【「彼女、お借りします(2期)」特集!Vol.5】「瑠夏の尊さをどうやったら表現できるのか」更科瑠夏役・東山奈央インタビュー&撮りおろしグラビア!前編

2022年07月10日 10:000

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TVアニメ「彼女、お借りします」第2期が、現在、絶賛放送・配信中だ。今回は、更科瑠夏(さらしなるか)を演じる東山奈央さんにインタビューを行った。

「彼女、お借りします」は、宮島礼吏さんによる「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の大人気ラブコメ作品。主人公・木ノ下和也の理想の彼女・水原千鶴は実はレンタル彼女=レンカノで……? という秘密をもった2人と周囲の人々の物語が描かれている。2020年7月にアニメ第1期が放送されて人気を博すと、今夏より待望の第2期の放送が決定した。

 

今回登場するのは強引なところがあるが、和也を想う気持ちは誰にも負けない積極的な彼女(仮)・更科瑠夏役の東山奈央さんだ。

 

 

瑠夏の尊さを、どうやったら表現できるのかというのは考えていました

  

ーー第2期が決まったときの気持ちをお聞かせください。

 

東山 原作も人気で、アニメが始まってからも反響の大きさは感じていて、これは続きを期待してもいいのかな?と思っていたので、それが現実になって嬉しいなと思いました。

それに第2期までの間もグッズが絶え間なく出ていて、そのどれもがかわいかったんですよね! 平山寛菜さん(キャラクターデザイン)の素晴らしいイラストばかりで、人気が出るのもうなずけるなと、いち関係者として思っていました。

 

ーー瑠夏の人気も高かったそうですね。

 

東山 アフレコをしている段階では、ここまで皆さんに愛される存在になるとは考えていなくて。もちろん演じている私は、我が子のようにかわいいと思っているんですけど、やっぱり男性は追いかけたい欲が強いとも聞いていたので、千鶴や麻美のような大人っぽさのある女性がいいのかなって。とは墨ちゃんみたいな守ってあげたいタイプとか。

だから瑠夏みたいに甘えられると冷めちゃうんじゃないかな?って思っていたんです。でもそうとは限らなくて、身近なスタッフさんにも瑠夏を好きな方がいらっしゃったりして、皆さんに瑠夏が愛されているのを実感できると本当に嬉しいなあと思いますね。

 

 

ーーそんな瑠夏の魅力って、どこにあると思いますか?

 

東山 人並みではない情熱を持ち合わせているところかなと思っていて。最初に瑠夏を見たときに、ここまで恋愛に対して馬力を出せるのってすごいなと思ったんです。アフレコのときも、お腹をちゃんと満たして、エネルギー切れを起こさないようにしてからアフレコに臨むくらいパワーがいる子だったんです。

瑠夏のアピールのしかたって、一歩間違えるとかわいいと思ってもらえなくなってしまうというか、そもそも和也は千鶴に思いがあるというハンデがあるところからスタートしているので、そのうえで、これだけ「好き」をぶつけていくと、ちょっとうるさく感じてしまったり、何度も大好きと言っているうちに子供っぽく見えたりするから、紙一重だなと思っていたんです。

それをちゃんとかわいらしく、がっつりアプローチされてもまんざらではないというところに着地できるように気をつけながら演じていました。

 

 

ーーバランスが難しいキャラクターなんですね。

 

東山 瑠夏の猪突猛進さとかわいらしさって、言葉ではうまく説明できないですけど絶妙なバランス感覚が問われる気がするんです。自分でやりながら、ちょっと押し付けがましくなったなって思ったら調整したり、瑠夏の尊さをどうやったら表現できるのかというのは考えていました。

 

ーーディレクションなどもあったのですか?

