【インタビュー】作曲家・梶浦由記が語る! 「SAO」シリーズ劇場版最新作「劇場版 SAO プログレッシブ」のサントラは新しさと懐かしさを感じる1枚に

2021年10月29日 19:000
(C) 2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

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アスナとミトが冒険を楽しむ曲では、「SAO」の新たな世界観を描くことができました


── 今回の劇場版では、ミトという新キャラクターが出てきます。アスナの現実世界の友だちで、ゲーム世界でも一緒に行動することになる女の子です。梶浦さんは、どのようなキャラクターだととらえましたか?

梶浦 優秀なゲームプレイヤーであることは確かなんですけど、普通の子の立場を代表しているキャラクターだなと思いました。私たち視聴者の立場に近いというか、「自分があの世界に行ったら、どんな行動を取るだろう?」、「戦いでこういう状況になったらどういう選択をするだろう?」と、視聴者がストーリーを自分に当てはめて考えるためのフックになっているキャラクターなんですよね。そういう意味では、彼女の登場によってまた新たな視点が作品に加わったんじゃないかなと思います。

── 同じ女の子同士だし、現実世界でも知り合いだったということで、アスナとミトのやり取りはナマっぽいんですよね。

梶浦 今まではずっとキリト視点で、非常に強い人から見た世界だったわけじゃないですか。戦闘に突っ込んでいっても死なないし、困っている人は助けられるし。でもミトやアスナにはキリトと同じことはできないので、彼女たちの視点を通して、美しくて楽しいだけではない、あの世界の過酷さを改めて味わうことができるのが、今回の劇場版なんです。


── アスナとミトの関係性が、特に前半ではしっかり描かれていました。2人のドラマを、音楽ではどのように表現しようと考えましたか?

梶浦 今回、アスナとミトが2人で力を合わせて冒険をしているシーンで流れているような、冒険の楽しさを表した楽曲は「ソードアート・オンライン」のサントラには今までなかったんですよ。今回はそれを作れたのも楽しかったですね。ミトのほうがアスナより強くて、アスナは自立心がそれほど育ってなくて、まだ考え方も甘くて、そんな2人がゲーム世界を楽しく闊歩しているようなシーンって、今までの「ソードアート・オンライン」にはなかったんだなって思いました。

── 曲順で言うと10番台に入っているのが、今おっしゃられた曲ですね。

梶浦 そうですね。

── その前には「she is my friend」というタイトルの曲が、3バージョン入っています。これらは物語の序盤の、現実世界でのアスナ(結城明日奈)とミト(兎沢深澄)の出会いと交流に使われた曲ですね。

梶浦 ミトが現実世界で深澄として最初に登場したときは、アスナと同じクラスのクールな女の子という感じで、そういう子のイメージで作ったのが、5曲目の「she is my friend」ですね。そこからミトの、クールなだけじゃないほかの一面が出てくるごとに「she is my friend #2、#3」と同じメロディを使いながらも、楽曲の雰囲気が変わっていきます。今回のサントラで唯一、100%新しいメロディが使われているのがミトに関係する曲で、ほかの曲は新曲でも、ファンにとってはどこか耳なじみのあるものになっています。

── たとえば、19曲目の「you can do it!」はアスナとミトが戦いの練習をしているときに使われた曲ですが、青春の要素がたっぷり詰まった曲になっていました。

梶浦 ミトと力を合わせて努力して、今までできなかったことができるようになっていくアスナの姿が、すごく新鮮でした。

── 物語も後半になると、厳しい戦いが描かれるようになって、サントラの雰囲気も変わっていきます。

梶浦 やっぱり物語のキモはキリトというか、彼がかっこよく見せ場をさらっていきますから。

── 取材にあたって本作を拝見させていただいたのですが、やっぱりキリトは最初からかっこいいなと思いました。

梶浦 「ソードアート・オンライン」の一番の魅力は、やっぱり「キリトくん、かっこいい!」ですよね。ただ、アスナと出会ったばかりのときの不器用な接し方は、逆に新鮮でした。アスナも辛い思いを抱えていて、キリトはキリトでトラウマがあったころなので、なかなか歩み寄ることができなくて。2人の最初はこういう感じだったんだなあと、本作を見て思いました。

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