のため息がもれる。

ChouChoのひたむきな歌声にそっと寄り添うピアノの音色は、会場の雰囲気にぴったりだ。



ここで告知タイムに入り、ChouChoからは11月3日に開催される「ガールズ&パンツァー オーケストラ・コンサート ~Herbst Musik Fest 2015~」の出演と、11月21日より公開される「ガールズ&パンツァー 劇場版」の主題歌を担当することがアナウンスされる。

続いて、TECHNOBOYSからも、さまざまな発表が続く。なかでも一番のトピックは、TVアニメ「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」の劇中音楽とともに、エンディングテーマのシングル「打ち寄せられた忘却の残響に」をリリースするが、なんとTECHNOBOYS名義ではメジャー初となるシングル。予期せぬメジャー・デビューについて、照れくさそうにしゃべる姿が微笑ましい。

 

ChouChoに代わり、メンバーの旧友、藤原安希夫がボーカル&ギターとして登場。70年代末の西海岸ロックを思い起こす「Highway Boy」を熱唱する。そんな姿を見て、TECHNOBOYSを中心としたさまざまなミュージシャンとの絆の強さを感じた。

 

最後の曲は「Nervous Sightseeing」。TVアニメ「トリニティセブン」のエンディングテーマ「BEAUTIFUL≒SENTENCE」を彼ら自身のボーカルでリカバーしたものだ。ライブ・メンバーの川野勝広と藤原安希夫のギターが折り重なり、ダイナミックなバンドアレンジとなっている。NEW WAVEやエレポップを進化させた、洒落た大人のダンサブルなサウンドが、とても素晴らしいと感じた。

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