【「彼女、お借りします（2期）」特集！vol.2】「2期は、舞台の上や中学生時代などいろいろな千鶴を演じることに挑戦！」水原千鶴役・雨宮天インタビュー＆撮りおろしグラビア！【後編】

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TVアニメ「彼女、お借りします」第2期が、現在、絶賛放送・配信中だ。今回は、ヒロイン・水原千鶴を演じる雨宮天さんにインタビューを行なった。

「彼女、お借りします」は、宮島礼吏さんによる「週刊少年マガジン」（講談社）で連載中の大人気ラブコメ作品。主人公・木ノ下和也の理想の彼女・水原千鶴は実はレンタル彼女＝レンカノで……？　という秘密をもったふたりと周囲の人々の物語が描かれている。2020年7月にアニメ第1期が放送されて人気を博すと、2022年7月より待望の第2期の放送が決定した。

今回は前回に続いて水原千鶴役・雨宮天さんのインタビューをお届けする。そのほかの女性キャラの印象から、雨宮さんの一番のファンだというおばあちゃんのお話まで幅広くうかがった。

舞台の上や中学生時代など、よりさまざまな千鶴を演じる2期

──和也以外の女性陣に関して、2期で印象の変化はありましたか？

雨宮　印象が変わったのは（更科）瑠夏（るか）かな。基本的に気持ちのままに動いて、しっちゃかめっちゃかにしちゃうところは変わらないんですけど、2期では瑠夏の気持ちも見えてきした。めちゃくちゃやる奥にある彼女の焦りだったり、つらさだったりが見えてきたんです。彼女が抱えているものが見えると、それは彼女自身がやりたいことではあるけど、ちょっと無理してやっている部分もあるのかな、と思うようになりました。そうするとけなげでひたむきで、いじらしい女の子だなと思うようになりました。

──桜沢墨（すみ）ちゃんはどうでしょうか。

雨宮　墨ちゃんも変わろうとしているのがすごく見て取れると思います。自分で変わりたい気持ちがあるのはもちろん、和也のために、千鶴のために変わろうとして、すごく行動的になっていくんです。小動物的で一見弱そうに見えるけど、本当はすごく強いのがいいところだと思います。

──2期の演技で新しい挑戦になったことはありますか？

雨宮　今までもレンカノモードの千鶴と素のちづるを演じ分けてきたんですけど、2期ではさらに千鶴が舞台で役を演じたり、中学生時代のちづるの過去を演じたりと、いろいろと演じるようになったのは挑戦かもしれないと思います。中学時代のちづるはちょっと態度が悪いんですよね（笑）。

──演技のディレクションなどで印象に残ったものはありますか？

雨宮　素の千鶴を演じる時、私が和也に対して冷たくなりがちだったんです（笑）。だからもうちょっと冷たくならないようにしましょうとは言われましたね。私の中で千鶴の和也に対する気持ちが動いていることがわかるので、その中で千鶴の基準線を保とうとすると逆に冷たくなっちゃったのかな、と思います。自分の感情が入ってくることもあるし、感情も演技も移り変わっていくし、難しいですね。

雨宮天の一番のファンはおばあちゃん！

──千鶴の夢は女優です。雨宮さん自身は実写での演技には興味はありますか？

雨宮　私はあんまりやりたくないです。台詞が覚えられないので（笑）。それに私、動画撮影がすごく苦手で、頭が真っ白になっちゃうんです。

──ミュージックビデオなどでは撮影は慣れたものという印象でした。

雨宮　あー、そうですね！　ＭＶとかだったら平気なんですが、台詞を話したり、コメント動画とかになると緊張しちゃうんですよね。

──雨宮さん自身が声優や役者の夢に向かって踏み出したきっかけってあるんでしょうか。

雨宮　結構勢いだったんですよ。私はアニソンが好きな学生だったんですけど、周りには作品寄りのオタクの友達がたくさんいたんです。仲のいい友達が、沢城みゆきさんがいろいろな役柄を演じている動画を見せてくれて、ひとりの人がこんなにいろいろな声、いろいろなお芝居で表現ができるんだ、かっこいい！と思って声優さんにあこがれるようになりました。私が受けたオーディション（第2回ミュージックレインスーパー声優オーディション）も、その子が見つけてきてくれたんです。私は事務所のこともよく知らないまま一緒に応募しました。だから友達の力と私自身の勢いで踏み出した感じです。

──先ほど和也のことが好きになれなかったポイントとして、おばあちゃんたちに嘘をついているまま状況に流されている点をあげていました。おばあちゃんたちって雨宮さんから見てどんな存在ですか？

雨宮　作品の中でおばあちゃんがこんなに出てくる作品って珍しいと思うんです。和也のおばあちゃんだけでなく千鶴のおばあちゃんまで登場して、２人の関係性が描かれていたり。あのおばあちゃんたちはすごく楽しそうに、好きなようにふるまっているように見えるんですけど、実は和也たちのこと結構お見通しなんじゃないかなと思ったりしますね。包み込んでくれるような大切な存在で、これからどんどんキーになっていくと思うので、一緒に見守ってください。

──雨宮さん自身のおばあちゃんとの思い出ってあったりしますか？

雨宮　最近のことでもいいですか？　この年明けに久々に祖父母のおうちに行ったんです。その時によく来たねってちっちゃいお煎餅を渡してくれて、「おいしい？　何味だと思う？」って聞かれたんです。海老かな……？って答えたら、じゃーんって見せられたのが、こおろぎ煎餅で！　ちょっとびっくりしました。うちのおばあちゃんお茶目なんです。

──おばあちゃんは雨宮さんの出演作品を見たり、感想をくれたりはするんですか？

雨宮　こおろぎ煎餅のおばあちゃんは父方なんですけど、母方のおばあちゃんが私の活動を追うのがすごく好きみたいなんです。だから作品とかも私が見せるまでもなく自分で探して見てくれて、グッズもどこからか手に入れたりしてます。時々感想のLINEが飛んできます。ライブにも来てくれてます（笑）。

──ある意味一番のファンですね！　では最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

雨宮　2期になって、より各キャラクターが掘り下げられて、感情移入をするうちに心が動かされる物語になっていると思います。もともと大好きだった千鶴をより好きになったのも、1期では嫌いだと言っていた和也を好きになったのもこの2期です。ですから皆さんも期待して放送を待っていただけたらと思います。大事なシーンがたくさんあるので、見逃さないでくださいね。

（取材・文／中里キリ、撮影／金澤正平）