 

東山 具体的なディレクションをいただいたことはあまりないんです。でも、ちょっとでも油断するとパワーダウンして聞こえてしまうので、瑠夏の持っているエネルギッシュさはしっかり演じたいなと思っていました。そこはときどきディレクションもいただいたところですね。パワフルさに関しては、ちっともラクをさせてくれないなという感じでした(笑)。

 

ーー東山さんもパワフルで元気なイメージがあるのに。

 

東山 確かに私も元気なほうですけど、瑠夏のパワフルさってすごいんですよ! 私もマイク前でパタパタ動きながらやらないと、静かにやっていると瑠夏にならないという感じなんです。あとお当番回のときは結構酸欠になります。そのくらい一生懸命瑠夏を表現しています。

 

 

ーー瑠夏って、けなげだなぁと感じがあって、そこが好きなところなのですが、ライバルが強敵ですよね。瑠夏から見て、そして東山さんから見て、千鶴というキャラクターはどう見えていますか?

 

東山 今の私は第2期の瑠夏を演じ終えているので、千鶴のイメージがアップデートされている状態なんですけど、第1期の頃から千鶴って、強い女性で、どこかかなわないと感じているんですよね……。

私から見た千鶴さんは、実は脆さも持ち合わせて、強い自分で弱さを覆い隠しているから、それを知っていくともっと好きになっちゃうからズルいなぁって思うんですけど(笑)、男性から見てもカッコいい、女性から見ても尊敬できるキャラクターですよね。夢に向かうところもキラキラしていて、探究心があるところや、レンタル彼女としてもプロだけど役者としての姿勢もプロだから、人間としてプロ!みたいな感じがして隙がなさそうなんです。ただ、誰かが支えてあげないといけない人なんだっていうのが第2期だとだんだん見えてくる。

でも瑠夏は、その弱さに気づいてないかもしれないから、千鶴はただただ強くて完璧な女性で、自分は年も若いし、好きという気持ちで突っ走っている自覚もあって、和也くんが惚れるだけの女性だなってどこかで感じているでしょうから、やっぱり比較してしまって苦しいと思うんですよね。

 

 

ーーだからこそ、余計に瑠夏はがんばってしまうというか。

 

東山 どうやったら和也を振り向かせられるだろうっていう焦りが加速していってしまうんですよね。それが限界になったとき、彼女がどんな行動に出るのかは見どころかもしれないですね。

  

 

ーー最初から2番手ポジションというのは、どうなのでしょうね。

 

東山 うーん、そもそも瑠夏が和也に惹かれる理由が、私自身はよくわからなかったんですよね。第1期のときは私、アンチ和也側だったので(笑)。レンタル彼女に対してもこんなに紳士的でやさしいから、本当の彼女だったらもっと大切にしてもらえるのかな、って瑠夏は言っていましたけど、今になってみると私はそれだけではない気もしているんです。恋って落ちるものって言うから、もっと直感的な何かが瑠夏にはあったんじゃないかなって。波長が合うとか、ビビビっと来るとか……言葉にできないけど心に感じるものがあったから瑠夏は和也にドキドキしたんだと思うんです。

ただ、今の瑠夏は、ずっと欲求不満な状態が続いてしまって、最初に感じた好きという気持ちにバイアスがかかっている気もするので、余計につらいと思うんですよね。あまりにも水を与えられなさ過ぎて、「水!水!」ってなっている状態なのかなって思うんですけど……。

 

 

ーー第2期で和也のイメージが変わったというのは、どのあたりが変わったのでしょう?

 

東山 相手を想う気持ちを行動に移すのって、すごく難しいことだと思うんです。独りよがりになってもいけないですから……。でも和也の場合は、相手の役に立ちたい! 力になりたい!と思って動いたことが、ちゃんと相手にフィットしているのがいいなと思いました。それってなかなか狙ってできることではないし、千鶴のことをよく見て正しく考えられていたからこそ、千鶴の求めているものにフィットしていけたのかなって思ったし、相性がいいなと思いました。瑠夏役としてはツラいところなんですけど……。彼女を落としてやろうというのが動機ではなく、力になりたいと脳筋的に動いているところが素敵だなって。

 

 

後編に続く!

(取材・文・撮影/塚越淳一)

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放送日: 2022年7月1日~2022年9月16日   制作会社: トムス・エンタテインメント
キャスト: 雨宮天、高橋李依、堀江瞬、悠木碧、野沢由香里、定岡小百合、赤坂柾之、東山奈央、梶原岳人
(C) 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会2022

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